山口発地域ドラマ「朗読屋」で私の好きな防府の喫茶店が登場!

純喫茶~門

旅先の喫茶店での温かな出会い。そして私の食べログのクチコミがキッカケで、ドラマのワンシーンにその喫茶店が使われました。

雨の日はカレー。そんなセリフとともに主人公がカレーを食べる喫茶店。それが山口県の防府市にある、とっても素敵な純喫茶なんです。

折角の機会なので、私が訪れたときの話も交えてドラマと喫茶店について紹介してみます。

この出来事を通じて「地元の方との交流の奥深さ」と「旅のクチコミが微力ながら世の中に与える良い影響力」について、少しでも皆さんにお伝えできればと思います。

山口県を舞台にした地域ドラマ「朗読屋」



2017年1月18日22:00~23:00にNHKのBSプレミアムで放送された短編のドラマ。

山口県出身の詩人として有名な「中原中也」の詩をモチーフにした内容です。

詳細は公式サイトにて。

吉岡秀隆さん主演ってのがいいですね。
(北の国からの純くん、Dr.コトー診療所のコトー先生で有名な俳優さん)

で、このドラマのワンシーンで「主人公が女性と一緒にカレーを食べる」場面が登場します。
雨の日はカレー。時間的には1分程度の何気ないシーンです。

撮影後のカット、いわゆる没(ボツ)が多かったドラマだそうで「あのシーンもこのシーンもカットなのか」と吉岡秀隆さんが予告で語っていましたが、カレーのシーンは予告編でも使われておりドラマでもしっかり採用されていました。

そのシーンで使われている喫茶店が、実は、私が行ったことがあってお気に入りのお店なんです。

山口県防府市の防府駅近くにある純喫茶「門」



私がそのお店に初めて行ったのは、2012年3月。

山口県旅行で梅の綺麗な防府天満宮を見終わった後に、ふと入った喫茶店です。

なにか特徴があって知名度が高いお店というわけではなく、地元の方が利用するような昔ながらの喫茶店。

当時はインターネット上でも一切情報が載っていなくて、私も何気なくフラッと歩いていた裏路地でたまたま見つけたお店です。



ダークブラウンのアンティークが美しい店内。

ちょっと甘い飲み物が欲しくて、抹茶フロート530円をオーダー。
頼んでみたら、おそらく1万円はするであろう萩焼の器で出してくれて、なかなか美味しかった記憶があります。

驚くことに、このお店の開業がなんと1960年。ゆうに50年以上も営業している喫茶店で、それでいて綺麗な内装にノスタルジーを感じる雰囲気。

開業当初は若い娘さんだった店主も、今は初老のおばあちゃん。
とはいえ、まだまだ元気な方です。

かつて防府の参拝道や街中に活気がある頃を知っている店主。

「防府が空襲を免れて昔の町並みが残っていること」など、防府や山口県の観光地について少しと話をしつつ、抹茶フロートやホットコーヒーを楽しむ緩やかな時間。

そして、どういう話の流れだか、戦争についての話になったんです。

戦争の時代をくぐり抜けてきた方の体験談を聞くってなかなか無い経験。当時を知る人でも戦争のことなどあまり語りたくない記憶として心に封じている年配の方も多いのだと思いますが、そういった話ができるのって本当に貴重なことなんだろうなって思います。

2度目の来訪とクチコミ、そしてロケ撮影の話



私も旅行で立ち寄った飲食店について、食べログでクチコミを書いています。

旅行先で出会った素敵な飲食店について、自然と楽しい思い出をつづる……。世の中の大勢の方に楽しさを共有できますし、後から自身で読んで思い出にも浸れます。

そうして何気なく書いた文章が、意外にも色々な方に読まれるみたいですね。

普通は1度行ったお店って再来訪しないのですが、何故かこの店は「もう一度行きたいなー」なんて思っていました。

で、再び山口県に旅行することになった2016年12月、暮れで観光地も休館になる29日にこの喫茶店に立ち寄ったんです。

前に1度来たことがある旨を伝えると、覚えていたようで、しかも「インターネットで情報を載せてくれた方ですよね」って。

店主も自発的に見ているのかと思いきや「常連客が見つけて教えてくれた」そうで、常連客がパソコンで印刷した紙を店主がお持ちでした。

で、その後にドラマ「朗読屋」のロケ撮影がこの喫茶店で行われたという話を聞きました。
カレーを食べるシーン、とのこと。

撮影の光景についての話なども聞かせてもらえました。

例えば、
・事前に店内の飾りの権利関係の調査があること
・店内のコンセントの位置など撮影の下調べがあること
・撮影で使われるカレーは出来立てを映すために撮影スタッフが寸銅のカレーを用意して何度も盛り付け直していたこと
などなど。

そして、店主いわく「うちのお店は雑誌や本などに載ることもないし、数ある喫茶店の中でマスコミがうちのお店を選ぶ理由が思い浮かばない。ましてや朗読屋は長門や須佐での撮影が大半なので防府を選んだ理由もわからず、インターネット上のブログなどの情報から探し当てたのかな」と。

推測ではあるのですが、テレビ局の撮影班の方も「昔ながらの本物」を撮りたかったのかな、と思います。

そのため、私が書いたクチコミの中で「1960年開業、ダークブラウン調のアンティーク、萩焼の器の抹茶フロート」などの情報が特別に感じられてこのお店が選定されたのだと思います。(勘違いだったらスミマセン)

ここ最近は個人がネットで発信するクチコミをテレビ局の方が頼りにするケースは増えてきているようです。

意外なことがキッカケとなる、温かい出会いの連鎖



温かい店主の素敵なお店が人を惹きつけ、何気に立ち寄った私が楽しんでクチコミに記し、それをもとにテレビ局の方が撮影場所に選び、私の好きな俳優である吉岡秀隆さんがこの空間を味わった……。

なんて考えると、ちょっと感慨深いですね。

私も全国各地に旅行して色々な経験をしてきましたが、こうして思い出に強く残る出来事って「有名観光地ではなく地元の方だけで成り立つマイナーな場所」で出会うことが殆どだと感じます。

ふと何気ない喫茶店に立ち寄って地元の方との交流を楽しむ、そういう旅って良いものです。

こういう出来事って滅多にないことなので、今回、こうやって文章にしてみました。とりとめもない話ですが、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

(初回投稿日:2017年1月17日 更新日:2017年12月10日)