いわゆる歴史戦争ものに架空の話をいれた作品。
この手の作品は戦記物としてよくあるがソ連人でもない!ソ連に住んだ訳でもない!日本人が描いた作品。
そもそも女性の狙撃部隊の話とかライトノベル
「でもライトノベルは架空だからマシ!これはWWⅡ題材し作者が創作しており余計に立ちが悪い!」
・物語のきっかけ!→モスクワ進行の農村虐殺!↓
これがまずおかしい!確かにドイツ側にアインザッツグルッペン(移動虐殺部隊)など存在していた!
しかしバルバロッサ作戦初期のモスクワ進行中に虐殺している記録など見た事も聞いた事ない!
それどころか史実は快進撃で補給線が伸び切りT-34ショックや冬将軍到来でドイツ軍は酷い目に遭う時期である
さらに開戦前はソ連総書記スターリングによる大粛清後であり農村自体も強制労働なども入れモスクワ周辺のソ連人の心境はかなり複雑である!
(ちなみにソ連人というのはソ連は多民族国家の為、グルジア人、ロシア人、朝鮮人、モンゴル系など豊富!でも作者は日本人です!)
・少女の狙撃心理描写
家族が殺されてドイツ軍が憎い!だから狙撃部隊に入り復讐するという流れとしてもそこに作者特有の平和ボケした命の価値観が挟まり話を無駄に長くしているのが馬鹿!
鹿を狩るのと人を殺す命の対比とか。あれ?
「ちなみに作者本人は家族もいてドイツ軍にも殺されてない戦後日本人です!」
実際はソ連もドイツも互いに虐殺している。
戦争が長期化し極限化!誰にも止める事が出来ない状況に命の価値もクソもない!
敵は倒す!憎き相手は殺す!そして戦争に勝つ!本当にシンプル!本当にそれだけ!
「だからドイツは降参しない!ソ連も遠慮しない!最終的にドイツ首都ベルリン崩壊まで止まらない!」
少女が狙撃部隊に入るとか作者の自己満足の性的趣向で書いた駄作だと思う
イラストや称賛している著名人も一流の人を用意させ称賛させているが最後まで読む価値はない!
まだ戦争テーマにした架空戦記やライトノベルを読む方がよっぽど娯楽も入れ価値がある!
「構成が上手いのと物語に説得力があるのとは別だと思う!」
最後に著名人の一言が全てが物語っている↓
「これは武勇伝ではない!」
つまり「僕の好きな少女を主人公にして復讐をテーマにした作品です!ぜひ読んでください!」
こんものが読む暇あるなら独ソ戦の歴史書を購読した方がよっぽど面白く学ぶ事も出来ると思います。
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同志少女よ、敵を撃て 単行本 – 2021/11/17
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【2022年本屋大賞受賞! 】
キノベス! 2022 第1位、2022年本屋大賞ノミネート、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介!
史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作
アクションの緊度、迫力、構成のうまさは只事ではない。
とても新人の作品とは思えない完成度に感服。──北上次郎(書評家)
これは武勇伝ではない。
狙撃兵となった少女が何かを喪い、
何かを得る物語である。
──桐野夏生(作家)
復讐心に始まった物語は、隊員同士のシスターフッドも描きつつ壮大な展開を見せる。胸アツ。──鴻巣友季子(翻訳家)
多くの人に読んで欲しい! ではなく、
多くの人が目撃することになる
間違いなしの傑作!
──小島秀夫(ゲームクリエイター)
文句なしの5点満点、
アガサ・クリスティー賞の名にふさわしい傑作。──法月綸太郎(作家)
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?
キノベス! 2022 第1位、2022年本屋大賞ノミネート、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介!
史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作
アクションの緊度、迫力、構成のうまさは只事ではない。
とても新人の作品とは思えない完成度に感服。──北上次郎(書評家)
これは武勇伝ではない。
狙撃兵となった少女が何かを喪い、
何かを得る物語である。
──桐野夏生(作家)
復讐心に始まった物語は、隊員同士のシスターフッドも描きつつ壮大な展開を見せる。胸アツ。──鴻巣友季子(翻訳家)
多くの人に読んで欲しい! ではなく、
多くの人が目撃することになる
間違いなしの傑作!
