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第六話『天草四郎』

第六話『天草四郎』 - Ask(プロフ見てね)の小説 - pixiv
第六話『天草四郎』 - Ask(プロフ見てね)の小説 - pixiv
12,986文字
彗星は大地に降り注ぐ
第六話『天草四郎』
すみません、甥っ子が来ていて遊び疲れたりして全く気力がありませんでした。

ぐだぐだ新イベント全力で駆け抜けます。沖田オルタ強い…(フレンドさんのですが)
この回のラストでようやく最強の敵が来ました。

この人本当にチートすぎてどうしようと思う…
調べれば調べるだけどうしよう、勝てるの?この人どうする?ってなります。

どうあがいても絶望______________

次のお話では、アタランテがずっと座で二大神に祈りを捧げている効果が出ます。

?『ようし!私頑張っちゃう❤』

次回 愛を放つわよ!喰らえ、アクティブモンスターの猛攻!

ギル『流石にそれはちょっとどうかと思う。』
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2018年6月13日 17:20




この世界の第三次聖杯戦争でアインツベルンが召喚したサーヴァント、ルーラー。

一度目の聖杯大戦の黒幕であり、大聖杯を用いて『人類の救済』を叶えようとした英霊。 その結末はどうなったのかは分からない、彼が勝ったのかそれとも…負けたのか。 だがそれはあくまで一度目の話だ。





二度目は…------------------------------











「本当はこちらから出向きたかったのですが、ちょっとあそこに行くのには気が引けてたんですよ。」





この場に似合わない笑顔を浮かべたまま喋る。 ルーラーとして召喚されていた彼ならば、真名を見破るスキルを持っている筈。 ならこうして対面したのであれば…私の真名やらステータスが丸見えになっている。

それなのに眉ひとつ動かさない ジャンヌ・ダルクはかなり動揺していたというのに。





「いくつか質問をしても?一応これでも監督役なので。」

「聞くことねぇ、名前なんてものは聞く必要はないでしょう?もう一人のルーラーさん。」







『もう一人のルーラー』その言葉に天草四郎は、少しだけ『ほう…』と感心したかのように声を漏らす。 そこはもっと驚けと言いたい所だが…









「此れは驚きました、私がルーラーという事を何処で?貴方には前回の時もお会いした事はありませんが。」





彼が言う前回は紛れもなく第三次聖杯戦争の事だろう。 最後まで勝ち残っていた彼は恐らく全てのサーヴァントやマスターを把握していた。

受肉していた彼がルーラーだったという事は恐らくほんの数人しか知らない極秘事項。







「すんなり答えると思う?こっちも貴方と同じ訳アリでね。」

「成程…では貴方と赤のライダーはどのような関係で?お二人は同じタイミングで現れ、それぞれが役割を分担しているようにお見受け出来ましたが。」







啓示スキルは、直感に値するスキル。 アルトリアも言っていたが『何故かそんな気がした、その筈だと思ったのです』と上手く説明出来ないと言っていた。 つまり、私に対する質問は答え合わせだ。



