高崎市江木町 ちょっと口下手な店主と奥さまが営む、常連でにぎわう焼き鳥屋『串焼き とんき』
人々の笑い声に溢れる東三条通り沿いの隠れた焼き鳥屋
高崎市江木町・東三条通り沿いに店をかまえている「串焼き とんき」。店の外には近くの結婚式場のイルミネーションの光や、個人経営のスナックが軒を連ね、夜になるとあたたかな人々の笑い声で溢れています。店内に入ってもそのにぎやかさは変わらず。平日でも常連のお客さんが集い、思い思いの時間を過ごしています。
地元に戻り独立。同級生夫婦二人三脚での経営。
「串焼き とんき」は2013年12月14日オープン。誰に頼ることもなく、ご夫婦二人だけで今日まで営業し、今年12月で創業7年目になりました。元々は東京で料理人として働いていた、現「串焼き とんき」店主の今井敦生さん。「一度は独立してみたい」という想いから、お二人の地元・高崎での営業がスタートしました。カウンター席7名、座敷に4名×2名が座れる、比較的小規模の隠れ家的お店です。一見寡黙そうに見えますが、お客さまが話したいときはひたすらに聞き役に徹し、一言一言にあたたかい人となりが滲みでている敦生さんと、ニコニコ笑顔がトレードマークの真理子さんの周りには、お二人を慕うお客さまでいっぱいです。
写真に写るのは恥ずかしいと店主の敦生さん。奥さま真理子さんとのツーショットなら尚のこと…。
「串焼き」へのこだわり
店のイチオシ料理はもちろん、「串焼き」です。オーソドックスなものから変わり串まで延べ15種類の串焼きを頼むことができます。串焼きをメインに店を営むことにした理由を奥様に聞いてみたところ、「東京でもやっていたわけではないの。ここでやるのが初めて。だって、串焼きだったら毎日食べても飽きないじゃない?」と、意外にもシンプルな理由。しかし、そんな串焼きの作り方にはお二人のこだわりがあります。それは、“当日分の具材しか持ってこず、注文が来てから串打ちする”というもの。通常、下処理から串打ちし焼き上げるまでには一定の時間を要しますが、事前準備した時間の経ってしまった具材は一切お出ししません。ですので、丁寧に仕込まれた串焼きはどの部位であっても臭みがなく新鮮で、本当に美味しいです。価格もリーズナブルなので、お客さまからも大好評。「このお店の大きさ・お客さまの数だからできていること。それでも一本出すのに20分以上掛かってしまう時もザラにあるし、もっと早く出してほしいという常連さんもいる。どっちを取るかは難しいけど…でもこのスタイルは貫いていきたい」と話していました。真理子さん自慢の日替わりのお通しや、突き出しの料理も豊富なので、楽しく話している間にいつの間にか串が来ていると感じる人も少なくないですよ。
耳に掛けていた鉛筆で注文をメモしたら、串打ちし、丁寧に焼き上げていきます
スナックを改装して作られた木の温かみ溢れる店内
「座敷に座ってみると少しだけ狭いでしょ。これ、元々スナックのボックス席だったところを改装しているから、座敷として座るにはちょっと窮屈なのよね」と話す真理子さん。そうなんです、実はこの店舗はもともとスナックでした。確かに言われてみると、以前はバーカウンターだったので、普通の串焼き屋さんにしては少しだけ椅子が高いな…?とも思いました。しかし、そんなことを感じさせないくらい、やわらかい木目調の雰囲気で統一された居心地の良い店内です。自分たちだけでお店をやりたい!という想いから始めたとはいえ、お二人にはたくさんの周囲の人々の支えがありました。たとえば、この店内全体は、敦生さんの付き合いのある大工さんがすべて改装してくれました。
また、立ち上げに際しては、敦生さんのお母さまの存在も欠かせません。お母さまも同様に飲食店を営んでいたので、そのころ使っていたテーブルを譲り受けて使っているほか(そのテーブルも同じ大工さんが作ってくれました)、大きな布地に「とんき」と店名が書かれた帆のような看板も、習字が趣味だったお母さまが書いてくださったそうです。ちなみに、店名の「とんき」の由来は…店主・敦生さんの名前を音読みにしたもの!また、串焼きの「豚(とん)」と言う意味もかかっています!
“焼き鳥屋=汚い”というイメージを覆したい!
今後の夢をお二人におうかがいしたところ、「“焼き鳥屋さん=おじさんしか来なくて汚い”ってイメージを無くしたい。カップルとか、女の子だけでも来てもらえるような店づくりにこれからも努めていきたいです。」とのこと。高崎は地元とはいえ、ここで店を始めてから増えた知り合いも多く、その方々こそが宝物だそうです。結婚生活25年目のお二人が営む「串焼き とんき」、これからも夫婦一丸で楽しくお店を営んでいただきたいです。群馬で美味しい串焼きを食べてみたいと思っている方は、是非一度足を運んでみてくださいね。