「未記入」を「未接種」にしていた

新型コロナウイルスで陽性者を発見した医師は、そのデータを厚労省に送る決まりになっています。
この時、ワクチン接種の日付が「未記入」だった場合、厚労省はなぜか全て「未接種」に分類していたのです。


では、どういった場合にワクチン接種歴が「未記入」になるのでしょうか?
発熱外来やワクチン接種に力を入れてきた名古屋のクリニックに尋ねると。

(細川外科クリニック・細川秀一院長)
「(陽性者に)必ず “あなたはワクチン打っているの?打っていないの?”と聞く。すると、“はい打ちました”もしくは“私は一度も打ったことありません”と。その次は“いつ打ったの?”と必ず聞くんですけど、“いつだったっけ?”の返事が8~9割」

接種歴「有」に〇をしても「未接種」

実際に厚労省に送る陽性者のデータ入力用紙を見せてもらいました。

ワクチンを打っていて「有」に〇をした人でも、いつ打ったかわからなければ、接種歴が「未記入」もしくは「不明」になります。

こうした人たちは、厚労省によって未接種扱いになっていました。

接種日が「不明」「未記入」は未接種者扱いに

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「未接種」から 「接種歴不明」に変更

指摘後、厚労省は接種歴が未記入の場合、それまでの「未接種」ではなく「接種歴不明」に変更

この問題については、参議院の厚生労働委員会でも取り上げられ、後藤茂之厚生労働大臣は。

(後藤茂之厚労大臣)
「ワクチン接種歴が未記入の方について、厚生労働省が未接種に計上し、感染研が接種歴不明に計上していたと。それを厚生労働省の資料においても国立感染症研究所と同様に、接種歴不明として取り扱うことといたしました。この接種歴不明をどういうふうに扱っていくのかによって、データの読み方が変わるというご指摘、ちょっと詳しい内容までは私も捕捉しておりません」

また、厚労省の戦略班は、CBCテレビの取材に対し、「未接種に分類していた理由は不明だが意図的なものではない。この調査はワクチンを打っても感染するいわゆる“ブレイクスルー感染”の実態を調べるためのもの」と回答しました。


なぜワクチンを打っても打たなくても結果が同じに?

ワクチンを打っていても、10万人あたりの新規陽性者の数が未接種者とそれほど変わらなくなったことについて、小島名誉教授は…。

(名古屋大学・小島勢二名誉教授)
「例えば社会行動。ワクチンを打っていない人は気をつけてなかなか感染の機会が少ないけど、(ワクチンを打った人は)打ったからいいわと感染の機会が増えるかもしれない。一番心配なのは、ヨーロッパの監督庁から出た話で、ワクチンを何回も打つとかえって免疫の力が落ちてしまうという勧告も出ているんですね。だからこれは、そういうことを意味しているかもしれない」


新型コロナのワクチン接種が今後も続けられる中、国民が打つか打たないかを判断するためにも、国は正しい情報を公表する必要があります。