pixivは2021年5月31日付けでプライバシーポリシーを改定しました。
「ヘラクレス!?なんでそんなド級の大英雄が此処にいる訳が…!!」
普通に考えて居る筈がない、その通りだ。 赤も黒も全てサーヴァントを召喚し終えており新たな召喚を行えるはずが無いのだ。
しかしそんなのはマスターも理解しているのは承知。
だがそれは、現にこうして目の前に存在している。
ルーラーがスキルを用いて真名を確認し、 更にバーサーカーとなったヘラクレスと対峙した事があるマスターが言うのだ。
それに師であるケイローンの反応を見ればそれは認めざるを得ない。
「---------------久しぶりですね、ヘラクレス。」
この男は紛れもない、ヘラクレスだと。
「お久しぶりです、先生。お変わりないようで何よりです…そちらの男は?」
ヘラクレスは懐かしむように師からの挨拶を受け取ると その風格に似合わないような丁寧な言葉で返す。 そして視線はアキレウスへと移り
「貴方の弟弟子にあたる、アキレウスです。」
「アキレウス…------------。お前が俊足のアキレウスか。」
弟弟子と兄弟子という関係ではあるが、あくまでそれだけで ケイローンの元で育った時期が違う事もありお互い顔を合わす事は無かった、
ヘラクレスの伝説はアキレウスも知っており、誇り高き勇者として憧れていた。 そんな偉大な英雄が同じ師の元で育ったともあれば自慢出来る事でもあったのだ。
「大先輩であるヘラクレスに名を知って貰えてるとは光栄だ、」
「知っているとも…お前の名は俺と同様に輝かしく人々に知られていた。しかし残念だ、本来ならば師と弟弟子に数千年の時を経て顔を合わせる事が出来たとなれば酒の一杯でも交わしたい所なのだが…」
「貴方には禁酒しろと言いたい所ですが…。その素振りを見るとヘラクレスは私達の敵ですね?」
ヘラクレスから『酒』という単語が出た時ケイローンは少しため息を零すが
核心的な部分を問う。
「…はい、私は2人目の赤のアーチャーとして召喚されました。以前いたアーチャーとライダーが離反した為と。」
その返答に関してケイローンは更に深いため息を零し 薄らそんな予感がしていたアキレウスは「げぇ…」と声を漏らす。
一体どうして赤の陣営はそんな事をしたのかと思うが普通に考えて 戦力が減ったら増やせば良いだけであり、ましてやあの男は死に物狂いで聖杯を欲している 奥の手として『ヘラクレスの触媒』を用意しておいたのか。
監督という立場の職権乱用にも程があるのでは。
「そいつはすまねぇな先輩。弟弟子の尻拭いをさせちまってよ、こっちにも事情があったんでな。」
「アキレウス、あとできっちり説明して貰いますよ。そして以前のアーチャーは何処へいるのですか?」
「あー…それはまあ…」
「アキレウスまだ何か隠しているのですか?正直に話さないとお仕置きですよ。」
「今はやめてくれよ、先生!」
ケイローンの心情は複雑だ、弟子であるアキレウスが赤の陣営を離反し彼と戦う理由が無く安堵したと思いきや 今度はそのアキレウスが抜けた分を補うため赤の陣営がルール違反をし大英雄ヘラクレスを召喚した。 そのヘラクレスも弟子であり尚且つギリシャ最強と云われた男。
そして以前の赤のアーチャーに関してはやたら濁したがる始末 昔はもう少し良い子だった気がしたのだが…
『(あの余裕っぷりはこういう事か…あの男…!)アキレウス、聞こえる?』
一方で明日香は頭を抱えていた。 そりゃあ普通に考えれば自分とアキレウスの分を埋めるのであれば
アーチャーとして現界したヘラクレスで十分に補えてしまう、むしろ御釣りが来ても可笑しくない。
しかも、よりによって彼の力を最大限に引き出せるクラスだ。
だからこそ赤の陣営は作戦を決行出来て、尚且つ天草四郎のあの余裕すぎる態度の理由が理解できた。
成程、最悪だ------------------------------
『なんだ、マスター。ヘラクレスの弱点でも思いついたか?』
思いついたなら自分が教えて貰いたいぐらいだ。 色々な可能性を試行錯誤していたが、それは全てバーサーカーだったら通用していたであろうというレベル。 『狂化』はステータスの向上は行えるが、理性を失うのは勿論一部の能力や宝具が使用不可能や劣化を伴う。
だから、あの時は勝てた。
『ごめん、全然分かんない。今のヘラクレスは最も強いクラスで来てるってだけで思考回路パンクしそう。』
『だろうな、正直言って俺が今まで戦ったどの戦士よりも強いってのが分かる。足が震えそうだ…!』
アキレウスがどの戦士よりも強いと感じている。 確かにその通りかもしれない、きっと…今のヘラクレスはギルガメッシュよりも強い。 ギルガメッシュが本気を出しても恐らくありとあらゆる武芸を極めたヘラクレスには勝てない あの王様は財宝を集めて持っていただけで、その一つ一つを極めてない。
慢心無しの乖離剣で一撃必殺を狙わない限り 『おのれおのれおのれおのれ!!』とキレながら負けるのが目に見える。
