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第十四話『センセとオレと矢の雨』

第十四話『センセとオレと矢の雨』 - Ask(プロフ見てね)の小説 - pixiv
第十四話『センセとオレと矢の雨』 - Ask(プロフ見てね)の小説 - pixiv
12,380文字
彗星は大地に降り注ぐ
第十四話『センセとオレと矢の雨』
バルバトスくん狩り初めて経験しました。

終局の時のレイドは参加出来ずだったので、地味に後悔してます。
レイド戦って、すごい。皆が狂気に満ちるイベント。

忘れもしない、2時間掛からずに消し飛んだアヴィケブロン先生。

そしてこの話書いてる途中で一回間違えて消してしまい、心が折れて
必死に打ち込み直しましたが心が折れた為聊か雑でございます。
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2019年5月10日 19:37










「アキレウス…?」













手を伸ばしても何も触れない感触で目が覚めた。 昨晩一緒にベッドに入っていたアキレウスの姿は其処には無く 何故か備え付けのテーブルには空のティーカップが置かれている、これは一体…。





「何処行っちゃったんだろ、トイレかな。」







その内、戻ってくるだろうと思いベッドから立ち上がる。 昨晩の疲れが完全に消えたという訳ではないが普通に生活する分には体は動きそうだ

拠点は街から恐らくこっちに移す事になるだろうし、今日は自分の事を説明した後一旦街に戻って荷物を持ってこなくては

アキレウスの事だから、自分一人で行って持ってくるとか言いそうだけれど





流石に下着まで持って来て欲しいとは言えないし…













「明日香さん、起きていますか?」











悩んでいると部屋のドアをノックを鳴らす音が聞こえた それから程なくしてジャンヌの声がする











「起きてるよ、入って来ても大丈夫だよジャンヌ。」















多分、様子を見に来てくれたのだろう。 返事をすればドアを開けて部屋へと入ってくる その手には大きめのタオルが二枚抱えられていた









「おはようございます、明日香さん。すっかり元気になられたみたいで良かった。」

「おはようジャンヌ。お蔭様で一晩ゆっくり寝たら大分良くなったよ。ねぇアキレウス知らない?」

「い、いえ…今日はまだ見ていませんが。」



「そっか…起きたら部屋にいなかったから何処かなって。もしかしたらケイローンとトレーニングでもしてるのかもね。」









…ジャンヌは今、嘘をついた。 此処に来る途中の廊下で怖い位冷酷な瞳をしたケイローンとそれに首根っこを掴まれているアキレウスを見たのだ。 「おはようございます」なんて声をかける気には到底なれず物陰からそっと観察していた。

