灰色の獅子【完結】   作:えのき

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貧血さん、数多くの誤字修正に感謝いたします。




魔法省の神秘部、それは死後の世界、宇宙や愛など魔法使いやマグルなどが不思議だと思う分野について研究をする場所である。

 

そこにハリー率いるDAの主要メンバーがヴォルデモートに拷問されているシリウスを助ける為にやってきた。ロンとハーマイオニー、ネビル、そしてジニーにルーナは周囲を警戒しながら進んでいた。

 

シリウスとはハリーの名付け親であり彼にとって大事な人だった。だがハリーはヴォルデモートとの絆が見せる夢でそれを察知して駆けつけたのである。

 

 

 

ハリー達は大量の棚にびっしりと並ぶ青い不思議な球体のある部屋へと辿り着いた。ここがシリウスが拷問されていた場所だ。

 

「ここだ!ここのはずだ!」

 

ハリーは棚に刻まれていた数字を見てそう叫んだ。彼の夢ではっきりとみたはず、なのににはシリウスどころか彼のいた痕跡は一切見つからない。

 

「ハリー、君の名前が・・・。」

 

ハリーと共にきたネビルが棚に飾られている不思議な球体の下に名前が刻まれていることに気がついた。

 

ハリーはネビルの言う球を見ると、自分に何か囁いているのが聞こえた。そして彼はそれを掴み、手に取る。

 

 

【闇の帝王を破る者が現れる、両者は互角なれど他方が生きる限り他方は生きられぬ】

 

 

その球はハリーにそう語りかけた。これが何なのか彼には分からなかった。

 

 

するとふと自分達以外の気配を感じ取った。そしてその方向に視線と杖を向けると黒いローブに銀色の仮面を被った者がこちらに歩いてきてる。“死喰い人”だ。

 

 

「シリウスはどこだ!?」

 

ハリーはそう叫んだ。するとその魔法使いは杖を振るって銀色の仮面を外した。

 

「まだ区別付かんか、夢と現実との。」

 

鋭い顎に銀色の長い髪、冷たく人を嘲笑うような声色だ。ハリーはそれが誰かを知っている。自分の友人と宿敵の父親だ。

 

ルシウス・マルフォイである。

 

「闇の帝王が見せた夢だ、予言を渡せ。」

 

彼はその球を予言と呼び、自分に寄越すよう伝えた。だがハリー達は固まってルシウスに杖を向けている。

 

「近づいたら壊す。」

 

すると遠くから残忍な笑い声が響く。

 

「言うじゃない、ベイビー・ポッター。」

 

白い肌にボサボサの黒髪の魔女だ。その残忍な茶色の瞳でギョロりとハリーを蔑むように見ている。そして彼女は彼を煽る。

 

 

「ベラトリックス・レストレンジ。」

 

するとハリーの後ろにいたネビルが彼女の顔を見て前へ進みでた。

 

 

「あらネビルかい?ご両親は元気かい?」

 

残忍な表情を浮かべてにやにやと笑っている。その態度にネビルは怒りを秘めた瞳で彼女を睨みつけた。

 

「敵を取る。」

 

ネビルは自分の両親をベラトリックスらに拷問をされた過去がある。後遺症が残り未だに正気を保てず、彼を息子として認識できない

 

「まぁ待て、落ち着け。我々は予言さえ手に入れればいい。」

 

一時触発な状況を重くみたルシウスは口を挟んだ。

 

「予言を手にできるのは関わるもののみ。」

 

ルシウスはハリーにそう告げるとゆっくりハリーの前へ近づく。すると自分達を取り囲むように死喰い人達がいるのに気がついた。

 

「不思議ではないか?なぜお前と帝王の仇に絆があり、お前を殺せなかったのか?額の傷の謎は?」

 

「私に渡せば全てを教えてやろう。」

 

彼はその謎をハリーに話す代わりに予言を渡すよう詰め寄った。

 