分かって居るから、敢えて聞いて来ている。







()赤のライダーでしょ?生憎もう彼とは契約をバッチリしてるから、そちらの管理下じゃないけど。」



「…やはり彼と契約をしていましたか。では



























































どうやって彼の契約を切り貴方自身と契約を結ぶ事が出来たのでしょう、赤のアーチャー。(アタランテ)いえ…桐城明日香さん?」











アキレウスと同じタイミングで消えたアタランテ 消えたアキレウスが突如、戦場に現れる。 そして情報にもない魔術師が一人彼と同じタイミングで現れる。

だがそこにアタランテの姿は無い--------------------



そして今自分の目の前にいるのは、サーヴァントでありアキレウスのマスターである謎の女。 バラバラのピースを当てはめていけば全てが揃う。



その瞬間、少しだけ天草四郎の目が細められたと同時に殺意が伝わってくる。











「言ったでしょ?訳アリだって。」









「ですが貴方の変装は完璧だ、私やセミラミスまでをも欺ける程に貴方はアタランテだった。聞きたい事は山積みですよ。」





「私が離反したのは貴方の計画を危険視した為、アキレウスはそれに賛同してくれた。」

「ならば作戦を提示した時反論して下さればよかったのに。貴方達が抜けてこっちは大変だったんですから。」





大変だった、それは本当だろう。 主に怒り狂うセミラミスとか八つ当たりするセミラミスとか。 9割方セミラミスの機嫌を宥める事に。









「それで貴方がすんなり『計画やめます』って言ってくれたら苦労しないよ。最初からそっちに付く気は無かったし。」



「まあ、そうですね。そんなんで諦められたら今此処にいませんしね…。今回危険を承知で此処に来たのは貴方やアキレウスを捕獲する訳ではなく、我が陣営に戻ってきては頂けないかとお願いをしに来たんですよ。」







いや、それは遠まわしに確保では!? 武器を手にしてない時点で戦う意思は無いなというは見えていたが







「貴方が日本の何の英雄なのかは存じ上げません、ですが大きな目的がありアタランテの代わりに呼ばれアキレウスを引きつれ別勢力となり暗躍していたのは事実。現に私たちは今日まで貴方方の姿を確認することはできませんでした。」









同じ日本出身のサーヴァントであり、この世界の歴史には名を刻んでいない者。 普通に考えればそれはとつもない脅威だ、自陣のサーヴァントに扮し離反。 驚異的な戦闘力を持っている上に弩級の英雄アキレウスを率いているのであれば警戒するに越したことはない。





だが、それがもし味方に引き込めたのであればそれ程美味しい話は無い。







「タダでとは言いません、我々が大聖杯を手に入れ勝利した暁には貴方の願いもアキレウスの願いをも叶える権利を…勿論、危害も加えませんし丁重に御持て成しさせて頂こうと思うのですが…」











「正式に我々の仲間になりませんか?」そう迷いも無く告げてくる。 大聖杯で願いを叶えさせる事を条件にと、聖杯を欲している魔術師ならば飛びつく報酬ではあるが。

私達はそれを欲することはない、天草四郎の企てを阻止する。



彼の思い通りに世界を変えさせる訳にはいかない、その為にこの世界に来たのだから。











「そこまでして聖杯を手にしたい?-----------天草四郎。」









「えぇ、それが我が望み。最期に抱いた奇跡を叶える為ならば、私はどんな手も尽くします。」







告げられた真名に彼は驚くことも無く 問いかけに微笑みながら答えた。 その曇りない微笑みは間違いない、本気だ。

私はシロウ・コトミネではなく 天草四郎に対して尋ねたのだから。





そして彼は、天草四郎として返事を返した。______________







「その誘いを受け入れる事は出来ない。貴方の願いは…人が歩んだ理その全てを否定する、そんな事させる訳にはいかない!」





「…貴方は私の願望を知っているのですね、だからこそ赤の陣営を抜けたのだと薄々感じていました。だが60年だ、…60年という長い年月をかけ私はそれが正しい願いであると確信出来たのです。もう諦める訳にはいかない、あの時散っていた多くの命の為にも、これまで無残に奪われた全ての命の為にも--------()はそれを叶えなければならない!それが俺の償いだ!」





「でも…。」









その顔は、アルトリアが「王の選定のやり直し」を望んでいた時の顔と同じだ。 それを正しいと信じて疑わない。それだけの為に彼女は2度聖杯戦争を戦った。 でも彼女はそれが間違いだと気付けた。祖国の滅びの運命が正しい歴史だと。





でも天草四郎は違う、死の間際に思ったその願いを 60年という長い年月を誰からも間違いだと言われず信じ続け生きてしまった。 途中で引き返そうにもその為だけに生きた彼はそれを否定することも諦める事も出来ずに信じた。 それが今の彼の全てだ。