それをもし彼女に伝えるのは少しばかり残酷な気もするし彼の情けない姿を見させてしまう気もするしで

折角、いい感じに関係が進んでいる2人にそれは…と啓示を受けたような気がしてしまった。



にしても彼は一体、何をしたのだろうか。







「きっとそうかもしれませんね、その内帰ってきますよ。(霊核が無事なら)」

「そうだね。久しぶりにパンクラチオンでもやってるかもしれないしね。ジャンヌ、そのタオルは?」









割と一方的にパンクラチオン受けてそう。

とは口が裂けても言えないジャンヌを余所に明日香はジャンヌの抱えているタオルを尋ねた。







「ああ、昨日私もなんやかんやでシャワーを浴びれなかったのでもし体調が良さそうであれば一緒にと思いまして。」



「本当?私もシャワー借りたいなって思ってた所だったから、一緒に浴びちゃおう?」



「それなら良かった、朝食まで時間もあるみたいなので早速浴びに行っちゃいましょう!」







































________________________________







________________











美少女2人がこれから楽しいシャワータイムを満喫しようとしている頃



城塞の裏庭の一角では

















「さて、物理的なお仕置きも済んだ所で本題へと移りましょうか。踵を壊さなかっただけ有難く思いなさい。」













既にパンクラチオン(一方的)を受け頭にタンコブやら何やらでボロボロのまま地面に正座するアキレウスと

仁王立ちしたまま笑みを崩さない、彼の師ケイローンがいた。













「まず、貴方は本来彼女の容体が万が一急変しても良い様に寝ずに彼女を夜通し見ている必要があった、違いますか?」



「はい、先生の言う通りです…。」



「それがどうして一緒のベッドでよろしく寝てるのか、そこまで貴方がアレだとは思いませんでしたけど。」



「返す言葉もありません…。」









完全に正論である、如何なる理由があったとしても彼の言う通りである。 やっちまった事はやっちまったのだから





「まあ理由ぐらいは聞いてあげましょうか、内容によってはパンクラチオンもう1セットです。」





「ヒッ」







やめて!俺のライフはもうゼロよ!と言いたい所だが 理由を正直に話した所で、パンクラチオンの刑は目に見えている

アキレウス死す。これはきっと覆せない



だけどこのまま、疲労困憊のマスターに夜這いしかけて師匠の折檻で消滅したサーヴァントなんていう情けない称号を与えられてたまるか。 言わなくては自分自身、誓って彼女に手は出していないのだと!







「俺もホント、最初は寝ずに様子を見てようって思ってたんです。」



「で?」





「でもマスターが、それじゃあ俺が休めないって言って…『このベッド詰めれば2人とも寝れる』って…」









「それでまんまと寝たと?」









「いやっ!俺もちゃんと最初はダメだと思って断ろうとしましたよ!?でも、あんな顔で『もしかしたら汗臭いかもしれないよね?私…』なんて言われたらバッカ!お前の匂いめっちゃフローラルだから!良い匂いだから!何なら今思い切り嗅いでやるっての!それと決してお前と寝たくない訳じゃないから!ってなんだろ普通ーッ!!しかも惚れてる女からなんて特にッ!」







「……まあ、確かに。」

























そう言われてしまうと同じ男として多少同情はしてしまう。 いい歳をした男がぶわっ!と効果音を付けたかのように泣き出す様を見て 流石のケイローンもちょっと引き気味だ。





「俺だって、俺だって本当はダメだって思ったけどそういう流れになっちゃったから仕方ないじゃん!腹括るしかないじゃん!でも一緒に寝たって言っても布団の中でチョロっと話してすぐ寝ましたけどねー!」



「では、本当に一緒に寝ただけなんですね?」



「情けない話だけどそうですよ!誓って手は出してないし、まあ朝のアレは…マスターの寝相の問題であって俺からじゃあ…―――――――――」













『俺からじゃない』と最後まで身の潔白を訴えようとしたが、ハッと此処で気付く。 いや…いくら寝ぼけていたとは言えガッツリと胸を揉んでしまっていた。 そりゃもう、あんな風にこんな風に。













「どうしました?なんで言葉が詰まったんです?」



「イエ、ナンデモナイデス。」









アレは完全に自分から行っていた、寝ぼけたとは言えガッツリ。 マッ…マズイ、先生の目が完全に『さてはお前なんかしたな?』と疑いの眼差しだ! 失敗だ!言葉を止めずに俺からじゃないとそのまま綺麗にスパッと宣言しておけばこんな事には…









「(考えろ俺!この危機的状況を抜け出す方法を…!来い、ライフカード!)」















①正直に話してもう一回パンクラチオンコース

②いやだな~、先生だって寝てる時にカリクロー様の胸揉んじゃったぐらいあるだろ~?と言う

③久しぶり、元気だったか?パトロクロス。



























あー駄目だ、これ俺どう足掻いても死ぬじゃん。

③に関しては死後の世界でパトロクロスと会ってるじゃん。 終わってるじゃん俺。











「まあ、どうせ貴方の事でしょうから寝ぼけて彼女の体を触ったんでしょうね。」





「えっ、」





「子供の頃の貴方はよく隣で寝ていた私やカリクローに抱き付いたり撫でまわしていたりしていましたから。」

















えっ、ええええええええええええええええッ!!? 俺子供の時からの癖でそんな事してんの!? ガキだったらまだ許せるけど、もう大人よ俺! 完全に変態じゃん、盛ってる獣じゃん!

たまに隣で寝てたパトロクロスが次の日の朝に少し引き気味で俺の事を見てたのってそういう事かーッ! 違うぞ友よ!俺にそんな趣味はねぇ!









