魔法少年達の末路
ショタを絶望のどん底に突き落とすの、気持ちエエ~~~~~
色々雑だったりしますが書きたかったのを書きなぐった感じなので許してください。
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魔法少年グループ『カラフルマジック』。悪の組織から平和を守る、小学生男子だけで構成された正義のヒーロー達だ。だが、そんな彼らは悪の組織の罠にまんまとハマり、捕まってしまったのだ。
「くそっ!出しやがれ!」
「こんなことしてただで済むと思ってるのか!」
真っ白な大きな部屋に響く怒声。その部屋に横一列に並ぶ3つの、幅、高さ、奥行きが1.5mの立方体のガラスケース。その中にはそれぞれ1人ずつ少年が入れられている。『カラフルマジック』は皆変身して悪の組織と戦うが、変身アイテムであるベルトを奪われてしまい、変身が出来ず、今はただの普段着の少年の状態だ。
『カラフルマジック』はその名の通り全員に色がある。レッド、ブルー、イエローの3色だ。変身すると、その色の服装の魔法少年になる。
少年達の名前は、レッドが結翔、ブルーが海、イエローが智である。彼らは皆同じクラスの仲良しグループなのだ。
彼らがガラスケースから出られずに足掻いていると、部屋のドアが開き、3人の女性が現れた。皆、扇情的な露出度の高い黒いワンピースをを着ている。組織の女幹部といったところだろうか。『カラフルマジック』達は幹部の姿を知らない。彼らが今まで戦ってきた敵達は皆、幹部よりも弱かったのだろう。そして、その幹部達は少年達の変身アイテムであるベルトを1つずつ持っている。
「そのベルトを返せ!」
「ウフフ、無様ね。あなた達はこのベルトが無いとなんにも出来ないか弱い男の子なんですもの。そこで、あなた達に1つ要求があるの」
「要求?」
「これからあなた達と私達で勝負しなさい。折角捕まえたチャンスをみすみす逃す訳にはいきませんもの。勿論このベルトをお返しした上でね」
「えっ!?」
全員が驚きの反応を示した。それもそのはず。ベルトを奪ったまま自分達を倒せばいいのに、わざわざ自分達にベルトを返すというのだから。
「そのベルトに細工はしてないだろうな!?」
海が疑惑を口に出す。
「何もしてないわよ。とりあえず、これから地下の特設ステージに連れていくわ。勝負はそこで行うわよ」
すると、ガラスケースのある床にぽっかりと穴が開き、ガラスケースは地下深くに落ちていった。
ドスンという轟音と共にガラスケースは着地した。少年達の視界にはプロレスのリングがある。
「あれが奴らの言う特設ステージか。見たところは普通のプロレスリングだな」
「悪の組織とは言え、俺達と同じ人間だ。特設ステージがプロレスリングでも何らおかしくはないだろう」
そんな会話をしていると、ガラスケースの面が展開されていき、彼らが自由になった。それと同時に、既にここに来ていた幹部達からベルトが投げ渡される。
「ルールは簡単。どちらかが降参するまで、どちらかが死ぬまでの一対一の勝負よ。そしてあなた達にはハンデをあげるわ」
「ハンデだと?」
「あなた達の内、1人でも私達に勝てたら私達は素直に降伏してあげる」
(どういうことだ?余りにも自信がありすぎる...)
だが、考えてもその答えにはたどり着けそうにないため、少年達は勝負に専念することにした。
1人の幹部がリングに乗る。少年達からはイエローの智が行った。
「やっちまえー!智!」
仲間達からの声援を背に、智は敵と対面する。
「君がわたしの敵ね。よろしく♪」
「悪の組織であるお前にあいさつなど不要!一気にカタをつけてやる!」
「用意...始め!」
1人の幹部の合図で戦闘が始まった。智がベルトを腰にはめ変身する。光に包まれた後、智は黄色のパーカーに短パンを身につけた『カラフルマジックイエロー』に変身した。
「うおおお!」
魔法の力で強化された足で素早く間合いを詰め、得意の膝蹴りが幹部を襲った!