「それが貴方の苦しみ辿り着いた答えだったとしても、貴方がそれに全てを費やしたとしても。認める訳には…」



誰かの願いを否定する事はとても心苦しい事だ。 それを信じた者に、その願いに希望を抱いた者を否定する。

その願いはどんなに綺麗で、儚い理想だったとしても-------------------





『お前は優しいなあ、私の願いを否定してもそれでも綺麗で素敵だと泣きながら言ってくれた。ありがとうマスター。』







私はそれを否定したんだ。









アタランテとアルトリアはそれで前に進めた。



もう立ち止まることなく、振り返ることなく



それを諦めた。











「----------貴方は優しいですね。」







「えっ…」









天草は一瞬だけ悲しそうな顔をすると、直ぐに微笑みながらそう言った。 私が優しい?いや今私は彼の願いを否定したというのに。

どうして、そう彼は言ったんだ?









だがそう思うのも一瞬---------- 「あっ」と声を出し









「…困りました、そろそろスパルタクスの方が限界のようです。」



「はっ?」





「やれやれ」と困ったぜオーラをいきなりこの空気で出すか普通。 思わず声が漏れてしまったが、ルーラーがいた方向。 つまりはスパルタクスとルーラーが対峙しているであろう場所から魔力が爆発しそうな程膨れ上がっている気配を感じる。







「彼の宝具なんですが、簡単に言うと自分の受けたダメージを魔力に変換する物でして。」







しかしこの上昇の仕方は聊か不味いのでは?と思っていたら 隣に天草がいつの間にか立っていた。 そして



「通常ならばステータスの強化や治癒に転用出来るのですが…コレはどう見ても一気に魔力を放出するつもりですね。」



「待って、その言い方だと攻撃にも使えるって事?」

「仰る通りです。今から走って逃げても真名解放までには間に合いませんし。すみませんが何が防御的な事をして下さい。」



「その言い方だとスパルタクスの宝具でここら一体大惨事になるみたいな事だけど!?」





そう言うと天草は私の背に縋るように隠れた。

こっ、これが黒幕がやる事かよぉおーーーー!!! 守ってもらう気満々だ、この男。









「なるから言っているんです!既にスパルタクスはルーラーに到達するまでにボコボコでして、ルーラーにもボコボコにされてもうダメージは限界値を超えている筈です!貴方の戦い方を拝見しましたが、投影魔術を駆使している一面もありましたし何か盾になるような物があるでしょう?何もしなければ貴方も流石に無事ではすまないかと。ちなみに私の魔術では対処出来ません。」





いやそれを計算してスパルタクスを向かわせたんじゃないのか。 というか必死だ、プライドも何もないぞこの男。 危険を承知で来たってのはまさかこの事じゃないだろうな。







「あっ、マズイ!来ますよ、早く!!」



「あー!もう!!」









周囲一帯が吹っ飛ぶレベルの攻撃だとするのなら近くにいるルーラーは大丈夫なのか。 それ以前に確かに何もしなければ私も無事じゃ済まない。 アキレウスは大丈夫だ、きっと大丈夫。恐らく大丈夫。神性が含まれる攻撃以外は! 天草に良いよう言われ少しアレだが



迫り来る魔力から確実に守れるのはこれしかない。------------------------











熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)------------!!]」









圧倒的な防御力を誇る宝具の名を叫ぶ。未来の弟が使用していた強固の花 差し出した手の先からは巨大な花の円環が七層に渡り展開される。



そして到達するスパルタクスの宝具の衝撃波。





花弁が揺れ、周囲の大地が地形を歪ませていく













-----------------------凄い。



天草四郎は思う。



彼女の手から放たれたその花弁の名は、かつてギリシャの英雄アイアスが使っていたとされる盾だ。 どうしてその持ち主ではない彼女がそれを扱えるのか、その造形を知っているのかは定かではない。 だがそれは名に恥じる事無く見事に自分たちを守りきっている、魔力の衝撃波、吹き飛んでくる大岩や巨木全てを。



