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天海祐希、なでしこ…竜星涼を一番星にした「5人の女」

「週刊文春」編集部

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「俺様がかの有名な沖縄の一番星。やんばるの比嘉賢秀ヤサ!」

 今、朝のお茶の間のイライラを一身に集めているのが、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の“ニーニー”こと比嘉賢秀を演じる竜星涼(りゅうせいりょう)(29)だ。

竜星

 父が他界し、4きょうだいの長男として一家を支えるはずが、喧嘩とボクシングに明け暮れ高校を中退。妹の金を競馬につぎ込んだり、詐欺まがいの商売に手を出したり……。“朝ドラ史上最低のクズ兄貴”ぶりに、直後に始まる「あさイチ」の博多華丸も「あんな反省しないでいいんですね」と呆れつつ釘付けだ。

 竜星は、カメラが回ってない時もニーニーそのままのお調子者なのだという。

「最初の沖縄ロケの時、天気が悪かったのですが、竜星さんが『俺がいるから晴れる!』と豪語し、見事に晴れた」(ドラマ関係者)

 しっかりものの長女、良子役の川口春奈(27)とは、同じ事務所で演技のレッスンを一緒に受けた間柄。

“妹”川口春奈

「川口は共演経験もあり、気心が知れている。竜星さんがふざけていると『いいかげんにしなさい!』と、一喝する叱り役」(同前)

 だがその竜星を母親役の仲間由紀恵(42)は慈愛に満ちた目で見守っている。

仲間

「竜星さんが沖縄弁でふざけたり、ずーっと仲間さんに話しかけたりしていてもニコニコ。竜星さんが現場でニーニーのごとく振る舞えるのは仲間さんの存在が大きい」(同前)

 山形県で生まれ、東京で育った竜星は、小学生の時からスポーツ万能だった。在籍していたサッカークラブのコーチが振り返る。

「彼は小学校5年生の時に入団。ハンサムで折り目正しい少年で、サブチームではありましたが、大きな身体を生かして活躍していた。ニーニーとはぜんぜん違う、温厚で大人しめな印象だったので、今、俳優として頑張っているんだなあ、と感心しています」

 一時はサッカー選手になることを夢見たが挫折。同じチームに“天才”がいたからだ。「当時から男の子をどんどん抜いていた」(同前)というその人物こそ、なでしこジャパンの岩渕真奈選手(29)。その才能を目の当たりにし、新たな道を模索し始めたという。

岩渕

 進路に悩む竜星の背中を押したのは母親だった。

「高校2年生の頃、ファッション関係の仕事をしていたお母さんから矢沢永吉の自伝『成りあがり』を渡されたそうです。それを読んだ竜星は『自分もスターになりたい』と感化された。その2日後、今の事務所にスカウトされたのです」(事務所関係者)

 事務所のプッシュもあって、デビューしてすぐに主演舞台やドラマのレギュラーが決まる。2013年、若手俳優の登竜門である戦隊モノ「獣電戦隊キョウリュウジャー」(テレビ朝日)の主役に抜擢。

 だが、21歳にしてスキャンダルデビューを果たしてしまう。放送終了4カ月後の14年6月、共演したキョウリュウピンク役の今野鮎莉(25・引退)との手つなぎデートを「女性セブン」にキャッチされたのだ。

「売り出し中だったゆえ事務所は『プロ意識が足りない』と叱責。竜星はそれまで以上に仕事に精進し、単身パリへ渡り、オーディションを経てパリコレに出たのです」(同前)

 役者としての転機は18年、天海祐希(54)の主演舞台「修羅天魔」だった。

天海

「実は竜星のキャスティングは天海さんの提案。13年の『女信長』(フジ)で共演した際、陰で努力する姿を見て、彼を買っていたのです。天海さんは『あなたが困った時には絶対助けるから』とまで言い、竜星は今も『芸能界の母』と慕っている」(舞台関係者)

 キー局のプロデューサーは言う。

「これまでも話題作に出ていたが、同世代に浅香航大や間宮祥太朗など似た雰囲気のイケメン俳優がいて、芽が出るのが遅かった。朝ドラで“跳ねた”ことで、今後、活躍の場は増える」

 “流星”では終わらないヤサ!

ヒロイン黒島結菜(NHKより)

source : 週刊文春 2022年6月16日号

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