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2022年4月からの小麦の価格について

3月9日、2022年4月からの輸入小麦の政府売渡価格について、農水省は主要銘柄平均で17.3%の引き上げを行うことを公表しました。
北米小麦主産地の不作影響やウクライナ情勢等による供給懸念に伴う小麦国際相場の高騰、米国・カナダ・豪州の日本向け産地における品質低下等による高品質小麦の調達価格帯の上昇、為替が円安傾向で推移した影響等を受けて、前期に比べて引き上げとなっています。

輸入小麦の政府売渡価格の改定について:農林水産省(maff.go.jp)
(2022年3月9日付 農林水産省ホームページより)

これを受けて日清製粉でも業務用小麦粉の価格改定を行うこととしました。

日清製粉 小麦粉価格改定のお知らせ(2022年4月8日付)

〈穀物国際相場の推移〉

農林水産省「輸入小麦の政府売渡価格について」より

〈小麦(シカゴ)相場の推移〉

REUTERS「商品先物」より

〈海上運賃の推移〉

農林水産省「輸入小麦の政府売渡価格について」より

〈為替の推移〉

農林水産省「輸入小麦の政府売渡価格について」より

〈ご参考:小麦の価格が変わるしくみ〉

●政府が輸入小麦の価格を決めるしくみ

日本ではほとんどの小麦を国が輸入して製粉会社に売っていますが、その価格は過去に国が買い付けした価格の平均で決まることになっています。

日本で主に使われる小麦(主要5銘柄)については、国が輸入し製粉会社に売り渡しますが、価格は半年に1回しか変わりません。過去6ヶ月間に国が購入した価格の平均に、売買差益であるマークアップを上乗せした金額で、製粉会社へ販売される小麦の価格が決まります。

●輸入小麦の価格にはシカゴ相場が影響

シカゴ相場とは、アメリカで最も取引量の多い商品取引所で形成される農産物の取引価格のことです。
穀物では特に、とうもろこし、大豆、小麦が国際的な指標になっています。

●円高や円安は輸入小麦にも影響

小麦は輸入品なので、仮に小麦の相場が同じ価格だとすると、円高になれば輸入価格は安くなりますし、円安になれば輸入価格は高くなります。

日本の輸入小麦の売渡価格は、過去の買入れ価格の平均をもとに決定されますので、例えば4月~6月に円安になり輸入価格が高くなったとすると、この影響は次の10月の政府売渡価格の改定時に反映されることとなります。

小麦粉百科 小麦・小麦粉の価格のしくみ

以上