「だが-----------------------------」
若干穏やかだった時間も終わりを告げる。
ヘラクレスが言葉を発した瞬間、ぞくりと殺意が放たれそれが全身を突き刺す。
「再び師を手にかける事になろうとも。弟弟子に矢を放つことになろうとも、それがいかなる理由でもサーヴァントとして現界した我が身の宿命!」
ヘラクレスの手に巨大な弓が握られる。 やはり彼は大英雄であり戦士だ、戦いに呼ばれたからにはその使命を全うする。 例えそこに師がいようとも、弟弟子がいようとも彼は力を振るう。
そして告げた。
「アキレウス、黒のアーチャー…、私は赤のアーチャーとして汝らを殺す。」
その瞳に一切の迷い無し。
ヘラクレスは赤のサーヴァントとしての責務を全うするのだ。
死刑宣告を受けたような気分だが、易々と殺されるつもりもない。 否、殺されるつもりすらない。
「悲しいですね…。ですが、私達もそれは同義!例えそれが私を殺した男であり愛弟子だとしても!!」
「俺とマスターは何が何でもやり通さなきゃいけねぇ事がある!その行く手を立ち塞がると言うのであれば大英雄であろうが容赦なく蹴散らすぜ…!」
アキレウスが槍を、ケイローンが弓を。それぞれが武器を手に取る
始まる
『…アキレウス、出来るだけ投影魔術で援護する。』
ギリシャの大英雄同士の殺し合いが此処に。
時代を超えて始まる
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必死だ、そのスピード、その威力、その技量。 それを避け、隙を突き攻撃を食らわそうともいとも簡単に避けられる。 2人掛かりで相手してるというのに、顔色一つ変える事無く次の矢を放ってくる。
「ッ!?」
着弾した矢は大地を大きく抉り、まるで隕石が落下したかのようなクレーターを生み出す。
一発の中にまるで何発も重なっているようだ、いや現に重なっている------------ あんなものをまともに喰らってしまってはサーヴァントは一瞬で粉々だ。
息を吸う事すら忘れてしまう
「アキレウスッ!!全力で避けなさいッ、彼の矢の攻撃を一回でも喰らえば貴方と言えど致命傷です!!」
ヘラクレスは高い神性を見に宿す半人半神の英霊。 不死身の肉体を誇るアキレウスを傷つける事が出来る『神性持ち』
つまり、ヘラクレスの攻撃は全てアキレウスに通ってしまう。
「そんなの見て分かるっての!!先生、一体どんな育てかたしたらあんな化けモンに出来んだ!?」
「なるものはなってしまうのですよ!貴方も大概です!それより隙を見つけたら容赦なく打ち込みなさい!」
「その隙を探すのも一苦労だっ!!」
まるでミサイルを矢の先端に取り付けているのかと言いたくなるような爆弾矢だ。 地面に着弾すれば忽ちに土煙が視界を奪う、その中をも矢は自分たちを射止めようと放たれ向かってくる その合間を掻い潜り必死に食らいつき距離を詰めても無駄のない格闘術で弾かれ不発に終わっていく
「流石最速と言われた男!我が矢を華麗に避けるとはっ!!そのスピードは私をも超える!!」
「それが売りなんでね!!だがこっちとら速さだけで英雄になった訳じゃねぇぜ!!」
「まさか赤の陣営がヘラクレスを召喚するとは…本当に貴方は一度彼に勝っているのですか?」
少し離れた場所でルーラーと共に戦いを見守りながら、ヘラクレスの分析を続ける。 彼女には簡単にだけど私の事情を話しておいた、最初は信じられないという顔だったが ヘラクレスの召喚が起きてしまっている以上信じるしか道はないようだ。 天草四郎に関しての事はまだ伝えてはいない。 恐らく彼女自身が会って知らなければ今後の啓示に関わる可能性もあると判断した為だ。
「バーサーカーだったけどね。それでもとんでもない強さで悲惨だったけど…。でも今のヘラクレスは理性があるからこそ本来の能力を発揮しているし何よりあの時なかった物が備わってる。効かないんだよね。」
「効かない?」
「うん、さっきから投影魔術で射出してるのは人が作り出した剣とか槍…まあそれも立派な宝具にも匹敵するものなんだけど。それが当たっている筈なのに一切刺さらない、バーサーカーの時は刺さってたのに…。」
アキレウスとケイローンに加勢する為投影魔術による援護を行っていたのだが
干将・莫耶----------- 古来の刀匠の夫婦が作った言われている双剣。 士郎が良く好んで使い彼の接近戦での主力となっていた愛刀だ。
赤原猟犬---------- ベオウルフが愛用していた魔剣の一つ。 これに関しては追尾機能がついている為、撃ち落されたとしても射手が健在ならば突き刺さる。
即席の刀剣の中にこれを含め、英雄が使用していたとされる宝具を混ぜて放っていた だがその全てといって良い程効果がない。中にはAランク相当のものも入っている。 あの時は確実にダメージになっていたしそれで命のストックも削れていた。
「確かに私たちに放たれたら無傷では済まない物ばかりですね…もしかして彼にだけは通らないのでは?」
