なつかしい「里山」を味わうなら!「里山ホテル ときわ路」
茨城県北・常陸太田市にある、広大な森に囲まれた丘の上のホテル。
それが、「里山ホテル ときわ路」です。
よくあるリゾート型のホテルと相違ないようにも見えますが、一歩そこに踏み入れると、中庭には菜園とバーベキューガーデン、グランピングテント、従業員として働くヤギまでおり、どこか従来のホテルとは違う趣向が感じられます。
それもそのはず。実は、里山ホテルとは、「日本の原風景である“里山”体験を通じて、家族の絆が深まるホテル」をコンセプトに、体験や宿泊を通じて、茨城県北地域に生きる「人」とその「暮らし」の魅力を伝えることを目的としたホテルなのです。
地元スタッフ手作りの日替わり惣菜朝食/季節野菜中心で醗酵テーマの夕食、どちらも人気です。
また、森から集めた材料を用いたクラフト体験や、星空を楽しむツアー、季節を楽しむ催し物が豊富にあり、日帰りでも利用することができます(要予約)。
今回は、一ホテルであった「健康保養センター」の「里山ホテル」へのリブランドに携わる、藤野龍一さんにお話を聞いてきました。
◆里山ホテルとしてリスタート
元々は国の健康保養施設として、また学生の合宿や地域の宴会の場として、利用されてきました。一度は空きホテルとなりましたが、現在の運営会社が買い取り、東日本大震災の復旧に併せて里山ホテルとして生まれ変わったのが2013年。翌年の2014年度から藤野さんが携わり、商品開発の取り組みが始まりました。
◆藤野さんについて
聞くと、大学時代に専攻した環境学を通じて「里山」に対する思い入れが深まったという藤野さん。前職では、星野リゾートでマーケティングを担当しており、その経験を活かしながら、自らが里山に関わって挑戦ができたらと、常陸太田のこのホテルへ転職されたそうです。
◆この地域らしい景色を垣間見てもらい、家族の絆を深めてもらう
この地域に建つ「ときわ路」にはどんな社会的な価値があるのか。藤野さんは「当時から付き合いのあったこだわりの強い生産者の皆さんや、ホテルで働く個性的なスタッフの面々。こういった方々と旅行者・市場をつなげたい。また、そんな農家やスタッフを育む茨城県北地域そのものにスポットを当てて、自然からの学びを得てほしい」という考えのもと、里山ホテルの在り方を検討しました。こうして、菜園をはじめとした“里山の日々の暮らし大変さや楽しさ、生きがい”を感じることができるスポット・仕組みを目指すことになったのです。
また、里山ホテルのコンセプトでもある「家族の絆を深める」ために必要な、相互理解の場・身近な人の新たな一面を発掘する場として、体験型のワークショップを数多く用意するようにもなりました。
従来の宿泊施設は、観光地としての非日常を体験してもらったり、非日常を作り上げてお客さまに楽しんでいただいたりするものですが、里山ホテルは「既にこの地域にあるノンフィクションな日常=訪問者にとっての異日常」を商品化し、体験してもらおうとしている点が異なります。
私自身、茨城県北で生まれ育ってきましたが、地元の人でも、里山ホテルにきて、新たに・改めて気づいた地域の魅力がたくさんありました。
東京から車で150分。普段都内にお住まいでも、存外遠くないですよ。茨城県北の素朴な美しさ、おいしさ、楽しさを満喫しに、気軽にお越しください。
茨城県常陸太田市増井町1800
TEL : 0294-72-4141