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VTuber論の中で、よく「その見た目から予想できない振る舞いをすると、フィクショナルキャラクターの要素を破って、中の人(パーソン)性が出てくる」みたいな図式で語る人がいます。 ですが、もし「意外性」みたいな要素が重要だったとしても、それって例えばヤクザ風の容姿だけど甲高い声で喋る
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芸人さんだって同じプロセスで「面白さ」や「ギャップの魅力」を生み出しているわけで、そこで「フィクショナルキャラクターが破られた!」とはならないのに、VTuberのときだけそうなってしまうのは、端的に「VTuberはアニメやゲームのキャラみたいなもの」という前提が入り込んでしまっているからだと
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思います。 あとは「何らかの設定をやぶると中の人(パーソン)性が現れる」って説明はかなり乱暴で、実際「設定」と「パーソン性」が同時に現れているような事例は無数に確認できるわけです。 こうした「虚構のキャラクター⇔中の人性」みたいな安易な二項対立図式が流行ってしまったのって、明らかに
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2018年の『ユリイカ:バーチャルYouTuber特集号』で「三層理論」を出してしまった難波優輝という人の影響だと思います。「三層理論」は二項対立図式でVTuberを考えるように読者に促して来ますが、実際のところそんなに単純な話ではないということを、8月に刊行される私のVTuber論文で説明しています。
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そもそも「三層理論」では、①VTuberの姿になった「HIKAKIN」さんや、②にじホロのVTuberさんや、③『ウマ娘』の「ゴールドシップ」のようなVTuberの区別さえ付けることができないので、(どう考えても性質が全然違うであろう)①~③さえ区別できないVTuber論ってなんなんだろうって思うわけです。
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「三層理論が二項対立図式へと読者を促す」という話は、既にVTuber研究者の泉信行さんがここで明確に述べておられます。 最初期から研究者としての視点からVTuber文化を観測し続けてきた方だからこその慧眼であると言えます。私も泉さんの研究から多くの着想を頂いています。
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泉信行
@izumino
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問題点といえば、まず「二極化」を前提にしてから「その中間もある」という予防線を張っておきながら、その中間領域の曖昧さと多彩さこそが本質であるのに、両極の考察を中心にすればよいとみなしていて、最も主流と呼べる形態を例外視することを促す内容だと言える
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泉氏が述べているのは、言及している法的権利を論じる論文が「三層理論」をそのまま無批判に応用していることの問題であって、 twitter.com/izumino/status 「三層理論が二項対立図式へと読者を促す」という話には直結しない。
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泉信行
@izumino
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バーチャルYouTuberの人格権・著作者人格権・実演 家人格権 shizuoka.repo.nii.ac.jp/index.php?acti 「三層理論」をそのまま無批判に応用すればいかに世界の実態から乖離していくかがよく表れた論文だった。少なくとも当事者の納得は得られにくいだろう
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泉氏が『問題点といえば、~』と言っているのは、Vの法的権利を論じる原田氏の論文の問題点を指摘しているのであり、 むしろそのような二項対立図式で読むのは、難波論文の誤った読み。そして、そのような誤った読みを難波論文が促しているというためには、山野氏は典拠を明らかにすべき。
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残念ながら、三層理論はその原典に従って忠実(無批判)に引用するほど、誤読するまでもなく「適切に応用」すること自体難しくなることを、先のTweet後に行った個人的な精読でぼくは確かめています。根拠を挙げるなら、術語のひとつであるフィクショナルキャラクタの語義の不完全さがあります(続
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文章上で論じられるフィ~はほぼ「見た目」、図像から得られる方向付けへの言及に留まっていて、一般的なキャラクター論では不可分とされる「名付け」や「設定」は視野に入らず、後者の「設定」はむしろVTuberに介在しないものとして扱われています。
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ですが実際のVTuberは「図像+名前+設定」例えば「お嬢様らしき図像、お嬢様らしき名前、そしてお嬢様という設定」を視聴者に提示した後に「リアルな人間らしさ」が加わると考えられるとして、その「設定」の部分に「自分をお嬢様だと思っている庶民」などが入りうることをフィ~は想定できていません
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にも関わらず、「フィ~を裏切るような振る舞いはリアルな人間の現れとして鑑賞されるだろう」という意味のことが書かれているわけです。 仮定として、リアルで生粋の庶民が庶民設定(見た目はお嬢様)のVTuberであればそれは「キャラ通り」でしかないと思いますし、
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逆に「実は庶民らしさはフリで本当は富裕層だった」ほうが、むしろ「リアルな人間の現れ」だと言えますよね? ですが三層理論は「図像+設定」とのギャップを一切語らず、実は「図像」から見出されるギャップのことしか射程にしてないんです。これをそのまま忠実に応用できると思われますか?(終
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山野さんには、今後個人で論じる内容があるため、そちらにいま言及するつもりはありませんでしたが、ぼく個人の主張に根拠がないという問われ方をしたので一応返させていただきました。もちろん以上で書いたことも精読した結果の一端でしかなく、ただ単に泉が「応用できないと考えてる」ことの典拠です

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