「でもアキレウスの槍やケイローンの矢は刺さってるけれど?」
「そうなれば、ダメージが入る宝具が限られているのでしょう。」
「限られる…か。」
ルーラーのが言う『限られている』という事に注目して考える まずダメージが入っているあの二人の装備に関してからだ
アキレウスの槍は、師であるケイローンのお手製であり彼の両親の結婚式の際に贈った物。 その時の結婚式のイザコザがトロイア戦争のきっかけになったとかは別の話。
ケイローン弓の師はアタランテの信仰する月女神アルテミス その弓は彼女から贈呈されたものであってもおかしくないし、ケイローン自身のお手製の可能性もある
一方で
干将・莫耶は刀匠が作ったもの。
赤原猟犬も恐らく人が作った類だろう。
「まさか、人類じゃなく神が造ったものじゃないとダメージが入らないって事!?」
ケイローンは今はサーヴァントとして現界しているが本来ならば彼は神霊クラスの存在。 その彼がもし生前に作ったものが宝具として存在するならばそれは間違いなく
『神が造りしもの』に分類され
ケイローンの弓もアキレウスの槍もどちらもそれに当てはまる。
「それだと筋が通ります!今のあの2人が手にしているのは神、あるいは神霊が施して造られたものです!お互いのランクはそれぞれB+~Aが妥当だとは思いますが…」
整理すると、ヘラクレスに対しては
①神が手を施した宝具ではなければダメージにならない
②バーサーカー時と同じくBランク以下の攻撃は全て無効
つまりはバーサーカーの時と比べて更に性質が悪い。 『神造兵装』しか通用しないと来た
「まだバーサーカーのが可愛かった…。」
「いやそれでも十分狂気です…見てください!アレを!!」
本当にヘラクレスは最強なんだなと改めて思い撃沈されていると
ルーラーが声を荒げる
ルーラーが指さした先は、ユグドミレニアの城塞だ。 その真上には既に空中庭園が到達しており
庭園の下部から支柱のような物が伸びていた。
「…大聖杯を盗られる!!だからこのタイミングでヘラクレスを投入したの!?」
「間違いありません!しかし二人を置いてヘラクレスから逃れる事は…!!」
ルーラーの言う通りだ、もし此処でヘラクレスから逃げようと背を向けても それは命を投げ出す事同然すぐさま射抜かれて敗退だ。 いや…それ以前にきっと彼は逃がしてくれない、これがヘラクレス投入の理由だ。
ケイローンとアキレウスの足止めこそが、今の目的。 その間に空中庭園で大聖杯を文字通り根こそぎ奪い取ってしまえばいいだけの話なのだから。
だったら
「ヘラクレスを…意地でも撤退させるしかない。」
足止めの要因を排除してしまうのが速い。
ヘラクレスでも深手を負えば癒えるのには相当の時間を要する。 そして今こうして活動している間も通常の魔術師なら干乾びる程の魔力も消費している筈だ あの時はイリヤがマスターだったからこそ難なく活動出来た上に命のストックも回復出来た話であって
通常ならば有り得ない話なのだ。
今此処でヘラクレスを退ける事が出来れば暫くは時間は稼げる。
「何を言っているのですか!ヘラクレスに効く攻撃手段なんて…マスターである貴方にある訳が…!」
その提案にルーラーは反対した。 ヘラクレスに対する攻撃手段は限られている、 ましてやあのギリシャの大英雄であるアキレウスですら手古摺っているのに
マスターである彼女に出来る事なんてある筈がない いくら彼女自身のスキルが高い、特殊な存在だとしても…。
「その、弓は…?」
『無理だ』そう言おうとした時、彼女の手には身の丈程の弓が握られていた。 投影魔術で作り出したのだろうか、いや…違う。
あの弓は本物だ。
「アタランテ…。」
手に宿したそれを大事に抱きしめる、そして本来の持ち主である友の名を呟く。 この弓ならばヘラクレスを殺す事が出来る。別れるとき彼女から託された思いが詰まったこの弓でなら
一度殺せれば良い、その後は自分が一気に畳み掛ければいい。 意を決し再度、彼に念話を繫げる
「アキレウス、そこからすぐに離れて。」
----------------------------------------
「しまった!城塞に…!!」
「そういう事かよ、俺達を足止めしてコソコソとアイツらが大聖杯を盗みに行くとは…!!」
「ですが、ヘラクレスを相手にしながら城塞へ戻るのはマスターたちに危害が及びます…彼は此処で食い止めるしか!」
ケイローンの言う通りだ。 だがしかし大聖杯をこのまま易々と持ち去られてしまっては同じ結末を辿りかねない。 いや…恐らく赤側の完全な勝利で終わってしまうだろう。
一週目と違い赤の陣営には最強の英霊が加わっているのだから。
しかし城塞へ向かおうとしてもヘラクレスを倒さなければ到達する事は不可能。 最悪どちらかが城塞へ向かい片方は囮になって…
その時だ、マスターからの念話が入り思わず耳を疑った。
「ハッ?離れろ…?」
『そこから離れろ』と指示が下された。 彼女にしては少し強めの口調で。 いや離れろと言われても、今この状況で?