「14年待った・・・。」

 

ハリーはそう言うと少しの間、沈黙が続く。

 

「だからまだ待てる!」

 

そう言うと一斉に自分達を取り囲んだ死喰い人達に失神呪文を放った。不意打ちであったとはいえ全員を仕留めることはできない。彼らは身体を黒い煙に変えて飛び、回避した。

 

 

そして神秘部の奥へ奥へと逃げていく。暗闇から襲いかかる死喰い人達を各々が交戦しながら逃れていく。

 

 

その中で謎のアーチのある部屋へとたどり着いた。それに見とれていると空から黒い煙が彼らを包み込んだ。

 

そして、それが晴れるとハリー以外の全員が捕まり、杖を突きつけられている。

 

 

「そこまで愚かだったとは、子供だけで我々には勝てると?」

 

ルシウスはハリーをジッと見つめた。そして彼は手のひらを差し出した。

 

「ほかに道はあるのか?予言を渡すのだ。さもなくば友は死ぬ。」

 

ハリーは少し迷い、そして予言をルシウスに渡してしまった。彼はそれを愛おしそうにジッと眺めていると、背後で白い光が瞬いた。

 

ルシウスは後ろを振り向くと、ハリー達が探していたシリウスだ。

 

「私の息子に手を出すな。」

 

彼はそう言い放つと思い切りルシウスを殴りつけた。反射的に予言を手放してしまい、地面に叩きつけられると割れて粉々になった。

 

 

それから次々と白い光が次々と人質をとっていた死喰い人達に襲いかかる。彼らは人質を手放して攻撃を回避する。

 

するとその光の中から騎士団のメンバーが次々と現れる。そして彼らは死喰い人達へ向けて攻撃を開始した。

 

 

 

 

***

 

 

 

同時刻

 

 

 

 

「騒がしいな。」

 

一年振りにイギリスへ若き天才が舞い戻った。彼の名はウィリアム・マルフォイ、闇の魔術の深淵を覗こうとした罪で追われている

 

 

一般的に魔法省の神秘部へ訪れるには暖炉の中で“フルーパウダー”を使うのが一般的だ。しかしそれは魔法省に監視されているため彼はドラゴンと姿現しを経由してやってきた。

 

 

そして彼はそのまま騒がしい方へ歩いて行った。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

闘いが騎士団優位で収束していく中で1人の魔女がシリウスへ向けて禁断の呪文を使用する

 

アバダ・ケタブラ(息絶えよ)!」

 

その緑色の閃光はシリウスの心臓に命中した。そして一瞬で彼は息絶える。そして彼の遺体は謎のアーチの中へ消えた。

 

そばにいたハリーは叫んだ。そしてそれを見たベラトリックスは残忍に笑った。

 

「シリウスを殺してやった!」

 

ベラトリックスはハリーを煽るようにスキップをしながら、わざとらしく大袈裟に歌う。時折残忍に笑いながらその場から離れる。

 

彼女を追いかけて敵を取ろうとするハリーを騎士団のメンバーのルーピンが押さえつけた。しかし彼はそれをものともせず、激情に任せベラトリックスを追いかける。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「シリウスを殺してやった!」

 

 

遠くから残忍そうな女性の声が響いてくる。段々と大きくなるのでこちらにやってきているのだと理解した。

 

ウィルはその女性を目で捉えると杖を素早く向けた。だがなぜか知らないが杖を握る手の力が抜けてしまう。

 

その残忍な顔に目を奪われる。どこか懐かしく思えた。新聞で見たのかもしれない、だがそれとは違う。記憶に残っているわけじゃない。心の奥底で何かを感じたのだ。ほとんど直感に近い。

 

目の前の魔女はウィルに気がつく。邪魔な物体が立っている、というような視線だ。向こうは特に自分に対して何も感じないようだ。

 

「“クルーシオ(苦しめ)”ッ!」

 