「まあそれは次から気を付ければよろしい、ちなみに何処を触ってしまったんです?」













あっ、でもこの様子だともうお説教コースは終わりみたいな流れだ。 まあ正直に話しても俺の無意識の癖だから仕方ないよな。 うん、先生も笑って流してくれそうだし。



























「どうせ彼女の柔らかそうな頬でしょ…――――――」





「いやあ、それがさ…胸ガッツリ揉んでてさー」













「――――――――はい?」







「え?いやだから、胸。マスターのおっぱいガッツリ寝ぼけて揉んでたって。」











「ほう…、胸ですか。」







あっ、これマズイ。 先生の瞳からハイライトが消えた、ってか先生マスターの頬柔らかそうとか思ってたの? うーん、やっちまったな!嘘でも良いから太腿とかって言っておくべきだった! 先生、なんで弓をダスノカナー。やだなー













「アキレウス、今から400発程矢を放ちますから全て避けなさい。お仕置きです。」







「え、嘘でしょ先生。無理無理無理、練習用じゃなくて戦闘用のモノホンじゃん痛いじゃんソレ。」



「ええ、痛いですよ。これも授業の一環です。ちなみに当たったらパンクラチオンも追加ですよ。」











「後出しは無しだろ!?ってか俺だってわざとやったんじゃねぇっての!おわあああ!?マジで撃ってきた!!タンマッ、タンマァアア!!



























































マスター、助けてぇええええ!!!」









































________________________________













































「…!」





「どうしました明日香さん。」





「今、アキレウスの叫び声が聞こえた気がして…。それと凄い音が…」







「あー…気のせいですよきっと。それにもしそうだとしても大した事じゃありません。」



「そうかな…?」



「そうですよ、それに本当にピンチならば回路を通じて助けを求める筈ですから!ふう、それにしてもお風呂気持ち良かったですね。」





「そうだね、やっぱり女の子だから一日一回はお風呂は入りたいよね。」











アキレウスへの心配は何処へ。



ジャンヌとの入浴を終えた明日香はさっぱりとした気分でいた。 着ていた服は洗濯する事になり、代わりにジャンヌの私服のワンピースを借りる事になった 背は彼女のが低いのだが胸のサイズはそんな差ほど変わらない為大きさの心配は無い。

ジャンヌもかなりご立派な物をお持ちであるが、彼女もやはり中々の物をお持ちである。











「あっ」











ジャンヌと談笑を歩いていると、曲がり角からジークとカウレスとモードレッドが出て来た







「皆さん、おはようございます。疲れも取れているみたいですね。」



「ああ、おはよう。ルーラー、明日香。二人も元気そうでなによりだ。」



「明日香、良い匂いすんな!風呂入ったのか?」



「うん、ジャンヌと一緒にね。3人は?」





「俺たちはホムンクルスの治療を終えて、シャワー浴びに行くとこ。」



「あっ…、ごめん。魔術が使えたら手伝えたんだけど…」





「そんな事ないって!昨日、君が治療のために展開した魔法陣まだ残ってたからそこに魔力通したら使えてさ。」

「凄い勢いで皆回復していったんだ、もう殆どのホムンクルスは元気だ。」



「手伝ってた太っちょのオッサンとマスターが興味津々に魔法陣調べてたぜ。何かに応用出来ねぇかとかブツブツ…」

「まあおじさんはああだけど、優秀な魔術師だから探究心的なのはあるよな…。」

「とっ、とにかく明日香さんのおかげで皆元気って事ですよね!?」



「そういう事!だから、そんな落ち込む事無いんだって、な?」









そんな落ち込んだ表情をもし彼女のサーヴァントに見られたら 酷い目に遭うというのもあったが、自分が誰かの力になれないという気持ちをカウレスは知っている。 それもあってか彼なりの励ましだった。





「うん…、ありがとね。カウレス。」



「あっ、いや俺は別に普通の事を言ったまでで…!」











いかん、一瞬だけキュンとしてしまった。 直ぐにモードレッドに『あの韋駄天バカがいるんだぜ、やめとけ。』と言われ直ぐに同意した。 うん…まだ、死にたくはない。









「そういえば、アキレウスは何処へ?一緒にいないのは珍しい。」



「朝起きた時にもいなかったから、ケイローンと久しぶりの朝練でもしてると思う。」



「成程、でももうすぐ朝食の時間だから熱が入り過ぎると気付かなさそうだな。」









壁に賭けられている時計を見ると確かにもう朝食をとるには丁度良い時間帯だ。 アキレウスは現界してから一日3食ちゃんと食べるようになっている体質になってしまったから 朝食を逃したらお昼まで『腹減った』しか喋らないだろう。