「何を言っているんですか、アキレウス。怒りますよ。」
「いや俺もよく分かんないんですけど。」
師からは『何言ってんだお前』という疑いの目を向けられる。 これは本当に怒るときの顔だから勘弁してほしい。
『流石にこればっかりはアキレウス達も巻き込みかねないから!!とにかく其処から少なくともヘラクレスから100mは離れて!喰らったら無事じゃ済まないからね!?』
「おいおい…俺にも刺さるって何するつもりだ!?ヤバい、先生離れるぞ!」
「何をやっているのです!?アキレウス!!ヘラクレスに背を向けるなんて馬鹿な事!こら、離しなさい!」
「悪いが俺のマスターに言ってくれ!!」
マスターは俺自身の破格の防御性能を知っている。それを知った上で『無事』じゃ済まないと言ったのだ 体から血の気が引く音が聞こえた、何をするつもりなのか。いや本当に真面目な話で とりあえず怒る先生を担ぎ猛ダッシュでヘラクレスから距離を取る。
何がどうあれ此処はマスターに賭けるしかない。打開策が見つかったのだと信じる
その証拠に背を向け逃げ出した自分たちをヘラクレスは追ってこない。
いや、正確には…
「なんだコレは一体…!!動けん!!」
追う事が出来ない----------------
黄金の鎖がヘラクレスの動きを完全に止めている、追撃しようとする弓を持つ腕すらも縛り上げて 文字通り身動きが出来ない状態になっていたのだ。
きっとコレもマスターの援護のうちの一つだ。
「あの鎖は一体…ヘラクレスの動きを簡単に封じ込めるなんて!」
だが
「それがあんなら先に使ってくれよ!ってかマジで何する気だ!?」
「ヘラクレスの動きは封じ、二人は距離を取れました。」
「よし、あとは…」
ヘラクレスの動きは止めた。 これで彼は動かぬ的そのものだ、確実に当てる事が出来る。 まずは一回だ。
矢を番い、空へ向ける。 天にいるであろう彼女が信仰した太陽神と月女神が織り成す空へと。 確実に届けなければならない。
私が放つのはただの、矢文。 そしてそれを受け取り裁きの雨を降らすのは神々。
この宝具の名は
「
その名を叫び 祈りを込めた矢を思い切り天高く放つ
通常ならばこの宝具のランクはB だが以前よりこの弓の神秘性が増している。 それはきっとアタランテが座から二大神に祈りを捧げ続けてくれているお蔭だろう。
そのため、加護によりランクは上昇しAランクまで跳ね上がる。 此れならばヘラクレスに確実に大ダメージを与える事が可能になった この宝具の攻撃は神が直接放つのだから。
そして、その時は来る
数秒後、矢文を受け取った神々が狙いを定め 厄災とも云わんばかりの無数の矢の雨を降らし大地へ、ヘラクレスへと向かい打ち付ける
「ぐっ…ぉぉおおおおおお…!?」
避ける事が出来ないヘラクレスはそれを一身に受ける事になった-------
一発一発が爆撃とも言える破壊力を誇っている神の鉄槌。
それが一点へ集束して放たれる
消えていく、ヘラクレスの命が。 削られていく、ヘラクレスの肉体が。
もはやそれに矢という概念はない。
瞳に映るは一つの巨大な光の柱というのが正しい。
「これが…アタランテの宝具…。」
「アキレウス、これは一体!?マスターが出来る範囲をとうに超えているではありませんか!」
その圧倒的な光景にアキレウスとケイローンは目を奪われていた。
そしてアキレウスは歓喜を抑えきれなかった、これが憧れていた狩人の絶技。 なんて美しいのか!まるで一つ一つが儚い星の様ではないか! 本来の持ち主ではないマスターが此処まで扱える事は
それこそがアタランテとマスターの絆の強さの証
ああ、美しい…本当に。
「それが俺のマスターなんだぜ、先生!!」
いくらヘラクレスと言えどこの集中砲火を一身に受けたのだ。
無事でいられる訳がない。
矢の嵐が収まり視界が通ってきた時
それはまだ立っていた
いや、正確にはズタボロになり膝を付きながらも
「マジかよ…。どう考えても死ぬだろ普通!」
あの攻撃には神の力が加わっていた。 サーヴァントにとって神や星の力は即ち最強に匹敵する破壊力を誇る。 それだというのに、ヘラクレスはそれをも耐え抜いた。
「違います…、アレは確実に死んでいた!ヘラクレスは生き返ったに等しいのでしょう…、」
「生き返った!?んな事があり得るのかよ!」
「とにかく今は彼に集中なさい!来ますよ!」
ヘラクレスの蘇生が終わり、再びアキレウス達との交戦が始まる。
「二回、殺せたか。」
正確には2.7回ぐらいは殺せたと思うが、まあ十分だ。 こんな序盤で天穹の弓を使う事になるとは予定外だったが、しかしヘラクレスはそうでもしなければ倒せない相手。 選択肢は間違っていないと思いたい。
弓をしまい、次の準備に取り掛かる。
「しかし、彼はまた蘇生し動き出してしまいましたよ…。」
「うん…そうだね、だから
「えっ、何言って…----------------------------------------」
突然だ、