──小島秀夫(ゲームクリエイター)
文句なしの5点満点、
アガサ・クリスティー賞の名にふさわしい傑作。──法月綸太郎(作家)
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2021/11/17
- 寸法13.1 x 2.7 x 18.8 cm
- ISBN-104152100648
- ISBN-13978-4152100641
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出版社より



鋭い視線で銃を構える主人公の狙撃兵セラフィマを描いた表紙は、イラストレーター・雪下まゆさんによるもの。近年の話題書のカバーを多数手掛けられている新進気鋭のイラストレーターです。

商品の説明
著者について
1985年生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒。本書で、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。埼玉県在住。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2021/11/17)
- 発売日 : 2021/11/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 496ページ
- ISBN-10 : 4152100648
- ISBN-13 : 978-4152100641
- 寸法 : 13.1 x 2.7 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 221位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 38位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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2021年11月20日に日本でレビュー済み
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836人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2022年1月12日に日本でレビュー済み
NHK「100分de名著」でノーベル賞作家アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(岩波現代文庫)の解説を務めた東京外国語大学・沼野恭子教授の書評(推薦文)をたまたま目にする機会があり、興味をひかれた。
著者の筆力については、すでにプロの評価(アガサ・クリスティー賞を審査員満場一致で受賞!)や売り上げ(出版後即重版!)という形で客観的に結果が出ているので、こちらからとやかく言うこともない。参考文献表の提示や専門家からのチェックもしっかりなされているようだし、学術的な裏付けに対する誠実さの面でもエンタメ作品としては申し分ないものだろう。ただ内容面で、読み終えて少しひっかかる部分があったので、この割り切れぬ気持ちを書き記して他人の判断を仰ぎたくなった。本書をことさら強く批判しようという思いはあんまりない。読む価値はあると思う。
前置きになるが、独ソ戦をテーマにしたエンタメ作品はロシアでは毎年のように作られていて、たとえば近年に限っても『ヒトラーと戦った22日間』『T-34:レジェンド・オブ・ウォー』『1941:モスクワ攻防戦80年目の真実』『ナチスバスターズ』といった新作映画が、実は日本のそれなりに大きな映画館で上映されていたりもする。どうしてこういった作品群がロシアでじゃんじゃん撮られているかといえば、毎年5月9日の戦勝記念日に合わせるような形で、国からの支援も受けて振興される産業になっているからだ。
そうした映画はお金がかかっているだけあって、エンタメとしてだけ見ると正直かなり見ごたえがあって面白いものが多い。しかし当然のことながらそれらは「数多の犠牲を払ってファシストを倒し戦後の平和を作り上げたロシア」を誇示するプロパガンダとしての性格も色濃く持つものなので、『同志少女よ、敵を撃て』で取り上げられているような、戦時の性暴力・男女間の軍隊内での格差といったテーマは扱われない。男たちはもっぱら強く勇敢で、女子供を命を賭して守る存在である(別にそれが真っ赤な嘘だと言いきれもしないが、偏ってはいる)。こうした現状からすれば、現代日本の三十代の作者(性別は分からない)が『戦争は女の顔をしていない』を読んで感銘を受け、隠されてきた軍隊の中での女性差別というテーマを選び、独ソ戦を舞台に一本書こうと思い立ったことの有意義性というか批判的意味は小さくないとは思う。