......ようにイエローには見えたのだろう。仲間達の声で、その事実にようやく気づく。
「智!後ろだ!」
振り向いた時にはもう遅かった。そこには目の前にいたはずの幹部が立っていた。
「しまっ...」
声に出す間もなく、イエローは敵の術中にはまってしまった。
ファサ...
「うあっ!な、何をした...!」
むずむずとする初めての感覚に襲われ、イエローは思わずその場に膝をついてしまう。
「フフフ、自分の髪を触ってみれば分かるんじゃない?」
「髪だと...なっ、なんだこれは!?」
イエローの触った髪は自分の知っている黒い短髪ではなかった。外はねして荒れていた髪は何故か腰にまで届く長さの黄色いストレートロングヘアになっていたのだ。
咄嗟にイエローは敵の手を見る。そこには、禍々しくどす黒いオーラを放つ櫛が握られていた。
「まさかっ、それか!?」
「ご名答♪この櫛が貴方の正義の魔法パワー、それに加えて男の子という概念そのものを破壊してしまうの。でもこれだけじゃないわよ?」
幹部が手を天に翳すと、幹部の周りに沢山の武器が現れる。
「ヘアゴムに、カチューシャに、シュシュ...他にもい~っぱいあるわよ?フフフ、どれがいい?」
「くっ...くそおおっ!」
イエローは自分をバカにされたショックと自分の情けなさのせいで冷静な判断が出来なかった。無我夢中で幹部に突っ込んでいく。サラサラのロングヘアが風を舞う。
イエローはヤケクソに足を振り上げるが、既に眼前に敵はいなく、背後に立ってイエローの髪を弄んでいた。
「ヘアアイロンでくるくるにしてあげる♪ウフフ、可愛い縦ロールの完成ね♡」
「ううっ...や、やめなさいよ!...えっ...どういうこと?な、なんで、やだ...わたし、喋り方変になっちゃってる...!」
困惑するイエローに幹部が得意げに説明する。
「さっき言ったでしょう?わたしのヘアアイテムはあなたの正義の魔法パワーと男の子そのものを破壊するの。あなたが女の子になるのも時間の問題よ?」
「や、やだっ...そんなのやだぁぁっ!」
叫びと同時にイエローの足が幹部を蹴りあげようとするが、案の定空振り。それに加えて、イエローが体勢を崩して前に倒れてしまう。
「きゃあっ!......いった~い...んぐっ!?」
転んだ矢先に上からイエローの身体が幹部に押さえつけられてしまった。幹部は様々なヘアアイテムを取り出す。
「さて、これであなたはもう動けない。わたしのおもちゃになってもらうわ♪それじゃあまずは...こうしてあげる」
幹部は散髪ばさみを取り出す。そして、その鋭い刃でイエローの前髪を一直線に切り揃えてしまった。イエローの眼前には切られた黄色い自分の前髪が落とされる。
「ウフフ、このヘアアイテムでどこが女の子になったかな?」
幹部はイエローの身体を舐め回すように見つめる。そして、イエローの胸、股間の違和感に気づいた。
「あらら、身体から女の子になっちゃったんだ、可哀想に...でもこれからその身体に見合う姿にしてあげるわ」
「や、やだよっ...助けてよおっ...」
イエローは泣きながら懇願するが、救いの手は差しのべられない。イエローが仲間達に視線を向けるが、仲間達はとっさに目を反らしてしまった。
「それじゃあ次はこれね」
そういって取り出したのは2つのオレンジ色のリボンだった。幹部はイエローの髪を一部分だけ手に取ると、それを右耳の上辺りでリボンで留める。左耳の上の方でも同様のことが行われる。こうしてイエローの髪型はツーサイドアップにされてしまった。まるで動物の垂れ耳のように仕上げられたその髪はとても男らしいとは言えなかった。
