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障害者虐待防止法。通報した人が損害賠償を求められる例。罰則がない欠点

2015年12月12日 | 子供・おとな安全
障害者虐待防止法。通報した人が損害賠償を求められる例。罰則がない欠点。

相川哲弥ブログ http://blog.goo.ne.jp/jp280

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  1節。 記事「(社説)虐待の通報 告発者を守る仕組みを」
(社説)虐待の通報 告発者を守る仕組みを

北海道新聞   2015年12月06日 08:50
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 障害者の就労支援施設で虐待があるとして、自治体に内部告発した職員が、施設側から損害賠償を求められる事例が相次いだ。
 2012年に施行した障害者虐待防止法は、虐待発見者に市町村への通報義務を課している。
 その法に従って通報した職員が賠償を求められるのは、法が想定していない事態だ。これでは通報者も釈然としないだろう。

 制度に不備があると受け止めざるを得ない。通報者保護のため見直しを図る必要がある。

 さいたま市の女性元職員の場合は、上司が男性障害者の裸の写真を撮り、職場のパソコンに保存しているなどと市に通報した。ところが、施設側から670万円の賠償請求の通知を受けた。

 鹿児島市の男性元職員の場合は、幹部が女性障害者に暴力を振るったとして市に通報したが、施設側から110万円の損害賠償訴訟を起こされた。

 さいたま市の施設側は「他にも虐待があったと虚偽の説明をした」と主張。
鹿児島市の施設側は、「事実無根の中傷で名誉を毀損された」などとしている。

 厚生労働省の13年度の調査では、施設などでの虐待通報7千件のうち、自治体が虐待と認定できたのは約3割にとどまる。
 自治体の調査には限界があり、裏付けが難しいためだ。

 内部告発は、現場が密室になりがちな虐待を防ぐ重要な手だてと言える。
しかし、通報者に対するこうした賠償請求が続けば、制度自体が機能しなくなる。

 企業や官公庁では2000年代以降、法令違反や不正行為を防ぐことを目的に、内部通報制度を導入する動きが広がった。

 06年には、通報者が解雇などの不利益を受けないよう、公益通報者保護法が施行された。

 障害者虐待防止法はこの流れを受けている。

 しかし、実際には公益通報者保護法に基づく通報では、告発後に配転人事を受けたなどの事例が出ている。

 問題は、障害者虐待防止法も公益通報者保護法も、通報者の不利益な扱いを禁じているにもかかわらず、その規定に反しても罰則がないことだ。

 とりわけ、障害者虐待防止法は通報を義務としている。

 もちろん、真実に基づいていなければならないが、悪意や過失がない通報をした告発者を守る仕組みは欠かせない。
そうでなければ、法は死文化しかねない。
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虐待通報の職員に施設が賠償請求

埼玉、鹿児島の障害者施設

47ニュース   2015年11月22日 16時46分
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 障害者の通所施設で虐待の疑いに気付き自治体に内部告発した職員が、施設側から名誉毀損などを理由に損害賠償を求められるケースが埼玉県と鹿児島県で起きていることが22日、分かった。

 障害者虐待防止法では、虐待の疑いを発見した職員は市町村に通報する義務がある。
通報したことで解雇など不利益な扱いを受けないことも定めており、施設側の対応に法曹関係者らから「法の理念を無視する行為。
職員が萎縮して、虐待が闇に葬られてしまう」と批判が出ている。

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【社説】障害者の虐待 通報には誠実な姿勢で

東京新聞  2015年12月2日
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 障害者施設での虐待を通報したら、施設側から損害賠償を求められる事態が相次いでいる。良識に対する“報復措置”とすれば許されない。謙虚に省みる姿勢を欠く施設は社会的信用を失うだけだ。
 誰であれ虐待されたと疑われる障害者を見つけたら、自治体に通報せねばならない。障害者虐待防止法で定められた義務である。高齢者や子どもの虐待を防ぐ法律とほぼ同じ仕組みになっている。
 自ら声を上げられない非力な存在を、社会を挙げて守るねらいがある。周りの人々の良心や善意、正義感から発信されるSOSは大きな頼みの綱だ。
 それだけに、埼玉県と鹿児島県の障害者就労支援施設で持ち上がった問題は深刻である。賠償請求をおそれ、通報をためらう風潮が広がらないか強く懸念される。
 さいたま市の施設では、男性職員が知的障害のある利用者らの裸の写真を撮ったなどとして当時職員だった女性が市に知らせた。市は虐待を認め、改善を勧告した。
 ところが、施設側は、女性の説明には虚偽が多く、仕事の予定が取り消されたとして六百七十万円余りの賠償を求めたという。法廷で争えば重い負担を強いられる。
 鹿児島市の施設では、当時職員だった男性が「幹部職員にバインダーで頭をたたかれた」と利用者から聞き、市に通報した。市は虐待の認定には至らなかった。
 これに対し、施設側は、事実無根の中傷で名誉を傷つけられたとして、百十万円の賠償を求めて男性を提訴したという。
 法律に従って通報しても損害の穴埋めを要求されるのでは、障害者を守ろうとの機運はなえてしまう。法の理念にもとる行為だ。
 厚生労働省の二〇一三年度の調査結果では、施設や家庭、職場での虐待疑いの通報は七千百件余りに上ったが、事実と認められたのは三割強にとどまった。
 しかし、だからといって、障害者の居場所には監視カメラの設置をという空気が強まれば、今度はプライバシーが危ぶまれる。
 仮に虐待が裏づけられなかったとしても、通報された事業者は誠実に受け止めるのが筋である。これを機に、意趣返しに対して制裁を科す仕組みを検討するべきだ。
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虐待告発職員に賠償請求 埼玉など障害者施設

