開化丼(読み)かいかどんぶり

精選版 日本国語大辞典「開化丼」の解説

かいか‐どんぶり カイクヮ‥【開化丼】

〘名〙 丼の一種。牛肉タマネギを甘辛く煮て、卵とじにして飯の上にのせたもの。明治の文明開化期に始まる。一般に忌されていた牛肉と新しくはいってきたタマネギを使い、文明開化の名にふさわしいところからいう。
※彼女とゴミ箱(1931)〈一瀬直行〉浅草の胴体「天どんの廿五銭、親子丼、開化丼(カイクヮドンブリ)の三十銭」

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典「開化丼」の解説

かいかどんぶり【開化丼】

どんぶり物の一つ。牛肉とたまねぎを甘辛く煮てでとじ、どんぶりに盛った飯の上にのせたもの。豚肉を用いることもある。◇江戸時代まで一般には食べられなかった牛肉と、明治初期の文明開化期に日本に入ってきたたまねぎを用いることから。

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デジタル大辞泉「開化丼」の解説

かいか‐どんぶり〔カイクワ‐〕【開化丼】

どんぶり飯に、牛肉とタマネギの卵とじをのせたもの。明治初期に入ってきたタマネギと、一般に禁忌だった牛肉を新しく使ったところからいう。

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世界大百科事典内の開化丼の言及

【丼】より

…やがて飯の上にウナギの蒲焼をのせて,たれをかける〈うなぎ丼〉などが考案されると,簡便,美味なその方式が庶民の愛好するところとなり,《江戸名所図会》巻一〈中橋〉の図中に見られるごとく,〈丼物〉なる語を生むにいたった。現在ひろく見られる丼物には,〈うなぎ丼〉略して〈うなどん〉,てんぷら丼の〈天どん〉のほか,とんカツを使う〈かつどん〉,鶏肉,タマネギ,ミツバなどを卵とじにしてのせる〈親子丼〉,鶏肉のかわりに牛肉を使う〈開化丼〉,牛肉の煮込みをかける〈牛どん〉,マグロの刺身をすし飯にのせる〈鉄火丼〉,かまぼこ,シイタケなどをとり合わせる〈木の葉丼〉など種類はいろいろである。【鈴木 晋一】【松本 仲子】。…

※「開化丼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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