「ラジオ日本のお偉いさんは『うちは演歌で行く』と言い切ってます。そうでなきゃ今の時代、演歌ばかり流す番組を、ここまで辛抱して続けてくれませんよ。でもね、演歌を本当に好きな人はいるんです。僕の番組をラジコなんかで探してでも聴いてくれる。ありがたいです」

-番組では昭和の歌も流します

「岡晴夫や榎本美佐江ら昭和20年代の曲も流します。これには考えがあって、73歳の僕がしゃべってる間に岡晴夫を流しておけば、昭和30年代の舟木一夫さん、橋幸夫さんの曲もまだまだ新しい、ということになるでしょ。10年後には舟木さんが岡晴夫になり、舟木さんのところは五木ひろしさんや森進一さんが来る。そうやって、過去の名曲、ヒット曲を聴き継いで欲しいんです。その時代を代表する曲を古い、知らないと切り捨てるのはもったいないですから」

-夏木ゆたかといえば、ハイテンションで軽妙なトークですが、番組では抑えめです

「毎日、二十数曲かけまくります。僕のトークより、1曲でも多く聴いてほしい。とはいえ、イントロに曲紹介の『語り』を乗せてますから、僕自身は十分にしゃべってると思ってます。イントロをちゃんと聴きたいという声もいただきますが、夏木ゆたかの語りを楽しんでください」

-毎日、演歌歌手がゲスト出演しています

「他局に出演する機会がない人にもどんどん来てもらってます。演歌は終わったと言われますが、歌手、作詞作曲家、レコード会社は今もがんばって新曲を出してます。僕が光を当てようと思ってね。たとえ誰も知らない新人でも、ゲストコーナーの30分はスターとして扱います。『僕が一生懸命に聞いてあげるから、とにかくいっぱいしゃべって帰りなさい』と。氷川きよしさん、山内惠介さん、三山ひろしさん。みんな新人のころに出てもらってます。今は当時を懐かしんでくれますね」

-これからも夏木節全開で、長く続けてください

「芸能生活五十余年、73歳になりました。僕をレギュラーで使おうというテレビ番組は、もうないでしょう。ここが最後になると思います。ただ、いついつまで続けたい、という宣言はしません。テレビもラジオも『明日で打ち切りです』と言われれば、それまでの世界。非情な現実を何度も経験しました。局が使ってくれるならがんばるし、降りろと言われれば黙って去る。キザなようですが、今日の放送を悔いのないよう目いっぱいしゃべる。そんな1日1日を積み重ねていきたいですね」

◆夏木(なつき)ゆたか 1948年(昭23)、千葉県生まれ。69年に歌手デビュー。「スターどっきり【マル秘】報告」「ルックルックこんにちは 女ののど自慢」などの司会、リポーターとして人気を集める。演歌・歌謡曲の新曲、名曲のほか、演歌・歌謡界の最新情報を放送する「夏木ゆたかのホッと歌謡曲」(月~金曜、午後3時~)でパーソナリティーを務める。