昨晩も結局バタバタしてしまい、おにぎり一個口に突っ込んだだけだったし。





「それじゃあ私、呼びに行ってくるよ。ケイローンも一緒なら食堂の場所も分かるし。」

「ならオレも一緒に行くぜ。なんか吹っ飛んで来たら危ないしな。」

「でしたら私も行きます、なんか危なさそうですし。」





「危ない?いるとしたらだけど多分、裏庭の方だと思う。あそこ拓けてるから組手とかやり易そうだし。」

「裏庭ですね!気配もなんだかそっちからしますし、じゃあ行きましょう!」

「危ないというのが気になるが…まあ3人とも気を付けて行ってくれ。」

「おう!あっ、ちなみにオレはめっちゃ食うからって食事係によろしく言っておけよー!」









トタトタとまるで女子高生3人組のような足音を立てながら去っていく彼女たちを見て 残ったカウレスとジークは。

















「なあ、ジーク。」



「なんだ、カウレス。」



「今の明日香の格好をアキレウスが見たらどう思うと思う?」



「あの白いワンピース姿か…とても似合っていると思う。だから…」













「卒倒すんじゃねぇかな…。」





「俺は倒れるのを耐えて、褒めちぎると思う。鼻血は出すかもしれないが。」















































































________________________________



__________



___________________





















































「はい、良く出来ました。流石は最速の英雄、きっちり一本も当たらずに避け切りましたね。」





「先生には俺の尻にぶっ刺さってる一本の矢が見えない様で。」























「それは401本目なのでノーカンです。」と後出しのズルをするケイローン。 何がともあれガトリング矢の嵐回避大会は無事幕を閉じた。



痛みに耐えながら刺さっている矢を抜き放り投げる。 何がともあれ、流石にこれでお仕置きというなの制裁は終わっただろうと安堵し 服装を現代服へと切り替える。





「おや、この時代の服持ってたんですね。」



「そりゃあ持ってるっての、マスターとは街で普通に生活してたんだから…」



「ホテルとかに潜伏してたんですか?」

「最初の日だけはな、次の日からは普通の一軒屋買って住んでた。堂々とした方が怪しまれないだろうって。」









家、丸ごと一軒ですか…と驚くケイローン。 流石のアキレウスも今改めて考えるとぶっ飛んでるなと思う。 というよりまず、そんな資金があんな年頃の娘のどこに?って言うのが正直な所。

その資金源の作成方法は言えない、絶対に言えない 法律スレスレ過ぎて大きな声では言えないのが本音だ。







「しかし男女が同じ屋根の下で暮らすと言うのは周りからの目がアレだったのでは?」



「先生、どうしたのってぐらいグイグイ聞いてくるな!?…まあ手っ取り早く新婚の夫婦って事で誤魔化してたけどさ。」



「新婚!?では周りからは旦那さんや奥様とか言われてたんですねっ!?」





「言われてたけど俺、手出してないもん!!」













どうやら、この師匠。 息子同等の弟子の恋路を見ているのが楽しいようで変なスイッチが入っているようで これでもかと聞きに来る。もはやゴシップ好きの主婦となんら変わらない





「ほら、私貴方の事は子供の頃しか知りませんしこうして恋の真っ最中の様子を見るのが嬉しいんですよ?そりゃあ勿論、応援していますとも。あんな素敵な女性滅多にいませんから。」



「それ思春期の子どもだったらマジでウザがられる奴!まだ夫婦とかそういうの以前に恋人にすらなってねぇし!!」



「アレだけ恋多き英雄が…本当にどうしたんですか。」





「あーっ!一番気にしてる事言ってきたー!!それだけ好きって事だっつーの!」









「まあ、子供の頃に聞いたあなたの好きな女性の好みドストライクでしたからね…。」







「いや、でも今までに愛した女の事も決して軽い気持ちじゃないっすからね!?ただ…」











島に置いてきた(デイダメイア)も 戦いの戦利品であった捕虜(ブリセイス)も 兜を剥ぎ取った瞬間、思わず見惚れ呟いた一言で侮辱してしまった女王(ペンテシレイア) 宿敵の妹君だというのに恋焦がれてしまった、(ポリュクセネー)

死後の世界において、妻となった楽園の女王(メディア)









