最終合格率3%程度の超難関試験と呼ばれる予備試験ですが、合格者の多くは大学生です。
では、どの大学が多くの合格者を輩出しているのでしょうか。
本コラムでは、予備試験の大学別合格者数・合格率を具体的に考察していきます。
大学ごとの予備試験の合格者数・合格率一覧
令和3年度予備試験における、出身大学別の合格者数と合格率を表にまとめましたので、ご覧ください。(大学卒業・中退含む)
大学名 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
東京大学 | 12.9% | 765人 | 99人 |
慶應義塾大学 | 6.4% | 782人 | 50人 |
早稲田大学 | 4.0% | 732人 | 29人 |
中央大学 | 2.8% | 939人 | 26人 |
京都大学 | 7.1% | 312人 | 22人 |
一橋大学 | 12.6% | 175人 | 22人 |
同志社大学 | 3.8% | 234人 | 9人 |
大阪大学 | 5.7% | 157人 | 9人 |
神戸大学 | 4.0% | 124人 | 5人 |
名古屋大学 | 6.9% | 72人 | 5人 |
明治大学 | 1.4% | 284人 | 4人 |
東北大学 | 2.6% | 116人 | 3人 |
千葉大学 | 4.1% | 74人 | 3人 |
北海道大学 | 1.4% | 138人 | 2人 |
九州大学 | 1.8% | 110人 | 2人 |
立命館大学 | 1.0% | 192人 | 2人 |
法政大学 | 1.3% | 154人 | 2人 |
大阪市立大学 | 3.3% | 60人 | 2人 |
広島大学 | 5.3% | 38人 | 2人 |
東京外国語大学 | 8.0% | 25人 | 2人 |
青山学院大学 | 1.2% | 82人 | 1人 |
日本大学 | 0.6% | 169人 | 1人 |
上智大学 | 1.1% | 90人 | 1人 |
立教大学 | 1.2% | 83人 | 1人 |
関西大学 | 0.8% | 122人 | 1人 |
創価大学 | 2.9% | 35人 | 1人 |
成蹊大学 | 3.4% | 29人 | 1人 |
熊本大学 | 4.2% | 24人 | 1人 |
香川大学 | 5.3% | 19人 | 1人 |
新潟大学 | 5.9% | 17人 | 1人 |
國學院大學 | 2.6% | 38人 | 1人 |
信州大学 | 11.1% | 9人 | 1人 |
大阪電気通信大学 | 50.0% | 2人 | 1人 |
ハーバード大学 | 50.0% | 2人 | 1人 |
明海大学 | 50.0% | 2人 | 1人 |
最も合格率が高かったのは、「東京大学」です。
予備試験の最終合格率は約3%〜4%ですので、東京大学の合格率12.9%は約4倍と、非常に高いことが伺えます。
東京大学の他には、「一橋大学」12.57%、「京都大学」7.05%、「名古屋大学」6.94%、「慶應義塾大学」6.39%など、有名校の合格率が高くなっています。
受験者数が最も多かったのは「中央大学」の939人。
次いで「慶応大学」782人、「東京大学」765人、「早稲田大学」732人と、こちらも名門大学と呼ばれる大学が上位を占めています。
やはり、名門大学と呼ばれる大学の方が、もともと学生のポテンシャルが高いことに加え、レベルの高い仲間に出会えるため、勉強がはかどるのでしょう。
また、受験生の数も多いことから、予備試験に関する情報を手に入れやすく、試験対策をしやすいことも想定できます。
したがって、もしあなたが法曹を目指す中学生・高校生ならば、まずは高い合格率を誇る大学に入れるように受験勉強を頑張りましょう。
ちなみに、予備試験の合格率(全体平均)は以下のようになっています。
年度 | 予備試験合格率 |
---|---|
令和3年度 | 4.0% |
令和2年度 | 4.2% |
令和元年度 | 4.0% |
平成30年度 | 3.9% |
平成29年度 | 4.1% |
平成28年度 | 3.9% |
平成27年度 | 3.8% |
平成26年度 | 3.4% |
平成25年度 | 3.8% |
予備試験は大学生が受かりやすい
予備試験合格者の最終学歴を分類すると以下のようになりました。
最終学歴別 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|
大学卒業 | 60人 | 1.45% |