目の前の少女の声色が少女らしい透き通った声から中性とも言えるようなハスキーな声音へと変わり
黒い髪は黄緑色の絹の様な美しい長髪へ、カジュアルな現代服から一変し白の簡易的な物を纏い その瞳は琥珀色から澄み切った空のような青へと変貌した。
この薄暗い月夜の中を照らさんとばかりに儚く美しい存在へと姿を変えていたのだ。
「…ごめんね、ルーラー。後でちゃんと説明するから。」
申し訳なさそうに呆気に取られているルーラーに謝るや否や瞬く間に彼女、いや彼と言うべきなのか その存在はヘラクレスの元へと駆けていった。
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ヘラクレスが死んだと思ったのも束の間 蘇生した彼は再びアキレウスとケイローンにと交戦を開始した。 衰える事のないその力にどう説明をつければいいのか
「くそっ、折角マスターが手助けしてくれたってのに!!」
「いやですがそれは無駄ではないようです!傷の治りが遅い、恐らく完全に回復するのには相当の魔力を浪費するんでしょう!貴方のマスターがくれたチャンスを潰す訳にはいかない、ここで一気に押し込みますよ!」
ケイローンの言う通りだ、ヘラクレスの傷までは完全に癒えてはいない。 ゆっくりと時間をかけて治って行くようにも見える。 ならば此処でもし一気に優勢に持っていければ勝機は見える。
いける…!------------------
「先程の攻撃なんだ!あれがお前のマスターの仕業だというのか!」
流石のヘラクレスも雨矢に関しては驚愕していたようだ。 不意打ちとはいう形に近いと言えど完全に殺された、それが魔術師の仕業だとしたら混乱はより一層深まる。
「(流石だなマスター、あのヘラクレスを此処まで驚かせるとは…)だったら、何だ!?ヘラクレスさんよぉ!!」
「相当腕の立つ者だと敬意を送りたいだけだ、人でありながらこの身を殺す事が出来る者がいるとは…!是非とも手合わせ願いたいと思うぞ!!強き弟弟子、そして敬愛なる師という強敵に恵まれながらも更なる戦士がいようとは…!!」
やはりヘラクレスは勇者である以前に戦士だ。 強い者がいればいるほど戦士というモノは戦う意欲が増す、自分もそうだ。 己より強き存在がいればその上を目指し力を高める。
そして挑むのだ。
「分かるぜ、その気持ち!戦士はそうではなくてはな!!」
何が先生や俺と殺し合いになる事が悲しいだ。 十分嬉しがってるじゃねぇか、
それでこそ勇者であり英雄である。
その時だ
「ヘラクレスからご称讃頂けるとは光栄だな、それでは手合わせ願うよ?」
誰かが俺とヘラクレスの間に立ちはだかった 長く美しい緑髪に簡易な衣服を身に纏った少女、いや少年? いやこの姿は…
「貴様は…ッ!」
突然現れた存在にヘラクレスは一瞬、後方へ距離を取ろうと飛ぼうとした。 だがそれを見逃すことはなかった。 着地をしようとした大地が大きくめくれあがり、まるで砂のように変化していた。
「なにっ!?」
体勢を崩したヘラクレス、急いで立て直そうとしたが 既に眼前に迫っていた存在は手を抜く事は無い。
その異常な速度、気迫にヘラクレスは息を呑んだ。
「これは称賛の礼だよ、受け取っておくといい」
一撃-----------------。
トン、と掌がヘラクレスの胸に触れる。
そして次の瞬間にはそれが吹き飛んでいた 心臓、肺、内蔵、骨すらをも。
それだけでは終わらない、力無く倒れ込むヘラクレスの体を大きく蹴り上げると 空中へ飛躍し更に追撃を重ねていく。黄金の鎖や地中から射出される武器で ヘラクレスに抵抗させまいと云わんばかりにその猛攻は止まらない。
「これで…3回目ッ!」
最後に一気にヘラクレスを地面に叩きつけ、凄まじい衝撃と粉塵が巻き上げられる。 視界が奪われ、やっと煙が薄れていくと緑髪の存在はヘラクレスから少し離れた所に立っていた。 様子から見て、どうやら終わったらしい。
「っ、マスター!!」
「マスター!?」と先生が声を荒げているが、そんな事もお構い無しにマスター呼んだ存在へと駆け寄る。
この姿を知っている。
あの姿はマスターが前世だったというエルキドゥだ。 一度だけその姿を見せた貰った事がある。
彼女も駆け寄る俺に気付いたのか黄金の粒子と共に元の姿に戻って行く。
「マスター!」
だがその直後にフラリと倒れかけ咄嗟に受け止める
「大丈夫か…!?」
「うん、大丈夫だよ。アキレウスこそ大丈夫?」
だがそれは一瞬の様だった様で顔を覗き込めばいつものように笑っている。 様子から見て若干砂煙で汚れてはいるが怪我をしている様子は無い。 マスターの無事を確認出来て少し安心した。
「踵の加護が取れてないだけ優秀だろ?まあそれ以外はちょいと攻撃受けちまったがな。」
「そっか、良かった…。流石私のサーヴァントだね。」
私のサーヴァント≠私のアキレウス。
いやっほぉおおおおおおおおおおおおお!!!! なんて素晴らしい言葉なのか私のアキレウスとは!! えっ?アキレウスとは言ってない?言ってるようなモンだろうが!