彼女の力は計り知る事は出来ない、本来ならばルーラーと同等否それ以上の脅威だ。





しかしこうして本来は敵である自分もろとも仕方ない事ではあろうが、守っている事。 その点から考えればこの人物は「悪」とは思えない、対を成す「善」だ。



天草四郎の最期からはこの願いは恐らく想像出来ないと思うのが殆どだと我ながらに思う。 仲間を虐殺され最期は自らも斬首という悲惨な物だ。 そんな男がどうして「人類の救済」なんてぶっ飛んだ願いをと思ったのだろう。

自分が前回の聖杯戦争から60年それを抱き、生きて来た事。 それが間違いでないと確信したと言った事を聞き



それでも尚、彼女は俺の願いを否定しようとした。 だがその瞬間、彼女は敵とは思えない程









辛く泣きそうな顔をしたのだ。________________







それがどう意味を示すのかは分からない、自分を憐れんでいたのかもしれないし。 もしくは、俺の長い年月を掛けて来た願いを否定しなければいけない事への罪悪感。





自分はその彼女を見て思ったのだ、なんて優しい人なんだと。







彼女はこの巨大な力を得る代わりにどれだけの重荷を背負って来たのだろう。







ああ、どうしてだ。







どうして、こんなにも彼女の背中は悲しく見えるのか。__________________________



























































「ッ…、やっと収まった…」

















花弁は二層の盾を消失し事態は収束した。 この距離でも二枚を破壊されたという事はとてつもない破壊力を以っていたのだろう。 周囲は生い茂っていた木々は薙ぎ倒され何処かから飛んできたのだろうか大岩等で見るも無残な景色に変貌している。







「-----------ありがとうございます、助かりました。しかし…これでバーサーカーも脱落ですか。」





天草の言葉からしてスパルタクスは脱落し 残る赤の陣営のサーヴァントはコレで3騎。



「随分と余裕だね、あとそっちに残ってるのはカルナとセミラミスに劇作家さんだけでしょ?」

「一応私もいますが…。ですが数で言うとキツイですね。本当にこちらに来る気はありませんか?」







「…無いよ、貴方の願いは受け入れられない。貴方が大聖杯を諦めるってんなら、穏便に事を済まそうかなって思ってるけど。私も無駄な争いはしたくないし、それで無関係な人が死ぬことだって避けたい。」





「それは出来ませんね、先ほど言った通り私はそのために生きて来たのですから。その為に出る犠牲は厭いませんし…」









『すみません。』と困ったように笑いながら謝るその様子からして いうなれば彼は優等生問題児というレッテルがピッタリだと思う。

慎二と一成くんを混ぜた所にギルガメッシュも入れてみました、的な。 うん、それだと超問題児になっちゃうね。







「では今日の所はこれで失礼します。」





「何言って逃がす訳ないでし…----------------------」







さてこの男をどう捕まえようかと考えていた時に、堂々と撤退宣言をされた。



此処で逃がしたら何をしでかすか分からない。 そうはさせまいと足を踏み込んだ瞬間







何故か視界に埋まったのは天草四郎の顔。 同時に唇に触れる柔らかい感触。













えっ…-------------------------------















起きた事を理解する前に 触れていた唇が離れ天草が一言。









「先ほど守って頂いたお礼です、あと私は貴方を何度でもお誘いしますから。では」











そう言い残し呆然とする私を残し走り去って行ってしまった。 あの人、日本人ですよね?日本人がお礼にキスをする風習なんてありましたっけ?

いやそれ以前になんでキスするの!?はっ、初めてだったのに!