東京新聞   2015年11月23日 朝刊
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写真。  施設側から届いた内容証明郵便を見つめる女性元職員=さいたま市で

 障害者の通所施設で虐待の疑いに気付き自治体に内部告発した職員が、施設側から名誉毀損(きそん)などを理由に損害賠償を求められるケースが埼玉県と鹿児島県で起きていることが、分かった。

 障害者虐待防止法では、虐待の疑いを発見した職員は市町村に通報する義務がある。
通報したことで解雇など不利益な扱いを受けないことも定めており、施設側の対応に法曹関係者らから「法の理念を無視する行為。職員が萎縮して、虐待が闇に葬られてしまう」と批判が出ている。

 さいたま市の就労支援施設に勤めていた女性元職員(42)は十月、
運営主体のNPO法人から約六百七十二万円の損害賠償請求を通知する内容証明郵便を受け取った。

 女性は
上司の男性職員が知的障害のある男性利用者二人の裸の写真を撮影し、無料通信アプリで送ってきたり、職場の共用パソコンに保存したりしていたため
三月に市へ通報。
市は施設へ監査に入った。女性が自主退職した後の六月、虐待を認定、改善勧告を出した。

 施設側は「女性はテレビ局の取材も受け、他にも虐待があったと虚偽の説明をした」と主張。「外部からの業務受託の予定が取り消され、損害を受けた」として賠償を求めているが、女性は争う構えで、裁判に発展する可能性もある。

 鹿児島市の就労支援施設の男性元職員(48)は、六月に運営会社から鹿児島簡裁に提訴された。

 男性は同社で働いていた昨年秋、女性利用者から「幹部職員にバインダーで頭をたたかれた」と聞いた。半信半疑だったが、他の利用者に対する虐待の目撃証言が別の関係者からもあったため、二月に市へ通報した。

 施設側は虐待を否定。「事実無根の中傷で名誉を毀損された」などとして百十万円の損害賠償を求めている。

 市は虐待の認定に至っていないが、担当者は「男性がうそをついているとは考えていない。虐待防止法の趣旨からすると、提訴はあるべきことではない」としている。

写真

◆「報復」に罰則なく 法に従い通報したのになぜ

 法律に従って虐待の疑いを通報したのに、なぜ賠償を求められるのか。
障害者虐待防止法には、通報した施設職員に対する不利益な扱いを禁じる規定はあるが、罰則はない。
通報者への賠償請求を想定していない上、訴訟を起こす権利までは制限できない。
このため、現状では「報復」として通報者が訴えられるリスクは否定できない。

 同法は二〇一一年に成立、一二年に施行された新しい法律。厚生労働省によると、通報者が訴えられたのは初めてではないかという。担当者は「通報義務を定めた虐待防止法そのものが訴えられたようなものだ」と憤る。

 厚労省の調査では、一三年度に施設や家庭、職場で障害者虐待の通報は計七千百二十三件あったが、事実の認定に至ったのは約三割の二千二百八十件にとどまる。
自治体の調査には限界があり、裏付けが難しいためだが、虐待が認定されなかったことを理由に通報者を訴える裁判が今後、さらに続く恐れもある。

 虐待被害者の内訳では、知的障害が最も多く、証言能力に欠ける人が標的にされているともいえる。
知的障害者の親らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」の久保厚子会長は
「重度の人の場合は虐待を受けたと認識できず、軽度でも自分の気持ちを主張できないことがある。
虐待が事実でなかったとしても『そう受け取られる行為があったのでは』と謙虚に受け止めてほしい」と話す。
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総務省「法令でーーた提供システム」ホームページ    クリック 

法律「障害者虐待防止法」(全文)    クリック 
正式法律名「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」
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  9節。資料出典。
別の記事『インターネット版のニュース記事を、記憶容量が最小のファイルに保存・整理』(2010年02月19日)
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