「貴方がアキレウスのマスターですか?」
一人浮かれているアキレウスを余所に追い付いたケイローンが 明日香に話しかけている。 横目にアキレウスを「このおバカ…」と言いたそうな目で見ているが気にしてはいけない。
「はい、貴方がケイローン?」
「ええ仰る通り、私の名はケイローン。窮地を助けて頂き本当に助かりました、おかげでどうにか…。」
「私の方もアキレウスに協力して貰って本当に有難い、目立った怪我はないようで良かった。」
「……アキレウス、貴方のマスターはいい方ですね。本来敵である私の怪我の有無まで心配してくれる。」
「でしょう!俺のマスター最高でしょう!!」
「じゃあ軽く治癒するからね。」
マスターの事を褒められるとアキレウスのテンションは駆け上がる。 その素振りからケイローンは「あっ、マスターに惚れてるな」というのを感じ よく見ると幼いアキレウスが言っていた好みのタイプに当てはまるな…と納得してしまった。
『僕は美しく笑う人が好きです!!美女というよりは美少女派です!』
と真面目に答えてきた時は、将来が少し不安になったりしたが 何がどうあれ彼は数千年の歴史の先で新たな「恋」を見つけているようだ。
「ッ、皆さんご無事ですか!」
「ルーラー…、貴方も此処に?」
「…コイツが…。」
鎧を纏い旗を手にした少女が駆け寄ってくる。 この少女がルーラー、オルレアンの乙女ジャンヌ・ダルク。 そして一周目のアタランテに大きく関与した裁定者。
少しだけ、ルーラーを見る目が複雑になる。 いや、マスターは言っていた、結果は悲しかったが二人ともも正しかったと。 一体それがどういう経由でそうなってしまったのかは聞いていないが…
「はい、啓示を受けまして赴いてきました。彼女とは道中に会いまして…」
「啓示を…?」
「それよりヘラクレスは!?まだ彼の消滅を確認していません!」
ルーラーの言葉で、ハッとする。 そうだヘラクレスはマスターが追い詰めはしたが死んだかどうかは確認していない。 急いで視線を移すと全身血塗れになりながらも生きているヘラクレスが立ち上がろうとしていた。 その瞳は真っ直ぐとマスターを捉えている。
「こいつ、不死身かよ…!!」
「いえ、彼は数に制限がありますが蘇生する事が可能…。そうでしょう、明日香さん。」
「うん、ヘラクレスは12回殺さないと倒せない。それが彼の逸話が昇華した宝具…でしょ?ヘラクレス。」
生前に与えられた十二の試練を無傷で成し遂げた逸話が昇華した宝具。 全部で12の命をその身に宿し、尚且つBランク以下の攻撃は無効化な上 Aランクの攻撃でさえも一度受けてしまえば耐性が付くという反則というべき能力。
「それまで見抜いているとは…恐れ入った。その通りだ我が身は12回殺さねば消滅には至らん。不意打ちだったと言えどまさか5回も殺されるとはな。」
「不意打ちでも5回しか殺せなかったんだけどね。」
「それもそうか」、そう言いながらヘラクレスはゆっくりと立ち上がる。 アキレウスやケイローンが警戒したが、彼の手に弓は握られていない。 つまり、今のヘラクレスに戦う意思は無い。
「安心しろ、今晩は引かせて貰う。目的は既に成されたからな。」
「…成された?っ、まさか!!」
目的は達成された。 その事が意味する事は、即ち------------------------------
「しまった…!」
城塞へ振り返ると、何か巨大な彫刻の様な球体が浮遊していた 神秘的な淡い光を放つそれを知っている。 私はそれに触れた、否……それにより願いを叶えて貰った。
その名は
「大聖杯…------------------------------------」
虚栄の空中庭園によって大聖杯が文字通り根こそぎ奪われてしまった やることを終えた庭園は進路を変更し城塞から遠ざかろうと動き始める。
「大聖杯は我ら赤の陣営に落ちた。次に交える時は私が出せる力全てでお相手致そう、その時こそ必ずやお前たちを我が矢にて貫かせて貰う、アキレウスのマスターよ…今回のように易々と命を奪えるとは思えない事だ。」
「赤の陣営に大聖杯があるというのなら、私たちは必ずそこに向かう。本気で来るというのならこっちも本気で叩き潰す。」
「俺も忘れてこまっちゃあ困るぜ。お前はあくまで俺たちの通過点に過ぎねぇ…大英雄?最強の英霊?何でも掛かって来いってんだ、俺たちはその先に進まなきゃいけないんでな。」
「今度は不慮の事故では死んではやりませんよ。貴方が全力で私たちを殺しに来るのであればそれに応えなければならない。」
三対一、卑怯とも言われるかもしれないが。 アーチャーのヘラクレスはそうでもしないと倒せない男だ。 神の力しか通じない上に一度受けた攻撃は耐性が付く、ならば私たちが持てる力で殺すしかない。
「では、その時を楽しみにしていよう……」
ヘラクレスはそう最後に微笑むと、撤退していった。 最大の脅威はどうにか立ち去った。 だが大聖杯は盗まれた…、だったら取り返しに行かなければならない。
「既に黒のサーヴァントは交戦中のバーサーカーを除き、庭園へ向かったようです。」
やっぱり、ユグドミレニアは折角盗んだ大聖杯を盗まれて相当ご立腹なようだ。
「私も向かう事になりますが、アキレウスとルーラーはどうされますか。」
「勿論。私も向かいます、ルール違反を犯した赤の陣営をルーラーとして見逃す訳にはいきません!」
「…マスター、俺たちはどうする。」
