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読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
Jun.2022
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沙高樓綺譚 浅田次郎
最後の医者は桜を見上げて君を思う 二宮 敦人
サイゴンの火焔樹―もうひとつのベトナム戦争  牧 久
最終退行 池井戸 潤
桜ほうさら 宮部みゆき
砂上のファンファーレ 早見和真
沙中の回廊 宮城谷昌光
殺人者たちの午後 トニー・パーカー
砂漠 伊坂幸太郎
砂漠 伊坂幸太郎
寂しい丘で狩りをする 辻原 登
サラバ! 西 加奈子
さらば愛しき大久保町 田中 哲弥
三国志(一) 宮城谷昌光
三国志(二) 宮城谷昌光
三国志(三)(四) 宮城谷昌光
三人姉妹 大島真寿美
三匹のおっさん 有川浩
三匹のおっさんふたたび 有川浩
ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 ディヴィッド・ハルバースタム
ザ・ラストバンカー 西川善文
ザリガニの鳴くところ ディーリア・オーエンズ
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し 原田 宗典
シャーロックホームズの息子 ブライアン・フリーマントル
しゃべれども しゃべれども 佐藤多佳子
シャングリ・ラ 池上永一
シャンタラム(上) グレゴリー・デイヴィッドロバーツ
終活ファッションショー 安田 依央
囚人道路 安部譲二
終末のフール 伊坂幸太郎
首里の馬 高山羽根子
春申君 塚本靑史
少女 湊かなえ
少女不十分 西尾 維新
昭和史〈戦後篇〉 半藤一利
贖罪 湊かなえ
書店ガール 碧野 圭
疾走 重松清
獅子頭(シーズトォ) 楊逸
シーソーモンスター 伊坂幸太郎
シアター  有川浩
塩狩峠 三浦綾子
塩の街 有川浩
鹿の王 上橋菜穂子
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上春樹
史上最強の内閣 室積 光
死神の精度 伊坂幸太郎
死神の浮力 伊坂幸太郎
死に神のレストラン 東万里央
屍人荘の殺人 今村昌弘
死の淵を見た男 門田隆将
死亡フラグが立ちました 七尾与史
始末屋ジャック 見えない敵 ポール ウィルスン
島はぼくらと 辻村深月
下妻物語 嶽本野ばら
死もまた我等なり ジェフリー・アーチャー
知られざる坂井三郎 -「大空のサムライ」の戦後 零の会
四龍海城 乾ルカ
深海魚チルドレン 河合二湖
新世界より 貴志祐介
心霊探偵八雲 神永学
十一番目の戒律 ジェフリー・アーチャー
13日間 - キューバ危機回顧録 ロバート・ケネディ
14歳 -Fight 後藤竜二
重力ピエロ 伊坂幸太郎
呪術 初瀬 礼
呪文 星野 智幸
殉愛 百田 尚樹
巡礼  橋本 治
時空の旭日旗―我ら、未来より 安芸一穂
ジパング島発見記 山本兼一
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水深五尋 ロバート・ウェストール
水神(すいじん) 帚木蓬生(ははきぎほうせい)
数学的帰納の殺人 草上仁
数式に憑かれたインドの数学者 デイヴィッド・レヴィット
スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介
スコーレNo.4 宮下奈都
涼宮ハルヒの陰謀 谷川 流
涼宮(すずみや)ハルヒの退屈 谷川 流
スプートニクの落とし子たち 今野浩
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政客列伝 安藤俊裕
聖痕 筒井康隆
聖女の遺骨求む エリス・ピーターズ
聖女の救済 東野圭吾
製鉄天使 桜庭一樹
世界がぼくを笑っても 笹生陽子
「世界征服」は可能か? 岡田斗司夫
世界不思議発見 南インド大紀行
セピア色の凄惨  小林泰三
セブンスタワー ガース・ニクス
戦場の掟 (BIG BOY RULES) スティーヴ・ファイナル
占星術殺人事件 島田荘司
宣戦布告 麻生幾
戦争詐欺師   菅原出
線は、僕を描く 砥上裕將
絶対服従者(ワーカー) 関 俊介
絶望ノート 歌野晶午
ZERO 麻生幾
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。  辻村深月
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草原の風 宮城谷昌光
相対性理論を楽しむ本 佐藤勝彦
瘡瘢旅行(そうはんりょこう)  西村賢太
そして、バトンは渡された 瀬尾 まいこ
卒業 重松清
空色勾玉 荻原規子
空の拳 角田光代
造花の蜜 連城三紀彦
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占星術殺人事件 島田荘司

