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一周距離 |
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幅員 |
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高低差 |
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発走距離 | 芝:3,170m、3,180m、3,930m ダート:2,910m、3,170m、3,760m |
1号障害 | いけ垣 片面飛越 |
高さ1.4m 幅1.8m (いけ垣1.3m) |
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2号障害 | 水ごう | 高さ1.2m 幅3.7m (いけ垣0.7m 水ごう2.7m) |
3、6号障害 | いけ垣 片面飛越 |
高さ1.4m 幅2.4m (いけ垣1.5m) |
4号障害 | いけ垣 片面飛越 |
高さ1.4m 幅1.7m (いけ垣1.2m) |
5号障害 | 竹柵 片面飛越 |
高さ1.2m 幅1.85m (竹柵1.2m) |
7号障害 | いけ垣 片面飛越 |
高さ1.4m 幅2.4m (いけ垣1.4m) |
8号障害 | いけ垣 片面飛越 |
高さ1.5m 幅2.9m (いけ垣1.6m) |
9号障害 | バンケット | 高低差0.8m 長さ15.9m |
10号障害 | ハードル (可動式障害) |
高さ1.2m 幅1.8m (竹柵0.5m) |
京都競馬場の芝コースは、阪神や中山と同様、内回りと外回りから成る。この2つのコースは3コーナーで分岐し、4コーナーで合流するレイアウト。一方で2コーナーの奥にはバックストレッチに連なる長い引き込み線が設けられており、外回りの芝1600メートルと芝1800メートル、内回りの芝1600メートルは、向正面左手の奥深い地点からスタートを切ることになる。
そんな京都競馬場の“名物”といえるのが3コーナーの坂だ。外回りコースの場合、コースの高低差は4.3メートル(内回りコースは3.1メートル)にも及び、向正面の半ばから3コーナーにかけて上り、4コーナーにかけて一気に下るレイアウト。勾配がつけられているのは3コーナー付近だけ、それ以外はほぼ平坦という起伏の構成も非常にユニークで、要は「3コーナーに小高い丘が設けられている競馬場」とイメージすれば分かりやすいだろう。
かつては「ゆっくり上り、ゆっくり下るのが鉄則」とされたこの坂だが、近年は坂の下りで惰性をつけて平坦な直線に向く戦法がすっかり浸透。坂の頂上付近にあたる残り800メートル地点からペースが上がるレースが多い。ただし3000メートル級の長距離戦では、自然に勢いがついてしまう1周目の坂の下り→スタンドからの大歓声を浴びるホームストレッチと続く場面で、折り合いを乱さずスタミナを温存できるかが重要なポイントとなる。
さて、1周距離(外回り1894.3メートル、内回り1782.8メートル。芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)、直線の長さ(外回り403.7メートル、内回り328.4メートル)とも、外回りよりコンパクトな造りの内回りでは、やはり逃げ、先行タイプが優勢。3、4コーナーのカーブもタイトなため、小回りを苦にせず器用に立ち回れるタイプが有利となる。
さらに「芝コースの幅員が広い(最大38メートル)」ことも見逃せない特徴のひとつ。4つのコース(A、B、C、D)を設定できるのは東京と京都だけ(他場はA、B、もしくはA、B、C)。内回りと外回りで負担が分散化される背景もあり、馬場の傷みは進行しにくい。
一方のダートコースは1周距離が1607.6メートルと、東京競馬場に次ぐ大きさを誇る。とはいえ、直線の長さは329.1メートル。阪神(352.7メートル)や新潟(353.9メートル)より短いことは覚えておきたい。3コーナーの“丘”はダートコースにも設けられており、4コーナーにかけて坂を下り、平坦な直線に向くレイアウト。ユニークな起伏構成のため、ダートのレースでは他場より上がりの時計が速い決着が目立つことも覚えておきたい。
コースは右回りで、ダートは1400メートル戦が芝スタート。また、障害コースは3コーナーで2つのコースに分岐、このうち、京都ハイジャンプ、京都ジャンプSで使用される大障害コースには、高低差0.8メートル、長さ15.9メートルの“台”を上り下りするバンケット障害が馬たちを待ち受ける。
さて、2025年に開設100周年を迎える京都競馬場では、その記念事業の一環としてしばらく開催を休止(休催期間は2020年11月から2023年3月)し、大規模な改修工事が実施されることが決まった。ただしコースの線形に変更はなく、名物の坂も残される予定となっている。
文:石田敏徳(2019年9月時点)