情報提供というよりは雑感的にぐだぐだ書いているひとりごと記事です。
記事タイトルはあまり関係ありませんので(笑)

薬剤&薬物関係が専門・・・なかでも体内動態や薬物治療関係が専門だったのですが・・・ということもあって、こちらのブログでも薬剤関係の記事やサプリメントのバイオアベイラビリティに触れたものもよく書いております。

ことにカフェイン関係は学生時代におもしろい実習をやりました。

カフェインと言えばダイエット関係では、コーヒーダイエットやカフェインダイエットというのもあるように、カフェインの脂肪遊離促進効果(そしてその結果、脂肪燃焼が促進される)が取りざたされますが、医療関係では適応のからみからいってもそういった効果ではなく、神経興奮作用のほうに着目されています。
学生時代にやった実習ももちろん神経興奮作用関係についてのもので、二重盲検法(ダブルブラインドテスト)で興奮作用の検討を行ったものです。

内容を簡単に書いていきますと・・・

■実習を行った人数は120人。
■前日9時以降から実習時までは緑茶、ウーロン茶、コーヒー、紅茶などカフェインを含んだものを摂取しない。
■当日実習時にわたされたコーヒーを飲む。

このときのコーヒーは、半分がカフェインレスコーヒーにカフェインを一定量入れたもの、残りの半分はカフェインレスコーヒー。
コーヒーを作る人のみどのコーヒーにカフェインが入っているか知っており、コーヒーを学生に渡す人もコーヒーを飲む学生もどれがカフェイン入りかは分からない。
カフェインが入っている、入っていないを知って検査を行うと、それが結果に影響することもあります。
睡眠薬だよ~といって制酸剤を飲ませたら不眠が治ったとか(笑)
プラシーボ(プラセボ)効果なんていいますけれど、それが影響しないようにとこういった手法(薬を与える人も、もらって薬を飲む人も本物か偽物か分からない)をとります。

■コーヒーを飲む前(1回目)と飲んだ後(2回目)にクレペリンテストを行い、1回目と2回目の作業量を比較する。
■結果、カフェイン入りコーヒーグループとカフェインレスコーヒーグループに有意な差が認められた。

クレペリンテストとはいっても、これで性格診断を行うというものではないです(笑)
コーヒーを飲む前後で、作業量がどのくらい増えたかを見るためのもの。
カフェインを飲めば興奮作用がありますので、理論上は集中力も向上して、クレペリンテストの作業量も増えると。
結果を見ても、やはりカフェイン入りの方が作業量が向上していました。
もちろん検定かけて有意差が出ましたしね。
基本的に医薬品関係は似たようなことをやって効果や副作用などのデータをとるんですけれど。
この実習やっていたときは、けっこうコーヒーがぶ飲みしていたり、カフェイン剤使っている人とかもいたのに、よく耐性の影響もなく結果がでたなぁ~とも思いましたわ。

カフェインはよく耐性のことが言われますよね。
カフェインを摂りすぎると(量、摂取期間など)、耐性ができて効きにくくなる・・・
コーヒーダイエット関係でも、コーヒーを常用しているとダイエット効果が出にくい・・・とか言われていたり。

では本当にカフェインは耐性ができるのか?

だってコーヒーやカフェイン常用していると、飲んでも平気で眠れるようになりますよ!
という人もいると思いますが。。。
それって不眠に対する耐性のことでしょ。
眠気防止効果に耐性ができる=脂肪遊離促進効果も耐性ができるということなの?
交感神経の興奮によってノルアドレナリンが分泌し、眠気が取れたり、脂肪遊離が起こったりするようなので、どちらも大元はいっしょ。。。でも、論文なんか書くときは、眠気に対して耐性があるという結果からは、脂肪遊離に対しても耐性があるとは書けないんですよ。その可能性があるとは書けるけど。
さらにカフェインの耐性については、組織耐性、代謝耐性はないとする意見、アップレギュレーション(受容体増加)よる感受性変化による耐性が生じるとする意見など、さまざまな意見があるので、本当に耐性ができるのかどうかについても断言しがたいかんじです。

カフェインを含むもので痩せるからとダイエットに使われるものとしてはコーヒーダイエットのコーヒーのほかに、前の記事の防風通聖散があります。
こちらは長期間使うのが通常の使い方なのに耐性がどうのこうのという話はあまり取りざたされませんよね。
もちろん(コーヒーもですが)防風通聖散にはカフェイン以外に脂肪遊離促進作用を有する物質が含まれているわけですし、耐性の有無にかかわらず、使って痩せた人、使っても痩せない人とさまざまいますしね。

カフェインにダイエット効果があるとか、耐性ができるとダイエット効果が得られなくなるとか、何かに頼りきったダイエットだからこそそういう意見にとらわれるような気もします。
これが痩せる!というものがあると・・・とくに「手軽に」「簡単に」「これだけでOK」とかついてくると・・・食材だろうとレシピだろうとサプリメントだろうと、なんでもとびつきたくなりますけれどね。。。
それがなければ本当に痩せることはできないのか、よくよく考えてから利用していった方が良いですよね。

と、記事タイトルとは無関係な結論でしめくくるとします(笑)

ちなみに、上記実習の当日はほかの実習のレポートの提出日。
みんな半分徹夜状態だったにもかかわらず、カフェイン入りを飲んだグループは集中力が向上していました。
もちろん、そんな状態が長続きするわけもなく、実習後はぐでぐででしたけれどね~(笑)