どれも本気で恋焦がれ愛した。 成就される事の無かった恋もあったが、それのどれも愛しい存在に違いなかった。





それでも、今自分が想いを抱いている彼女だけはそのどれとも違う。



比べものにならない程、愛しくて堪らない。















言葉にしようがないが…――――――――――――

















「本当に好き、なんですよ…マスターの事。」







































「(ふわぁあああああああ、ウチの弟子が可愛い~…!顔を赤くして~!ほぁあああああ…)」











アキレウスが、真剣に自分の想いに対する答えを言っているのに ケイローンはそれを見て震えつつ悶えていた。

弟子が真剣なのに、師がこれである。









「せっ、先生なんつー顔してんだよ!なんか俺が恥ずかしくなってくるんだが!?」





「ン"ン"ッ…失礼しました。弟子の本気の恋愛をサーヴァントになった身で見守る事が出来るだなんて…嬉しくて、つい…!」





「泣く事無いだろ!?ああもう、俺の親より親だなッ先生は!」



「ペレウスとテティス様には申し訳ないけど最高の褒め言葉…!」













アキレウスは涙を拭くようにと、ポケットからハンカチを取りだしケイローンに渡す。 こんな紳士的な事も出来るようになったのかと、更に感動を極まり ズズッと出て来た鼻水もついでに拭いている





























































「なんです、アレ。」

「知らね…気持ちわり。」

「まさか2人ってそういう関係…?」









しかしその光景は見方を変えれば背後に薔薇が見えなくはない 朝食に呼びに来た3人は、アキレウスが泣いているケイローンを宥めている様子を見てあらぬ誤解をしている







びぃえる時空が此処にあるのよ――――――――――――――――――――









天から、知らない女性の声が聞こえた気がしたが気のせいだろう。









「どの時代にもそういう趣味の奴はいるだろうが、アイツにそれを言うのはやめてやれよ。流石に同情するわ。」



「そうですね、今の彼にはソレは無いと思いますし…あっ、私たちに気付いたみたいですよ。面白い位慌ててます。」

「まるで同級生とラブホ入る所見られちゃったみたいな?」









秀逸な例えである。 だがアキレウスがギョッとした顔でこちらに向かって来るのは案の定彼女だろう。













「マスターッ、もう起き上がって大丈夫なのか!?」





















ほらな。

ジャンヌとモードレッドは予想通りだと言わんばかりの目でアキレウスを見ている、が。 当の本人は自身のマスターに以外知ったこっちゃないという程、視界にいれてない。







「うん。普通の生活する分には元気になったよ、でも朝起きたらアキレウスいなくて…」



「いやそれには色々ありまして…、というかその恰好…。」



「朝、ジャンヌと一緒にシャワー浴びたから借りたの。似合ってない?」



























めっ…女神が此処にいる―――――――



清楚な白を基調としたワンピースは、何処か花嫁姿を連想させる。 似合ってない訳なんかない。

あまりの美しさに顔に熱が集まるのを感じた。









「いや…、すげぇ似合ってる。滅茶苦茶可愛いぜ、マスター。」













彼女の小さな手を握り尋ねられた感想をそのままストレートに伝える。 流石の明日香もまさかこんな手を握られて言われるとは思わなかったのか 変な声を上げて頬を一気に紅潮させる。





