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(4)7時間睡眠、本当に無理ですか

 なぜ平日半ばに早めの就寝を設けるかというと、20歳台から40歳台は週50時間くらい眠ってほしいと言いました。忙しいビジネスマンに毎日正確に7時間眠れというのは無理があります。週末に死んだように寝て挽回しよう、という人も多いと思いますが、平日の睡眠不足を土日だけで一気に回復するのは難しいです。週末だけだと、5日連続で睡眠不足になる、ということで、月曜、火曜はいいけど、週後半になると疲れてヘロヘロになります。睡眠は「3日で収支を合わせる」を意識していただくといいです。週の半ばに少し長めの睡眠時間を取るようにしてみてください。

 なぜ平日と休日の起床時間差は2時間以内にするのか? 寝る、起きるのリズムを「睡眠相」と呼びます。睡眠相が不安定になると慢性の時差ボケ状態になります。起床時刻が、日曜日の朝が10時、月曜日が6時半だと、時差3.5時間。インドと日本の時差に相当します。こういう状態だとストレスへの対応力が低下し、会社に行って上司の小言がすごくいやなことに聞こえてしまったりします。十分に眠ったいい体調ならば、広い心で柔軟な対応が出来ますが、寝不足だとそうはいかない。だから平日と休日の起床間差は2時間以内にしてほしい。

 なぜ長すぎる睡眠はダメなのか? 弊害が大きいです。日中、活動不足だと、疲労が足りず、眠りに入れない。すると眠りが浅くなる。昼にうとうとしてしまう。夜ますます入眠困難になる。

 大人だと、7時間眠って、17時間起きる、7-17-7-17のリズムを刻みます。この17時間をある程度密度濃く、活発に過ごすことが大切です。すると疲れますね。疲れがあると、いい眠りが得られます。ところが17時間をゴロゴロしていて疲れないと夜よく眠れない。疲れがあると夜よく眠れる。適度に動いて疲れることが健康の秘訣です。睡眠が9時間を超えていたら要注意です。10時間超えていたら、私は、あえて「短くしなさい」と言うことも多いです。

 酒。なぜ週3日の休肝日が必要か? 酒の影響は肝臓だけでなく、睡眠の質を悪くする。酒を飲んでの7時間の睡眠は、実質4、5時間の睡眠にしか過ぎない場合がある。疲労回復効果がガクッと落ちます。それで疲労がたまってうつ状態になる。ですから、酒のない日を設けるだけでも、メンタルヘルスは良くなります。最終的に全く酒を飲まないとメンタルヘルスはずっと良くなります。といってもお付き合いもあるでしょうし、完全に酒を飲まないのは難しいですが、連続しない、ということが一つのコツだと思います。

 適度な運動も必要ですね。ほどよい疲れが健康の秘訣。布団に入るときに少し疲れているのが最高です。眠りに入る時には適度な疲労感が必要です。それで速やかに眠れて深く眠れます。翌朝もすっきり起きられます。

 フィットネスクラブに行くとか、忙しければ一駅手前で歩いてみるとか、階段を使ってみるのもいいかもしれません。決してスポーツをしろ、というのでもないんです。犬との散歩でもいいし、知的な趣味と歩く習慣をうまくカップリングさせるといいんですね、文学散歩でもいいし、古寺巡礼とか、庭園を歩くとか。

 1日7時間の睡眠なんて、忙しくて無理、というあなた。7時間眠って、残りの17時間の密度を濃くすることを考えた方が絶対にいいです。4時間睡眠だ、という人に聞きたいですが、残りの20時間を有効に使っていますか? 4時間しか寝ない人は、ぼんやりしている時間が長いんですね。睡眠を削って得られるのはぼんやりした時間だけです。受験生は昔、「4当5落」と間違ったことを言われました。受験生は「勉強しなくちゃ」というあせりがあるから睡眠を削りますが、削った結果、ボーっとしてたり、しかたないからゲームでもやるか、とか、こんなことでは睡眠時間を削った意味がありませんね。だから、17時間の密度を濃くすることを考えた方がいいと思います。目が覚めている間の密度を濃くすることを考えて、決して睡眠を削ることを考えないようにしてほしいと思います。ビジネスマンは、朝夕の無駄な時間をなんとか短縮できないか、とか、通勤時間を短縮できないか、外出の順序を考えるとか、タイムスケジュールの効率化を考えた方がよいかもしれません。

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