3年間の1分1秒愛おしく、イチカシ部長で完全燃焼(奏でるコトバ、響くココロ)
柏市立柏高校(上)
おれがやらなきゃ誰がやる!!
4年前の12月、中学2年生だった「マッツン」こと村松弘彬(ひろあき)は市立柏高校吹奏楽部が年末に行うチャリティーコンサートに行った。数日間にわたって行われ、約1万人が訪れる演奏会だ。
「すげえ! こんな大人数なのに、なんでぴったり合うんだ!?」
全国にその名を知られる「イチカシ」の演奏に度肝を抜かれ、一発でイチカシの音楽に魅了された。自分もチャリティーコンサートでトランペットを吹いてみたい――。そんな夢を抱いてマッツンは進路をイチカシに決めたのだった。
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200人を優に超える部員がいるイチカシでは、全日本吹奏楽コンクールに出場する「赤組」、全日本マーチングコンテストに出場する「白組」、全日本高等学校吹奏楽大会in横浜などを目指す「青組」に分かれて活動している。
イチカシに入部したマッツンは、白組に配属された。トランペットを吹くつもりでいたのだが、先輩からシンバル隊に誘われた。
「イチカシ名物」と言ってよいシンバル隊は8人ほどで構成され、シンバルを打ち鳴らすだけでなく、回したり、ひらひらと翻したり、といった演技をする。マーチングの花形だ。
マッツンは悩んだ末、シンバル隊の一員となることに決めた。
シンバル隊の練習は厳しかっ…