ならば、評者が気になった点とはなにか。本書では三人称視点が取られ、語り手が主人公セラフィマを始めとする登場人物たちの心情を描写し、そこに独ソ戦の趨勢、大規模軍事作戦の概要、主人公たちが身に着ける狙撃技術等に関する解説を挟むという形でプロットが形作られている。そしてそこでは、たびたび用いられる自由間接話法(三人称の地の文のなかで、セラフィマを「彼女」ではなく「自分」と称したりするなどがその例)が、無垢な若者たちが否応なく戦争という「地獄」に直面し変わっていく様子を臨場感を持って描き出す。
……そう、臨場感をもって描き出しはするのだが、まずその話法のせいで、『戦争は女のしていない』とか松戸清裕『ソ連史』(ちくま新書)とか大木毅『独ソ戦』(岩波新書)とかを読んでその知識を持っているらしい語り手(独ソ戦当時は到底知りえない情報を山ほど知っている神のような存在)と登場人物の境目がときに曖昧になって、セラフィマが1930~40年代のロシアの賢い村娘の限界を飛び越え、現代の日本の大学でジェンダー論かなにかを学んだ学生のように見えてきてしまう。(かつて妹尾河童『少年H』が似たような批判をされていたように思うのだが)どうも未来人がいきなり独ソ戦に従軍して、愚かな男どもを裁断しているみたいな違和感を覚えてしまうのである。これは先日リドリー・スコット監督作品『最後の決闘裁判』で、14世紀フランスに生きる女性主人公を見たときにも感じたことなのだが、「過去の空気と因習とパラダイムに同じように取り巻かれ縛られているはずなのに、どうしてこの主人公だけこんなにも賢いのか」という疑問は湧く。
どうしてこういうことになるかを想像してみると、おそらく独ソ戦という悲惨な人類史的経験を日本の作家が扱うにあたって、それを単なるおもしろおかしいエンタメ作品として提出するわけにはいかないからだ。何らかの社会性を帯びたテーマ(本作であればフェミニズム)を盛り込み現代的に「アップデート」することが必然的に要求される。これはハリウッドの娯楽大作などでも同じことだろうし、取り立てて不当な振る舞いとは思わない。ただそうした思想的・社会的な打算みたいなものを想定したうえで主人公の少女兵たちが繰り広げるいささかアニメ/漫画じみたやり取りを眺めると、結局この作品におけるフェミニズムというものが、ミリタリーファンに満足してもらえるような血沸き肉躍る戦闘シーンを、あるいは可憐でけなげでしかし酷薄で狂気にとらわれた魅力的な少女兵たちの描写を可能にするための、ある種のエクスキューズとして利用されているに過ぎないのではないか? フェミニズムと書かれたお札を買ってきて店頭に掲げたので、あとは好きに商売させてもらお、という話なのか? という警戒心が評者の心中に惹起されることにはなった(べつに独ソ戦を題材に『ガールズ&パンツァー』をやりたいわけではないんですよね? 信じていいんですよね? という)。
もちろんこれは、著者の側からすると不当な非難、邪推でしかない可能性も大いにある。というかたぶんそう反論されるだろう。だが著者は、たとえば沖縄戦を舞台に似たようなストーリーを書こうとは思わなかったわけで、勝者の側からぞんぶんに戦争を描きたいという(最初に紹介したロシアの映画ならば隠しもしない)欲求を糊塗する「お守り」としてのフェミニズムなら、それは危うい。
リベラルか保守かというのは表面的な差異に過ぎず、結局『同志少女―』(マッチョな男どもを正義のソ連少女兵が討つ!)と『ナチスバスターズ』(マッチョな美男子ドイツ将校を正義のパルチザンが討つ!)がやりたいことは、根っこの部分では同じなのではないか?という疑念。もちろんこうした厳しい目は読者の側にも(つまり評者にも)投げかけられるべきだろう。本作におけるフェミニズム的テーマは、ソ連ではなくナチス・ドイツの側に確実にいた大日本帝国の後裔たる我々が、戦勝国の目線に立ったエンターテインメントを楽しむことにつきまとううしろめたさを優しく包んでくれている、のか?
長々と書き連ねてきた。ノーベル賞作家と、本作が第1作目の新人作家を比べるのはあまりに酷というものだけど、やはり『戦争は女の顔をしていない』の多声的な証言が生み出す重みを、本作の「百合」的展開・ミリオタ的描写がスポイルしているという部分はあるんじゃないかなあ……。書いてて思ったけど、ちょっと著者に対して意地悪すぎるだろうか?そこまで求めんなよって?うーん、皆さんどう思われます?