超展開な上に思考回路が追い付かなすぎて、天草を追いかける事を忘れてしまった









キスもそうだが、気になるのはバーサーカーも脱落し戦力が減ったというのに天草は余裕の表情だった。



どうして?黒の陣営の総力をかけて攻め込まれたら一貫の終わりなのに。



空中庭園は未だに上空に停滞しており、撤退の動きは見られない。 まだ何か策があるという事なのだろうか。







だが今は此処に留まっている訳にはいかない、先に向かわなければどうにもならない。







考えながら、再び城塞へ向かう為走っていた時アキレウスから念話が入る。







『マスターッ、無事か!?』



その声音からは焦りを感じる、恐らく先ほどの一撃の事で心配しているのだろう。 アキレウスが戦っている所より私の方がスパルタクスに近かった事だし。













『うん大丈夫だよ。赤のバーサーカーは脱落した、そっちは?』



『よかった…こっちは大絶賛交戦中だ、ったく…先生の奴全く手加減してくんねぇんだが!?それと今ので城塞にデカいダメージが入ったらしい。赤の奴等もしかしてそれを見越してバーサーカーを脱落させたんじゃねぇか?』









城塞に損害が…。 どのぐらいの規模かは分からないけれど城塞の地下には大聖杯がある、上の建物を吹っ飛ばす手間が減ったとなれば… まさか、これが天草四郎のあの余裕っぷりの答え?

いやでも『手段は選ばない』となれば城にいるマスター達ごと城塞を吹っ飛ばしたって良い筈。

だったら…?他にもまだ策があるっていう事か?







『分かった…、とりあえず私は引き続き城塞に向かうからそのままケイローンを…!』



『了解だ、そっちには矢の一本たりとも討たせねえよ。』





そう言ってはくれるものの、ケイローンはアキレウスの師匠だ。 武術から何から何まで彼の元で教わった。 お互いの戦い方を熟知しているだろうし、先に読まれてる事だってある。 どの道、長引かせてしまってはアキレウス自身が持たない

念話も切れた事も考えれば一瞬の隙も与えられないことだろう。



急がなければ…--------------------

















その時だ









周囲に何かとてつもなく大きな塊が現れた。 数が一つ、攻撃でも無いこの正体は…----------------

まるで雷が直撃したような感覚に陥り、本能が『危険』だと全身に知らせる。







この魔力の感覚



いや、しかし…この気配は…。





同じとは言えないけれど、とても似ている。





強いて言うなら、あの時より(・・・・・)…透き通っていると言えばいいのか…?













いや、だとしてもおかしい!その存在がこのタイミングで現れる事自体が異常だ!



本当に彼だったとしたら!





彼があの状態でいるのだとしたら!?





考えるだけで吐き気がする









それより、出現した場所がマズイ…-----------------









「アキレウス…!!」







_________________________________________



























ケイローンと交戦をし既にどれだけ時間が経ったか、お互い攻撃の手を緩める事はなく。 攻防一体、まさしくそれに近い。 だが形勢はケイローンが優勢を取っている





アキレウスはあくまで時間稼ぎをしているだけであって、彼を確実に仕留める事はしない。 だがケイローンはアキレウスを敵と認識し弟子という感情を抜きに矢を放ってくる。 神性のスキルを持つケイローンの矢は着実にアキレウスにダメージが入り これではアキレウス自身が持たない



ましてやお互いに宝具を出していない、ケイローンにアキレウスの宝具は大方予想はされている一方。 ケイローンの宝具をアキレウスは知らないのだ、もし一撃で自分を滅せられる程の物であったら下手に手は出せない。







先ほどの震動でマスターの安否が心配だったが、念話で確認は取れた だが事態は芳しくない、城塞の一部が破壊されたとケイローンは呟いた 大聖杯は地中に根付いている、それを隠す蓋のような役目の城塞が破壊されたとあれば赤の陣営の作業は容易く行える。



速い所どうにかしなければ…







「どうしたのです、アキレウス。」









勢いよくケイローンに蹴飛ばされ、地に転がるアキレウス。 その絶好の仕留めるチャンスをケイローンは矢を放つ事は無く、彼に問いかけた。

今なら確実に大ダメージを与えられただろうにと思いつつ、アキレウスは立ち上がる。







「へっ、何がだよ。先生…!」



「先ほどからずっと、貴方は本気で槍を振ってこない様に見えます。以前の貴方ならそのような事は無かった…何が目的です?私が師だからですか?」





やはり、師はそれを感じ取っていた。 アキレウスは本気で自分に槍を振ってこないと



師である自分にそのような無礼な事をする子ではない。 だとしたら何か彼をそこまでさせる理由があるのではないか、と。





「言った通りだ、俺にも事情があるんですよ、先生。確かに昔から俺は身内には甘いって言われるが…今回は少し訳が違ってな。先生こそ本気に見えて結構手抜いてるようだが…24時間の矢除けのが死を感じたぜ?」