「アキレウスは二人と一緒に庭園に向かって加勢して欲しい。私は黒のバーサーカーを確認してから…マスター達に話をつけないと。」
「、分かった。」
取り敢えず此処でまたアキレウスとは別行動だ。 一瞬アキレウスは何か言いたそうな顔をしたように見えたが、気のせいだろうか。
「では道中に私からマスターに伝えておきます、貴方に危害を与えないようにと。」
「ありがとう、ケイローン。…アキレウス、庭園の構造は覚えてる?」
「二日だけだったがある程度は覚えてるさ、だが庭園にはヘラクレスの奴もいるだろ?それはどうする。」
「今は大丈夫だと思うよ、あんなにダメージを負ったんだもの。暫くは戦えない、無理に動かしたら魔力供給しているマスターが死んじゃうしね。」
まだヘラクレスのマスター権が天草に移っていなければ これ以上無駄にヘラクレスを戦わせるのは危険は筈。 だとしてもあそこはあの女帝の領域だ、それだけは警戒して欲しいと念を押す
アキレウスが口笛を吹くと、彼の戦車が現れる。
「乗ってくれ、庭園まではこれで向かうぜ。」
「はい、お願いします。それでは明日香さん黒のマスターたちの事は頼みました。」
「では行きましょう。安全運転で頼みますね、アキレウス。」
「分かってるっての。」
時間は一刻と争う、次々に戦車に乗り込み 操縦者であるアキレウスは手綱を掴む、 ぐっと何かをこらえるようにして、地に残していくマスターを案ずる。
「無茶すんなよ、マスター。」
せめてこの言葉が今の自分にとって精一杯だった。
「うん、アキレウスもね。また後で会おう。」
「ああ…必ず。」
本当は一緒に向かいたい。目の届く場所で守りたいと願う
だが今は彼女が此処に残り黒の陣営と結託するのがベストな選択だ。 その思いも耐え アキレウスは手綱を握り戦車を走らせる、空中庭園が浮かぶ空へと向かった。
「『一緒に行こう』ぐらい言えないのですか貴方は…」
「なっ!?」
顔に出ていたのか、駆け上がる最中にケイローンが溜息を付きながらそう零す。
「言えるかよ!下手に言って困らせたら嫌だろ!」
「伝承だと相当女性に愛を囁いていたそうじゃないですか、マスターにその程度も言えないとは情けない。」
「今とそれとは違うんだよ、先生!!あーもう!ルーラーも何か言ってくれよ!」
あの短時間で先生は俺がマスターに惚れているのを見抜いたのか!? 俺は先生がいる前では恋愛をしたことはないはずなんだが、そんなに分かり易かったのか!? はっ、恥ずかしい!このアキレウスがそんな事を師から指摘されるとは…!
思わずルーラーに助け舟を求めてしまった。
「私ですか!?私はあまり経験がないので…ですが彼女は強いので言わなくてもきっと大丈夫です!」
「ぶふっ…!!」
ルーラーのあまりにもど直球過ぎるその回答に思わずケイローンは噴出した。 それに対してアキレウスは何も反論できない。 だって間違っていないのだから。その強さを自分たちは目の前で見てしまった。
「ッ~…!!こうなったら速攻で片付けてマスターの所に帰ってやっからな!!お前等ァ、速度上げろ!!」
「アキレウス!安全運転ですよ!!」
空を駈ける愛馬たちに喝、いや…八つ当たりとも言える指示を出し 戦車はヤケクソとも言える加速をする。ケイローンの怒号が響いたがアキレウスは
そんな事もお構いなしに鞭を振るい続けた。
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庭園へと向かったアキレウスたちを見送り、気配を頼りに黒のバーサーカーの元へ走る。 誰かと戦っていると言っていたが一体誰と…
「やめろ、フラン!!それを使ったらダメだ---------!!!」
暫く走った先の丘で 桃色の髪を持つ騎士の恰好をした女の子が叫んでいた。 その横には胸から血を流して死んでいる少年が横たわっている。 一体どういう事だ、この少年は?
そしてその更に先では赤のセイバーが白いドレスを纏った少女に巻き付かれている。 益々訳が分からない、セイバーがもがいているが解けない程強引に巻き付いてるらしい 一体何を…この状況は一体何なんだ!?
焦りを隠せないまま速度を上げて駆け寄る
「ッ、君は…魔術師!?」
桃色の子が私に気付いてくれたみたいだ。 眼には涙が張っている 男の子の死を悲しんでいるのか、それとも…
「あっ、貴方は?」
「僕は黒のライダー、アストルフォ…っお願いだ、バーサーカーを、フランを止めて!!彼女は死ぬつもりなんだっ!!」 「あの子がバーサーカー!?いや、でも…!」
あのドレスの子が
だとしたらもう止める事は出来ない、既にフランケンシュタインの命を賭けた宝具が展開されていた。 巨大な雷樹が発生する、そこから溢れ出した電流がこちらにも流れており規模の大きさを感じる。
思わず眩しさに瞑ってしまっていた目を開けると、既にそこに雷樹はなく甲冑を纏った騎士だけが残っていた---------------
「あの宝具を防ぎ切った…」
「フラン…っ、」
そう、赤のセイバーだけしか居ない。
フランケンシュタイン命と引き換えに放った攻撃を僅かな傷だけでモードレッドは耐え忍んでしまった。 アストルフォを悔しさからか槍を握るが彼女自身も武器の槍自体もボロボロでまともに戦えるとは思えない。
「彼だけじゃなくフランまでも…セイバァアアアーー!!!」