著者の筆力については、すでにプロの評価(アガサ・クリスティー賞を審査員満場一致で受賞!)や売り上げ(出版後即重版!)という形で客観的に結果が出ているので、こちらからとやかく言うこともない。参考文献表の提示や専門家からのチェックもしっかりなされているようだし、学術的な裏付けに対する誠実さの面でもエンタメ作品としては申し分ないものだろう。ただ内容面で、読み終えて少しひっかかる部分があったので、この割り切れぬ気持ちを書き記して他人の判断を仰ぎたくなった。本書をことさら強く批判しようという思いはあんまりない。読む価値はあると思う。
前置きになるが、独ソ戦をテーマにしたエンタメ作品はロシアでは毎年のように作られていて、たとえば近年に限っても『ヒトラーと戦った22日間』『T-34:レジェンド・オブ・ウォー』『1941:モスクワ攻防戦80年目の真実』『ナチスバスターズ』といった新作映画が、実は日本のそれなりに大きな映画館で上映されていたりもする。どうしてこういった作品群がロシアでじゃんじゃん撮られているかといえば、毎年5月9日の戦勝記念日に合わせるような形で、国からの支援も受けて振興される産業になっているからだ。
そうした映画はお金がかかっているだけあって、エンタメとしてだけ見ると正直かなり見ごたえがあって面白いものが多い。しかし当然のことながらそれらは「数多の犠牲を払ってファシストを倒し戦後の平和を作り上げたロシア」を誇示するプロパガンダとしての性格も色濃く持つものなので、『同志少女よ、敵を撃て』で取り上げられているような、戦時の性暴力・男女間の軍隊内での格差といったテーマは扱われない。男たちはもっぱら強く勇敢で、女子供を命を賭して守る存在である(別にそれが真っ赤な嘘だと言いきれもしないが、偏ってはいる)。こうした現状からすれば、現代日本の三十代の作者(性別は分からない)が『戦争は女の顔をしていない』を読んで感銘を受け、隠されてきた軍隊の中での女性差別というテーマを選び、独ソ戦を舞台に一本書こうと思い立ったことの有意義性というか批判的意味は小さくないとは思う。
ならば、評者が気になった点とはなにか。本書では三人称視点が取られ、語り手が主人公セラフィマを始めとする登場人物たちの心情を描写し、そこに独ソ戦の趨勢、大規模軍事作戦の概要、主人公たちが身に着ける狙撃技術等に関する解説を挟むという形でプロットが形作られている。そしてそこでは、たびたび用いられる自由間接話法(三人称の地の文のなかで、セラフィマを「彼女」ではなく「自分」と称したりするなどがその例)が、無垢な若者たちが否応なく戦争という「地獄」に直面し変わっていく様子を臨場感を持って描き出す。
……そう、臨場感をもって描き出しはするのだが、まずその話法のせいで、『戦争は女のしていない』とか松戸清裕『ソ連史』(ちくま新書)とか大木毅『独ソ戦』(岩波新書)とかを読んでその知識を持っているらしい語り手(独ソ戦当時は到底知りえない情報を山ほど知っている神のような存在)と登場人物の境目がときに曖昧になって、セラフィマが1930~40年代のロシアの賢い村娘の限界を飛び越え、現代の日本の大学でジェンダー論かなにかを学んだ学生のように見えてきてしまう。(かつて妹尾河童『少年H』が似たような批判をされていたように思うのだが)どうも未来人がいきなり独ソ戦に従軍して、愚かな男どもを裁断しているみたいな違和感を覚えてしまうのである。これは先日リドリー・スコット監督作品『最後の決闘裁判』で、14世紀フランスに生きる女性主人公を見たときにも感じたことなのだが、「過去の空気と因習とパラダイムに同じように取り巻かれ縛られているはずなのに、どうしてこの主人公だけこんなにも賢いのか」という疑問は湧く。
どうしてこういうことになるかを想像してみると、おそらく独ソ戦という悲惨な人類史的経験を日本の作家が扱うにあたって、それを単なるおもしろおかしいエンタメ作品として提出するわけにはいかないからだ。何らかの社会性を帯びたテーマ(本作であればフェミニズム)を盛り込み現代的に「アップデート」することが必然的に要求される。これはハリウッドの娯楽大作などでも同じことだろうし、取り立てて不当な振る舞いとは思わない。ただそうした思想的・社会的な打算みたいなものを想定したうえで主人公の少女兵たちが繰り広げるいささかアニメ/漫画じみたやり取りを眺めると、結局この作品におけるフェミニズムというものが、ミリタリーファンに満足してもらえるような血沸き肉躍る戦闘シーンを、あるいは可憐でけなげでしかし酷薄で狂気にとらわれた魅力的な少女兵たちの描写を可能にするための、ある種のエクスキューズとして利用されているに過ぎないのではないか? フェミニズムと書かれたお札を買ってきて店頭に掲げたので、あとは好きに商売させてもらお、という話なのか? という警戒心が評者の心中に惹起されることにはなった(べつに独ソ戦を題材に『ガールズ&パンツァー』をやりたいわけではないんですよね? 信じていいんですよね? という)。
もちろんこれは、著者の側からすると不当な非難、邪推でしかない可能性も大いにある。というかたぶんそう反論されるだろう。だが著者は、たとえば沖縄戦を舞台に似たようなストーリーを書こうとは思わなかったわけで、勝者の側からぞんぶんに戦争を描きたいという(最初に紹介したロシアの映画ならば隠しもしない)欲求を糊塗する「お守り」としてのフェミニズムなら、それは危うい。
リベラルか保守かというのは表面的な差異に過ぎず、結局『同志少女―』(マッチョな男どもを正義のソ連少女兵が討つ!)と『ナチスバスターズ』(マッチョな美男子ドイツ将校を正義のパルチザンが討つ!)がやりたいことは、根っこの部分では同じなのではないか?という疑念。もちろんこうした厳しい目は読者の側にも(つまり評者にも)投げかけられるべきだろう。本作におけるフェミニズム的テーマは、ソ連ではなくナチス・ドイツの側に確実にいた大日本帝国の後裔たる我々が、戦勝国の目線に立ったエンターテインメントを楽しむことにつきまとううしろめたさを優しく包んでくれている、のか?