「縦ロールのツーサイドアップ♪我ながら良い出来じゃない?」
そして、その影響でまたもイエローに変化が起こる。履いていたスニーカーはグググっと形を変えて黄色いハイヒールになり、白い靴下はぐんぐんと伸びて白いタイツになってイエローの下半身を包み込む。
「ひゃっ!...足がむずむずするよぉ~...」
まだ変化は終わらない。影響はパーカーと短パンにまで及ぶ。まずパーカーと短パンが徐々に融合していく。パーカーの袖がシュルシュルと肩の方に上っていくと、丸くふんわりとしたパフスリーブになりイエローの肩を包む。それに続いてパーカーの襟元がグググっと開き、丸い2つの双丘の谷間が見え隠れするほどになる。そして、パーカーのフードが後ろから襟元に移動してくると白色に変わり、形をぐにゃぐにゃと変えて大きなリボンになった。短パンは、2つの筒がくっついて1つの筒になって足元まで伸びると、まるで花が開くように大きく広がる。すると、その服はきらびやかなサテンの生地へと変化。そして全体にフリルがふんだんにあしらわれる。こうしてイエローの服が黄色のプリンセスドレスへと変化した。
「さあ、これで最後よ。あなたの男の子としての人生のね♪」
幹部は手の上にティアラを出現させた。中心には黄金に輝く宝石がはめ込まれた、キラキラと輝くティアラがイエローの頭へと近づいていく。
「やっ、やだっ!近づけないでっ!」
だが、押さえつけられているイエローにはなす術なし。ただティアラとの距離が近づいていくのみ。
「助けてぇっ!わたし、女の子になりたくないっ!!」
必死の叫びは誰にも届かず。ティアラはイエローのパッつんの前髪に飾られた。すると、イエローの身体がキラキラとまぶしく輝き出す。
「うっ!な、なんだ!?」
恐怖と衝撃の前に声も出せなくなっていた『カラフルマジック』のメンバー達も、その光を遮断するため腕で視界を覆う。やがてその光は消え、リングの上の2人の人物の姿がはっきりと見えるようになる。
1人はさっきと同じように今にも恥部をさらけ出しそうになっているワンピースを着た、幹部だ。そして、もう1人もその場に立っていた。
パニエで大きく広がった黄色いプリンセスドレスはサテン製で、光の反射でキラキラとしている。黄色い髪は腰まで届く程の縦ロールで、アクセントにツーサイドアップになっている。ぱっつんの前髪に飾られたティアラも相まって、まるで童話に出てくるお姫様のようだった。
「そ、その女は誰だ!どこから連れてきた!」
冷静さを欠いた結翔が苦し紛れに問う。横にいた海の額にも汗が流れる。そして、その2人を見た幹部が口を開いた。
「この子が誰かって?それなら本人に聞いてみたら?ね、サナちゃん?」
サナと呼ばれた少女が一度2人を見る。すると、一瞬顔を青ざめて幹部の背中に隠れてしまった。
「なっ...!」
「あら、あなた達相当サナちゃんに嫌われてるのね。サナちゃん、そんなにあの人達が怖いの?」
すると、サナは恐る恐る口を開き、か細い声で呟いた。
「あのお兄さん達、目つきが怖いよぉ...ママぁ、あの人達誰...?」
「うっ...嘘だろっ、おいっ...」
2人もサナの言葉が聞こえていた。サナは2人を知らないと言ったのだ。ずっと仲良くやってきた彼のはずの存在は、3人だけの思い出を忘れてしまっていた。
「だって♪聞こえた?サナちゃんはあなた達のこと知らないって。サナちゃんはここは危ないから、上の自分の部屋に戻っておいてね」
「うん...早く戻ってきてね...」
そう言ってサナは、「うんしょ、うんしょ」と言いながらリングから降りると少し小走りで扉から出ていった。