日韓トンネルのメリット・デメリット

 日本側のトンネル開通の可能性に言及する報道を見た韓国国民からは以下のような声が上がっている。

「韓日海底トンネル建設は、壬辰倭乱の時に九州・釜山・漢陽が繋がった日本のクソ倭軍たちの普及路だ。韓国領土を日本領土にするというのか」
「トンネルは日本が朝鮮を植民地化計画に収奪するための大東亜野望の一貫だ。絶対に反対」
「豊臣秀吉が起こした壬辰倭乱を忘れたのか。近年、海底トンネル建設費の90%を日本が負担すると提案した。これが何を意味するのか分かるか?」

 このように、トンネル開通に批判する声が目立つ。

 ちなみに、韓国ではトンネル建設費の90%を日本が負担すると思っている国民がいるが、日本では想定される総工費の約10兆円のうち、日本が約7兆円、韓国が約3兆円負担すると言われている。

 日韓海底トンネルが開通すれば、日本から韓国はもちろん、韓国を経由して中国、ロシアへと自動車で渡れるようになる。そのため、多くの韓国人が懸念するように、大陸に道が開ければ日本経済が活発化することは十分あり得るだろう。

 そして、開通は韓国にもメリットをもたらすが、経由地になりかねないというリスクも孕んでいることは間違いない。

 ただ、容易に人の往来ができるようになれば、そこから病原菌や外来種も入ってくるということだ。日本は島国であるからこそ、これまで多くの病原菌の危機から免れてきた側面がある。

 我が国には、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」があり、特定の外来生物は容易に日本国内に持ち込めないようになっている。

 飼い主のいる犬や猫だって海外からやってくる場合は厳しい検査のもと、入国が許可されるくらいだ。

 日本で狂犬病がほとんどないのは、狂犬病にかかっている動物を水際で防いでいるからだ(国立感染症研究所によると、1957年以降、日本国内では狂犬病輸入症例として1970年に1例、2006年に2例が報告されており、2020年には狂犬病患者も確認されているが、それは海外帰国者の事例だった)。

 加えて、盗難が多発する恐れもある。