R@Liang_bfbe「無題」/ふゆとら ALTを押すと、SSが表示されます。画像の説明を読むALT午前7:07 · 2022年5月19日·Twitter for iPhone1 件のリツイート21 件のいいね
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![「無題」/ふゆとら❄️🐯
陽の光が視界の彩度を白く乳白色にさげる。
全てが淡く包まれた、ホテルのロビーにソファを見つけると、一虎くんは嬉しそうに駆け寄り、子供のようにそこへ深く腰掛けた。
「結構いいソファだぜ。めっちゃ沈む！」
楽しそうに体を揺すっては、一虎くんはその座り心地や柔らかさを確かめる。オレはその幼い仕草に笑ってから、光の溢れる窓へと近づいた。靴の音が高い天井に反響して、小さな物音さえ逃さない。凛とした静寂がロビーの四隅に身を潜めているのがわかる。
「良いですね、本当に海が近い」
目の前に広がる穏やかな海辺と、停泊所になっている堤防の内側には、船が何艘か並んで、静かに波に揺れていた。
遠くの地平線が、ほんの微かに湾曲し、地球が本当に丸いのだなと、改めて実感させられた。
「海なんかガキの頃以来だ」
いつのまにかソファに飽きたのか、隣には一虎くんが立っていて、同じように海を眺めていた。
「連れてきてくれて、ありがと！」
にっと白い歯を見せて幼く笑う彼に、オレはたまらず、
「どういたしまして」
と呟き、静寂と波に耳を澄ませながら、彼に短いキスをした。](data:image/svg+xml,<svg xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" width="680" height="680"><rect fill-opacity="0"/></svg>)
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