性的指向や性自認に関する侮辱、“SOGI(ソジ)ハラ”。男性として生まれ女性として生活しているトランスジェンダーの女性が“SOGIハラ”を受けたとして勤務先の会社と元上司を提訴しました。専門家は“SOGIハラ”が性的マイノリティだけではなくすべての人が被害者になりうると話します。

■「なんで女装してんねん」トランスジェンダーに向けられた暴言


原告(30代)
「最初は興味本位なのかなって思って我慢していたんですけど。どんどんエスカレートしていって、下着に手を入れたりとか。そういうことがたくさんあって」


男性として生まれ、現在は女性として生活している30代のトランスジェンダーです。

自身の股間に当時の上司が顔を押し当てている画像は4年前、勤務先の宴会での行為を撮影したものです。

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原告(30代)
「宴会の席とかにさらされることが多かったんですけど、見ていた人が誰も止めてくれなかった。セクハラ窓口の方が『俺それ見てたよ』みたいな話をしてきて。平気だと思われてたのかなと思って、すごく悲しかったです」

トランスジェンダーの女性は精神的な苦痛を受けたとして、勤務先のIT関連会社と元上司を相手に合計約550万円の損害賠償を求めて、5月27日、東京地裁に提訴しました。


原告側 仲岡しゅん弁護士
「近年のLGBTという人々の存在がですね明らかになってきまして、これまでそういった人たちへの加害行為というのは結構見過ごされがちだった」

訴状によりますと、元上司から性的な言葉をかけられたり、体を触られたりして“うつ状態”と診断され、一時休職したということです。

宴会の場では・・・

元上司
「なんで女装してんねん、アホかい。お前男やろがい」


一時は謝罪の言葉もあったといいますが・・・

元上司
「男だから平気だと思った。これからはお前を1人の女性として見る」


原告側 仲岡しゅん弁護士
「『なぜ女装してんねん』とかですね、原告さんがトランスジェンダー当事者であることに着目して、それを面白半分でいじろうという加害行為であると考えております」