「そうであっても私たちは今互いに敵同士、その甘さが命取りになる…。」



「だったら先生、どうしてさっきから俺をクラス名で呼ばずに『アキレウス』と呼ぶ?俺もだが先生も相当身内に甘ちゃんだな。」







「ッ、当たり前です!赤子の頃から貴方を育てたのですから我が子同様の存在!親が子を殺せと言われているようなモノなんですから!戦場に現れた貴方を見た時、どれだけ辛かったか分かりますか!?」









どうやら図星だったのか、ケイローンはアキレウスにそう指摘されると 顔を少し紅潮させながら訴える。 だがそう言いながら矢を放ってくるのも流石だな、と感心してしまう。





「どうせ辛いのであれば、いっその事すぐに片を付けて…!」



















マズイ-------------------





先生が『いっその事』と言う時は本当に、これでいいやと面倒になってヤケクソになる時だ。

幼少期の経験からしてそれは本当に一瞬でスパッと終わらせてしまう。

①俺の散髪の時にスタイルが決まらず、『いっその事刈り上げとかどうでしょうか。』と言った数秒後には今のヘアスタイル。

②川に魚を捕りに行った時、あまりにも多すぎて一匹一匹捕まえるのは大変だったので『いっその事矢を乱れ撃ちして…』と言った数秒後には空から矢の嵐。全力で避けた 



他にも『いっその事』は沢山あるが取り敢えず先生の『いっその事』はマズイ。









焦るアキレウスを余所にケイローンが空に指を指し示した。 その先を見てもあるのは夜の空、そして幾つもの星々。



何かを起こせるような個所は見受けられない。







































困惑するアキレウスに対し、一撃必殺の宝具の名をケイローンが告げようとした時---------------------





























どくんっ

































「!?」



「ッ…!」















何かが戦場に現れた、生前にも感じた事が無い異常な気配。

それはケイローンも同様だったようで「今のは…」と声を漏らす。







「アキレウス、今のは赤の陣営の策略ですか?一体何を考えて…」





「俺とマスターは、んな事しねぇぞ!赤か黒側じゃねぇのか!?」







「いえそのような事は聞いては…俺とマスターじゃない?どういう事です、アキレウス。」



「あっ。」







「俺とマスターじゃない、何故赤の陣営と言わないのですか?ア・キ・レ・ウ・ス、説明なさい。」









うっかり口を漏らしてしまった! 赤か、黒ではないのか?この言い方は完全に疑いを強くさせてしまう事間違いない。 だっ、だって現にケイローンが自分自身に笑顔で迫って来ている。



オワタ。













「待て待て先生!!じっ、実は俺とマスターは訳あって赤の陣営から外れて別行動してる陣営だ!だからこんな事すんのは俺達じゃねぇって言ってるだけです!!」

「赤の陣営から外れ…?」







言ってしまってよかったのだろうか、いや仕方ない。 今説教喰らって死ぬよりはマシだ。 後でマスターに全力で謝ろう、人類最速のスライディング土下座を見せてやろうじゃないか。

いや、だが…



俺達でもない、ましてや先生の反応からして黒の陣営の策略でもない。







残るは-------------





















赤の陣営だけしかない。









「…詳しい事は後で聞きます、ならば今戦場に現れた存在は私達共通の敵という事で良いでしょう。行きますよ、アキレウス。この存在を見過ごすのは危険です。場所は比較的近場ですから。」