突如、聞き覚えのある声が通路に響き渡る。赤い閃光が魔女に命中すると、彼女は倒れた。

 

「待て、ハリー。」

 

ウィルは自分の中のモヤを晴らしたかった。自分はこの魔女を知っている、ただ知っているだけではない。何か深い関係があるはずだと確信していた。

 

「どいてくれウィル!そいつはシリウスを殺したんだ!」

 

「黙れッッッ!!!!!」

 

ハリーは感情的に叫んだ。だがそれ以上にウィルは大声をあげてみせた。こんなに感情的な彼は見たことがない。あの理性的でクールな天才とは思えなかった。

 

「待てと言っているッ!」

 

ウィルはとても暗い表情を浮かべている。そしてハリーは気がついた。2人はよく似ている。黒髪に白い肌、茶色の瞳。雰囲気だけではない、魔力の質も似ている気がする。台風のように荒れた魔力だ。

 

アバダ・ケタブラ(息絶えよ)

 

ベラトリックスはウィルへ向けて死の呪文を放った。自分の進む道に転がっている邪魔な石ころを蹴り飛ばすような感覚だ。

 

ウィルはその閃光をいとも簡単に軌道を変えてみせる。ベラトリックスはそれを見て愉快そうに笑うと次から次へと死の呪文を連発してみせる。そしてそれらも軌道を変え続けた

 

 

ウィルは迫り来る数多くの緑の閃光を退けながら、この攻防が不毛だと考えた。それよりもっと早く制圧してこの感情の答えを知りたいと思った。

 

彼はローブから黒い(・・)杖を抜いて武装解除の呪文を放った。不意をつかれたベラトリックスは彼の攻撃を防ぐ呪文を使う余裕などなかった。

 

だが吹き飛ばされたのはウィルの方だった。彼は思い切り尻餅をついて倒れた。なぜか“武装解除の呪文”が逆噴射(・・・)したのである。

 

彼の黒い杖は宙をクルクルと舞い、ベラトリックスの手のひらに収まった。

 

 

(杖が言うことを聞かなかった。)

 

 

ベラトリックスはその杖を思い切り掴み、わなわなと震えている。

 

「コソ泥め。これは私の杖だ。お前、どこでこの杖を手に入れた!」

 

ウィルはようやく腑に落ちた。

 

「そうか、そういうことか。」

 

 

 

***

 

 

5年前

 

 

 

〜オリバンダーの店〜

 

 

 

 

「まずこの杖を見ていただけませんか?」

 

オリバンダーは黒い杖を天井に掲げてジックリと杖を見定める。口は少し開いており集中しているようだ。

 

「あぁドラゴンの心臓の琴線、ヤマナラシの木じゃな。29センチ、傲慢で頑固」

 

その杖の特徴を言い当てる。それもそうだ。これは一度見せたことがある。自分の認めた賢者だ。仮に見せてなかったとしても容易く見抜いただろう。

 

「この杖は貴方様の杖ではない。そうでしょう?」

「ええ、母の昔の杖です。家での自習用として使ってました」

 

 

***

 

 

 

 

ハリーはウィルと初めて出会った日のことを思い出した。頭が冴えてくる。確かに母親の杖だと言っていた。彼は一度たりとも自分とドラコが双子であるとは言ったことがない。彼はマルフォイ家の養子なのだと気がついた。

 

ウィルもまた、かつての記憶を辿る。会うのはとっくに諦めたはずだった。でもこんな形で出会えるとは思っても見なかった。

 

「ウィリアム・マルフォイ。それが()の僕の名前だ。」

 

彼はそういうとベラトリックスの瞳をジッと見つめた。同じ茶色(・・・・)の瞳が交わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶりです、母上(・・)。」

 

 




ちなみにこれはダームストラングへ向かう際にあとがきで書いた、他の作者さんでは見たことがないであろう流れではありません。

ウィルの本当の母親がベラトリックス

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