「法律による社会正義の実現!」

杉並民事家事法律事務所が、タイムリーで身近なニュースに関して、「法律による社会正義の実現」を願ってコメントします。

虐待を通報した善意の人が訴えられる!

2015-11-24 14:45:38 | 虐待防止法

施設で虐待に気づきこれを自治体に通報した職員が、施設側から逆に名誉棄損等を理由に損害賠償を求められているケースが埼玉県と鹿児島県であるようです。

障害者虐待防止法では、虐待の疑いを発見した職員の市町村への通報義務と、通報により施設から解雇等の不利益を受けないことを定めてはいますが、施設からの損害賠償請求までは禁じてはいません。

この2件は、職員が入所者の裸の写真を撮影したり、バインダーで頭を叩いたりと虐待の事実は明らかのようにも思え、かかる虐待を通報したことを理由に、内部告発者が施設から訴えられてしまうのでは、萎縮的効果により誰も虐待を積極的に通報などしなくなり、法律上の通報義務は骨抜きになってしまいます。

先にも施設からの不審な連続転落死事件が問題になっており、特に障害者施設で頻発している虐待の早期発見、防止のためには内部告発が最も有効な手段と思われます。

早期通報による虐待防止を実効化するためには、通報義務の課される職員の法的保護が必要不可欠であり、内部告発者に重大な過失がない限り通報を理由とする民事請求からは免責されるなどの、早急な法整備が求められるところです。

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