1980年代後半という結構古い作品なのだが、最近になってまた改訂されて文庫化されている。
事件そのものはそれよりさらに昔の40年前。
二・二六事件のあった日が事件の発端。
そんな時代の事件を解決して欲しいと依頼を持ちこまれる話。

放蕩画家でもある資産家の家の主人の異様な手記から話は始まる。
その手記の中に書かれていたのは、この主人、なんと実の娘と妻の連れ子の娘、そして弟の娘、20代の娘合わせて6人を占星術ならぬ星座の情報を元に引き裂き、つまりは殺人をしてその後自分も自殺をこれからしよう、というシロモノ。

ところが、この画家が真っ先に殺害されたのにも関わらず、娘六人の殺害は手記通りに行われ、手記に書いてある通り、日本全国の各地に遺棄され発見される。
この事件が報じられてから40年間、日本全国のにわか探偵にありとあらゆる推理をさせたが、解決に至らなかったという事件だ。

この話、トリックものとしては別にケチをつけるつもりはないが、結構突っ込みどころ満載の筋書き書いておきながら、この作家の自画自賛、自惚れの強さがどうにも好きになれない。

身体を切り取るって臀部なら臀部の一部を切り取るのかとばっかり思っていたら、身体を切断するんじゃないか。
ネタバレ承知で書くと、これで若い女でも充分に出来るだろう、ってどんな神経で書いてるんだ。

桐野夏生の小説に「OUT」というのがあるが、これには死体を切断するのがどれだけ大変な作業なのか、えんえんと書いてある。

桐野夏生はひょっとしたら、この本をかつて読んでそれに反発して書いてたりして・・・。
まぁそれはないか。
風呂場で大人の女性の身体を切断する。
どれだけの血が出るんだ?昭和11年頃なら、風呂の水はそのまま家横のどぶにでも流れてたんじゃないのか。
家脇のどぶが血で一杯になって、隣近所の付き合いの多い時代、それに気がつかないで放置する隣人なんていないのでは?と思ってしまう。

それに犯人が警察官を巻き込むのも計画通り、というよりあれがなければ計画は成り立たないが、うずくまって気分が悪そうな女性を家の中まで連れて帰ることぐらいは誰しもするだろうが、電気を消したからと言って誰でも即男女の関係になれてしまうような計画ってずさんすぎるだろ。
中にはそういう男(警察官)もいるかもしれないが、大抵は、そこで安静にしてなさいね。私はこれで失礼するから。とそそくさと帰ってしまうとは考えないのか。

そんな突っ込みどころは満載であっても、普段は「ああこれはそういう読み物なんだから」で流してしまうところなのだが、この作者の厚かましいところは読者に挑戦状をたたきつけるところ。しかも二度にもわたって。
この作者、江戸川乱歩が大好きで松本清張のような刑事が足を使って捜査をするような作風が世を謳歌しているのがよほど気に入らなかったのだろう。

この一冊が出たことで、世の流れを変えたみたいなことをあとがきで書いている。
戦後のミステリのBEST3の一つだとも思っているようだ。

今回の改訂でだいぶん書き直したらしいが、それならもっと要らないところを削ったらどうなんだ。
事件の真相とは全く無関係な東淀川区の豊里あたりの風景だとか、明治村だとかやたらとその情景を細かく書いているが、後々の伏線にもなっていない。
自分が訪れた所は書かなきゃ損みたいにでも思ってるのだろうか。
なんでもデビュー作だそうで、ならば、若気の至りを少しでも反省するかと思えば真逆なのに驚いた。
原作には無い図解を増やしたというが、20枚の一万円札を21枚にするトリック(これは実際にあった事件らしいが)にしても図解が下手で、21枚になったというのがこの絵からはわかりづらい。

女の人を切断する絵を何枚も何枚も使って説明する必要があるのか。
これは猟奇殺人ですよ。
これだけ突っ込みをいれたくなるのも作者のあとがきのせいだろう。

だまって終わりにすれば良かったのに。
なんとも残念な人だ。


占星術殺人事件   島田荘司著


03/Oct.2015
   

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