吉川議員 説明ないまま、雲隠れ 首相もついに進退言及
ちぃっと前
18歳の女子学生に飲酒させたなどと週刊誌に報じられ自民党を離党した吉川赳衆院議員(比例東海)が15日の衆院本会議を欠席し、自ら説明する場を設けないまま、通常国会の閉会を迎えた。岸田文雄首相もこの日初めて進退に言及するなど与野党からの辞職圧力がさらに強まる中、雲隠れを続ける吉川氏。ほとぼりが冷めるのを待つかのような姿勢に、関係者はいら立ちを募らせる。
「国会議員たるもの国民への説明責任をないがしろにすることは絶対にあってはならない。責任を果たせないなら進退に直結する」。吉川氏が所属していた岸田派を率いる首相は同日の記者会見で、公の場に姿を現さず逃げ続けるかつての仲間の姿勢を厳しく糾弾した。
自民の世耕弘成参院幹事長は辞職を重ねて要求し、連立を組む公明党幹部も賛同。自民県連は14日に辞職勧告する文書の提出を決め、地元の5区支部も同調する構えを見せる。参院選の公示が22日に迫る中、吉川氏の不祥事が逆風になることへの与党の危機感がのぞく。
一方、立憲民主党などは15日午前、「説明責任を一切、拒否している。衆院議員としての資格に欠けている」として吉川氏の辞職勧告決議案を衆院に提出した。自民は「本人からの説明もなく、事実が分からない。週刊誌報道だけで採決はできない」と賛同せず、本会議の採決には至らなかったが、一日でも早く吉川氏を退場させたいのが本音。自民の国対関係者は「比例復活の身で何をしているんだ」と吐き捨てるように話した。