そんな状態で叛逆の騎士モードレッドと戦おうとするのは自殺行為だ。 それでも立ち向かおうとする彼女の肩を掴んで止めると
「どうして!?行かせてよ、アイツは倒さないと!!」
「そんな状態でモードレッドに勝てる訳がないでしょ!バーサーカーが何の為に戦ったのか意味がなくなっちゃうじゃない!!」
「っ、でも!でもぉ…!!」
「何ゴチャゴチャしてやがる。」
泣き出すアストルフォを宥めていると背後から苛立った声が聞こえる。 振り返るとそこには兜を脱ぎアルトリアと同じ顔を持った少女が大剣を手に迫って来ていた。
「誰だてめぇ?そいつのマスターか何かか?」
「-----------アストルフォ。此処は私に任せて。」
「えっ…、君が戦うの!?それこそ無茶だよ!君が誰なのかは知らないけれどそこまで僕を庇ってどうするの!?」
「ちょっと知り合いの身内みたいなもんだからね、あの子。」
「え?」
座りこむ彼女に背を向け、モードレッドと向かい合う。 そっくりだ、瞳の色もパーツも全て。
『アスカ』
悲しいくらい彼女に似ている。
「悪いが俺はお前みたいな奴は知らねェぞ、そこをどけ。俺はライダーを殺して空中庭園に行く。」
「私は知ってるよ、貴方の事。…と言っても彼女から聞いただけだけどね、それとどかないって言ったら?」
「彼女から?どかないってならお前を殺してライダーを殺すだけだ。俺も無駄な殺しはする気はねぇ。」
「どかない。ライダーを殺すっていうならそれを止める。」
「いい度胸だ、この
アルトリア、どうやら貴方の息子さん?相当反抗期酷いみたい。 うん今何処かで「根性叩き直してください」と聞こえた。 流石に私も今の一言は聞き捨てならないぞ。
「騎士王、ね------------仕方ない、貴方のお父さんの代わりに怒ってあげようか。」
「なんだと?」
「あの子の辛さや苦しみを分かっていないくせに、あの子がどんな思いで必死に王の務めを果たそうと頑張っていたのか知らないくせに…簡単に騎士王を名乗るな。」
「テメェ…--------------それは!?」
騎士王をそんな簡単に名乗って良い筈がない。 女である事も老いる事も捨てて、王として生きる覚悟を決めたあの子を 民の安寧を、国の安定を心から願ったあの王様を 死後も答えを出せずに迷い迷って苦悩し続けたあの子を。 終焉こそが正しいと祖国の滅びの歴史を受けいれたあの子を。
「アーサー王を、なめるなよ。モードレッド」
この手に握るは
王位を継承して欲しいと嘆願し続けた彼女が最も欲する剣。 アルトリアが最後まで持ち続けた聖剣ではなく彼女が王として歩みを始めた、彼女の始りを象徴する剣。
即ち、アーサー王の始まりを告げるものである。
その名は
それを以ってして、赤のセイバー即ち叛逆の騎士モードレッドに立ち向かおう
「貴様…ッ、貴様が何故その剣を持っている!!」
その怒りに吠える表情は…彼女が向けられた物と同じものだろうか。 ただ彼女は言っていた、「向き合ってあげれば良かった」と
それでブリテンの滅びを回避出来たかは分からない。
ただ、そうする事で何かが変わっていたのかもしれないと。
だから、アルトリア。
私は向き合うよ、
じゃないと、この子もきっと道を間違えたままだから。
「答えろぉおおおおお------------ッ!!!」
可笑しいな、最初は10000文字ぐらいだったんだけれど…
凄い悩んだのが、ヘラクレスの防御性能の基準です。
Bランク以下を無効化というのが彼の宝具の能力の一つなんですけど。
B+は通るのかどうなのかとずっと悩んでいたんです。
でもAなら確実に入るよなー…と思って。
結局、ランクはAに上昇で確定にしました。
まあアキレウスの槍もB+とかなんですけどね。まあB+も入るよって事にして下さい。
あるいはヒロインちゃんのおかげでランク上がってるぜ的な。
いくらか調べたんですが、B+は入る B+は入らない Aランクからしか入らないと
まとめサイトやwikiでもバラバラだったんので私は
B以下は無効化を選びます。
なので、B+もダメージ与えられます(ヤケクソ)
アチャクレスは本当にチートおばけなので大変ですよ。
マジで。いや、本当に!
ちなみに青セイバーさんの事をアルトリアとヒロインちゃんが普通に言うのは
義弟の恋人であり尚且つ家族の一人だからクラス名では敢えて言わないし
アルトリアを一人の女の子として見てる為です、基本的にヒロインちゃんはあまりクラス名では呼ばない子で
敵の前とかでは真名うっかりしないようにクラス名で呼びますがそれ以外は基本的に名前呼びです
ちなみに高校在学中は士郎と同じ弓道部に所属していた時期があって弓の扱いには慣れてるとか。
とは言っても、ギルガメさんと一緒にいた時に大体の武器の扱いは見ていたし
それ以前にエルキドゥは肉体を武器にしたり自由自在に変えられます。
大体の物の扱い方は出来るよのアクティブちゃん。
≪例≫
ランサー「おう嬢ちゃん、俺の槍投げてみっか?まあ無理だろうがな!」
ヒロイン「へぇ…絶対に当ててあげるからね、ランサー。」
ランサー「おういいぜ!やれるもんならやってみ…グフォオオッ!!」
ランサーが死んだ!この人でなし!!
と器用です。
ではお待ちいただいていた皆様、20000文字近くある駄文ですがどうぞごゆっくりご覧くださいませ!
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PS 水着鯖は誰も来なかった。