「っ、はい!」





現時点での目的は一致した。 一先ず先生との戦闘はお預けだ、とりあえず今はその存在をどうにかするのが最優先だ。

何よりもしマスターと出くわしてしまったら危険この上無い。







「ライダーは庭園へ、ランサーは敵を迎え撃ち、キャスターはゴーレムで支援。バーサーカーも敵を屠りに…恐らく今向かえるのは私だけですね。」

「…先生、もしかしてそっちじゃ苦労人だったりします?」





「否定はしませんよ。しかし、アキレウス…大きくなりましたね。私の元を離れて行った時はあんなに小さかったのに。」



「当たり前だ、先生。あの後…まあ色々あったが俺は立派に成長したんだぜ。」







色々とは

① 女装して数年間身を隠される

② ヘクトールの死体を戦車で引き摺り回し続ける

③ ペンテシレイアの兜を剥ぎ取って怒らせる

④ 神を怒らせて結果俺死んだ



②と③に関してはすげぇ怒られそう。 とてつもないぐらい怒られそうで俺怖い、詳しく語れない。



「深くは聞かないでくれよ先生!後で調べたりもしないで欲しい!」

「…ほう、実に興味深い事があるようですね、カウレス殿に尋ねてみますか。」

「やめて!!」









先ほどまで戦っていた者同士とは思えない会話だが着実に気配は近付いて来ている。







深い森を抜ければ広がる拓けた草原。 無残に散らばるホムンクルス達の残骸の山に立ち尽くす異形の存在が目に映る。







「アイツか…。」









近付くにつれて分かるが、その存在の体躯は あまりにも巨大だ。筋骨隆々の肉体がその全てを物語っている。



一体何者だ、この男は--------------------------



とんでもない威圧感が嫌と言う程伝わる。









「まさか…!」









そして、その姿を見たケイローンが息を呑んだ。 彼のこんな顔を見るのは初めてだ、それほどの存在なのだろうか。 多くの英雄を育て上げ世に送り出した彼が驚く者?あるいは…神霊クラスの存在か?







こうして目前に立った自分たちを真っ直ぐに見つめたまま動じる事はない

汗がたらりと頬を伝う。























『アキレウス!!』



『…マスター!』







どう動くべきかと考えている時、 マスターからの念話が入る。





『マスター、今どこにいる!?』



『大体アキレウスたちから1キロぐらい離れた木の陰!ルーラーと一緒に…』



『ルーラーと合流出来たのか!俺もどうにか先生と休戦出来た所なんだが…』





マスターが近くまで来ており、そしてルーラーが一緒にという事なら手を結べたという事。 先生との「休戦」という言葉にマスターはどういう事?と言っていたが後で話します。





『すぐに先生とコイツを倒してそっちに…』





『待ってアキレウス。』







戦力的には申し訳無い筈だ、大賢者ケイローン、聖女ジャンヌ・ダルク。 最速の英雄アキレウス、そして我が愛しのマスター。 恐らく向かう所敵無しと言っても過言では無い。



その筈なのに、何故かマスターの声は険しいままだ。









『…そこにいるの、アキレウス…誰だか分かってる?』



『マスター?いや、サーヴァントってのは分かるが流石に真名までは…--------もしかして分かるのか?』



その問いに返ってきた返事は「うん」の一言。 マスターがこの存在の名を知っている。 だとしたらこの英霊はエルキドゥだった頃のウルクの誰か?







いや、違う…マスターは…聖杯戦争に参加していたマスターだった











『あの時は、『狂化』されていたから少し見てくれは違うけど…でも魔力が似てるの。』









狂化(・・)されていた-----------------。





マスターはそう言った、彼女が聖杯戦争に参加していたのは別の未来を辿った第五次聖杯戦争のみだ。 狂化されていた、という事は









『今、ルーラーにも見て貰って確定した。…そこにいるのは…』







バーサーカー(狂戦士)のサーヴァントに付与されるスキル名だ。







いや、待ってくれ。-------------------







だとしたらだ、もしそうだったのであれば!!------------------------









この男の名は-----------------------------------------









息が止まる、彼女から聞いたそのバーサーカーの名は





































































『ギリシャ神話の大英雄ヘラクレス。』































第六話『天草四郎』
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