大学在学中 | 252人 | 7.09% |
大学中退 | 3人 | 1.18% |
法科大学院修了 | 21人 | 1.71% |
法科大学院在学中 | 100人 | 9.13% |
法科大学院中退 | 3人 | 1.24% |
合格者合計 | 467人 | 3.99% |
※参考:令和3年司法試験予備試験データより
法務省のデータ(自己申告)によると、令和3年度予備試験の最終合格者467人中、252人が現役の大学生。
このように、例年最終合格者の約半数が大学生であり、合格率も平均の3~4%に対して約7%と倍近い数字となっています。
その理由は、予備試験は多くの勉強量を必要とする試験であり、時間的に余裕がある大学生に有利だからです。
予備試験は短答・論文・口述に分かれています。
このうち大学生の合格率が特に高いのは論文式試験です。
その理由は、短答合格のみを目指して力試し受験する大学生もおり、短答合格率はそれほど高くならない一方、最終合格を目指して本格的に受験する大学生が論文合格率を上げているためと考えられます。
※関連コラム:予備試験の難易度は?現役予備校講師が正直に解説します
司法試験における法科大学院別の合格率
参考までに、 令和3年(2021年)法科大学院別の司法試験合格率の一覧表も記載します。
※合格者数が0人の法科大学院については記載しておりません。
法科大学院 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
愛知大学 | 3 | 2 | 66.7% |
京都大学 | 185 | 114 | 61.6% |
一橋大学 | 110 | 64 | 58.2% |
慶応義塾大学 | 227 | 125 | 55.1% |
東北大学 | 39 | 20 | 51.3% |
東洋大学 | 2 | 1 | 50.0% |
山梨学院大学 | 4 | 2 | 50.0% |
早稲田大学 | 231 | 115 | 49.8% |
岡山大学 | 33 | 16 | 48.5% |
東京大学 | 199 | 96 | 48.2% |
名古屋大学 | 55 | 25 | 45.5% |
神戸大学 | 113 | 47 | 41.6% |
大阪大学 | 115 | 47 | 40.9% |
獨協大学 | 5 | 2 | 40.0% |
同志社大学 | 110 | 39 | 35.5% |
中央大学 | 261 | 83 | 31.8% |
筑波大学 | 60 | 19 | 31.7% |
創価大学 | 39 | 12 | 30.8% |
首都大東京大学 | 81 | 24 | 29.6% |
関西学院大学 | 34 | 10 | 29.4% |
九州大学 | 58 | 17 | 29.3% |
専修大学 | 36 | 10 | 27.8% |
北海道大学 | 67 | 17 | 25.4% |
関東学院大学 | 4 | 1 | 25.0% |
広島大学 | 24 | 6 | 25.0% |
日本大学 | 71 | 17 | 23.9% |
金沢大学 | 18 | 4 | 22.2% |
明治大学 | 102 | 22 | 21.6% |
甲南大学 | 33 | 7 | 21.2% |
神奈川大学 | 5 | 1 | 20.0% |
立命館大学 | 78 | 15 | 19.2% |
大阪市立大学 | 43 | 8 | 18.6% |
横浜国立大学 | 29 | 5 | 17.2% |
南山大学 | 12 | 2 | 16.7% |
青山学院大学 | 19 | 3 | 15.8% |
熊本大学 | 13 | 2 | 15.4% |
法政大学 | 55 | 8 | 14.5% |
北海学園大学 | 7 | 1 | 14.3% |
学習院大学 | 38 | 5 | 13.2% |
福岡大学 | 23 | 3 | 13.0% |
関西大学 | 51 | 6 | 11.8% |
上智大学 | 60 | 7 | 11.7% |
西南学院大学 | 19 | 2 | 10.5% |
立教大学 | 29 | 3 | 10.3% |
桐蔭横浜大学 | 25 | 2 | 8.0% |
琉球大学 | 26 | 2 | 7.7% |
駒澤大学 | 28 | 2 | 7.1% |
近畿大学 | 15 | 1 | 6.7% |
大東文化大学 | 15 | 1 | 6.7% |
千葉大大学 | 50 | 3 | 6.0% |
成蹊大学 | 18 | 1 | 5.6% |