「へっあ!?あっ、ありがと…」



自分で聞いておいて恥ずかしくなるなんて予想外だった。 胸の鼓動が速く波打ってるのを感じ、早く収まってと願うばかりだ。













「オレたち完全に蚊帳の外だな…。」

「ですね、コレで付き合っていないのが本当に不思議です。そうですよね、ケイローン。」



「…はい、そういえば皆さんは何故こちらに?」







「あっ。もうすぐ朝食の支度が出来るというのでお二人を呼びに来たんです。」

「成程、確かにもうすぐそんな時間ですね。」

「オイ、いつまで明日香の手を握ってやがる!飯だ、飯!腹減ってんだよ!」





















少女マンガ展開に胸やけがしたのかモードレッドは苛立ちながら二人の間に入り手を放す。 アキレウスが盛大な舌打ちをしたが、「飯」という言葉に明日香がハッとなり





「そうだっ、アキレウス!朝ご飯用意して貰ってるから食べにいこっ。ねっ!」

「あっ、ああ…そうだな俺も腹減っちまったし。(このじゃじゃ馬ァ!今良い所だったのによォ!!)」































___________________________



_______________

















_______________________________

























長い食卓に並べられた皿の数々、数十分前までにはその上に様々な料理が乗っていた

だがそれらは空となり、山のように積み重ねられていたのだ。











「ふぅー、食った食ったー。」



「ええ、とても美味しかった。ご馳走様です!」









主にその山を形成したのはこの2人である。 この細い体の何処に料理達は消えて行ったのかと、小一時間。 何人かはドン引きしており、呆気に取られている。









「ほえー!君たち凄い食べるねッ!?僕見てるだけでお腹いっぱいだよ!」





「ああ…でも沢山食べる事は良い事だと思うぞ…?」













明日香は『アルトリアを見ているようで何だか懐かしい。』と喜んでいるが そのアルトリア二世とほぼ同じ食欲を生で見たアキレウスは『そうだな、すげぇ』と引き攣りながら笑っている。 皿を下げてバタバタしているホムンクルスたちが忙しそうだ。







「えっ!?いや、私は特殊な召喚でしたので燃費が悪くてですね…!?これはそう、魔力補給なんです!」



「オレは父上譲りだな、どう考えても。」









確かに、ジャンヌ自身の召喚は特殊な例であり食事は必要だ。 でも絶対生前から大食いの気質がありそうな気もしないくはない





「それに食事をとるのは大事な事ですっ、ねっジークくん!」



「えっ?ああ、うん。食べれる時に食べて置かないとダメだと思う、やっぱり沢山食べるのは良い事だ。」



「そうですよね!?いっぱい食べちゃう系女子もアリですよね!」





「よく分からないが良いと思う。」











ジークは少しジャンヌに甘いのではないだろうか。 逆もまた然り。にしてもジークくん、少し返しが雑では?

















「にしても嬢ちゃんが大分元気そうになって良かったぜ、モードレッドの奴がうっさくて疲れてねぇか?」



「いえいえ、知り合いの息子さん…?なんで従姉妹になった気分で嬉しいですよ、獅子劫さん。」





「アーサー王と知り合い?お前ホントにどういう事だね…。まあ魔術に関しては一級品だったが…。」









モードレッドのマスターの獅子劫は見かけによらず、良い人で優しいおじさんだ。 ゴルドはちょっとばかし言葉にトゲがあるかもしれないが、ちゃんと最後は人の事を褒めたり感謝をするツンデレの部類であり、『どうだ?ウチの息子の家庭教師でもやってくれんか?』と明日香に催促するあたり相当気に入ってる模様。





「ごめんなさい、私教えるのはどうも苦手で…。」



「俺のマスターは何処にもやらねぇぞ。」







だがすぐにその提案は、すぐ却下される。 かっ開いて血走った目をしたアキレウスに睨まれたゴルドは「うわ」と小さな悲鳴をもらした。











































「さて、食事も摂った事ですし…皆さん、隣の会議室へ。」













食後の談笑も束の間、フィオレの真剣な声音が食堂を包む。 それを合図として受け取ったのかカウレスも席から立ち上がり告げる 空気が明らかに和やかな物から一変した



















「これから俺たちが赤の陣営と戦う為に、どうすべきか…そして―――――――――――」















カウレスの視線は、明日香とアキレウスに向けられる。















































「明日香、君とアキレウスの事を話して欲しい。どんなに複雑な事情が絡んでいても包み隠さずに。」



























分かっていた、話さなくてはいけないと。 昨晩は混乱を極めていた状態であったし、詳しい事は何も言えずに 一緒に戦ったジャンヌやケイローンにもろくに話せず終いでいた。



詳細は後でと丸め込んでしまったというのもあるが、流石に協力関係を結んで

これから赤の陣営を倒すのに話さないのはフェアではない。 作戦にも影響する事だ。







本当に信じて貰えるか、不安で仕方ない。

















「マスター、大丈夫だぜ。俺もフォローする。」





「うん、ありがと。アキレウス。」























でも、話さないと。



















































「分かりました、全部話します。どうしてアキレウスが赤の陣営を離反して私と契約したのか。私自身の事、そして…この世界の事も。私が知っている事の全てを――――――――――――――――。」



























































さあ、皆さん。メモのご用意を(割と本気で)――――――――――――――。















第十四話『センセとオレと矢の雨』
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