「桜」前夜祭に酒提供 市民団体、サントリー社員ら告発
安倍晋三元首相の後援会が主催した「桜を見る会」前日の夕食会に、サントリーホールディングスが酒類を無償提供したのは違法な寄付だとして、3つの市民団体が10日、政治資金規正法違反の疑いでサントリーの担当者への告発状を東京地検特捜部に提出した。安倍氏や元公設第1秘書、私設秘書についても、政治資金収支報告書に寄付と記載しなかったとして告発対象とした。
夕食会を巡っては会費で賄えなかった差額を安倍氏側が穴埋めしたとされる問題で、報告書に収支を記載しなかったとして同法違反の罪で元公設第1秘書が特捜部に略式起訴され、略式命令を受けた。
刑事確定記録で、サントリーは2017~19年の夕食会でビールやウイスキーなど計382本を提供していたことが判明。同社は取材に、毎年約15万円分だったと明らかにした。
サントリーホールディングス広報部は「コメントは差し控える」とし、安倍氏の事務所は「収支報告書について、訂正すべき点は適正に修正している」とのコメントを出した。
告発状によると、サントリーの氏名不詳の担当者が違法な寄付をしたとし、安倍氏の私設秘書は酒類の寄付を受けたのに後援会の収支報告書に記入せず、安倍氏と元公設第1秘書は記入を指示しなかったとしている。〔共同〕
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