長々と書き連ねてきた。ノーベル賞作家と、本作が第1作目の新人作家を比べるのはあまりに酷というものだけど、やはり『戦争は女の顔をしていない』の多声的な証言が生み出す重みを、本作の「百合」的展開・ミリオタ的描写がスポイルしているという部分はあるんじゃないかなあ……。書いてて思ったけど、ちょっと著者に対して意地悪すぎるだろうか?そこまで求めんなよって?うーん、皆さんどう思われます?
2021年11月21日に日本でレビュー済み
早川書房が全力で売り出そうとしている本書、
映画のあれこれを切り取ってそれと戦争は女の顔をしていないが売れているから、その要素も取り入れて、今風の小説に上手く昇華した作品だと思います。
だから衝撃かと言われると帯の評価は大げさ過ぎるのではないでしょうか。
口コミでじわじわ広がるでなく、仕掛けたブームに乗らせる為の作品といったイメージがあります。
ただ狙撃のシーンは流石でした。そこは凄いです。
ちょっとゲームっぽい印象もあり、銃と狙撃描写は秀逸だけど、他はそこまでではない良作といった印象です。
映画のあれこれを切り取ってそれと戦争は女の顔をしていないが売れているから、その要素も取り入れて、今風の小説に上手く昇華した作品だと思います。
だから衝撃かと言われると帯の評価は大げさ過ぎるのではないでしょうか。
口コミでじわじわ広がるでなく、仕掛けたブームに乗らせる為の作品といったイメージがあります。
ただ狙撃のシーンは流石でした。そこは凄いです。
ちょっとゲームっぽい印象もあり、銃と狙撃描写は秀逸だけど、他はそこまでではない良作といった印象です。
2021年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あくまで史実や資料に忠実に、そこにフィクションを混ぜて描き出す女たちの冒険譚。実際の歴史や価値観に対する問いかけが常に行われ、私たちに無関係な物語だと感じることはない。これがドラマだと、我々の価値観を揺さぶりにくる。どこを切り取っても面白い作劇上の仕掛けの数々は、驚くべきことだが、感嘆すべきはやはり前半から後半に掛けて、物語の主題に沿って、戦況の移り変わりと共にテイストが変化し、訴求する内容が大きく異なってくることだろう。戦争を通じて我々はどうなってしまうのか。この後どうするのが相応しいのか。そういう視座を持って物語を最後まで見事に描き切り、結んだ。とても誠実な物語であった。素晴らしい。
2022年1月8日に日本でレビュー済み
冒頭の主人公と村人や母親とのやり取りの辺りで既に取ってつけたようなぎこちなさが満載で、この作者、文章や構成が下手なのでは…と悪い予感。
ガソリンを撒いて人が手で点火するなんてのもありえない。
悲惨な事件がいくつもあったせいで、ガソリンがどれほど気化しやすいか、点火しようものなら瞬時に爆発的に燃えて、周りの人間は無事ではいられないとみんな知ってるのに。
女性士官に連れられて同じ境遇の少女達のいる所へ合流するくだりも、高飛車な少女と幼稚な喧嘩をするのだが、頭の中で萌え声でキャピキャピ喋る少女達が出てくるオタク御用達アニメで再現された。アイタタタ…。
そこまで読んでこのレビューを書いている。
続きを読む気がしない。
分厚い本書を読んでも貴重な時間を無駄にする予感しかしない。どうしたものか。
結局、図書館へ返却。
読みながら、なんて下手な文章だろうと苦痛を感じながら読み進むのが無理だったので。
買わなくてよかった。
(追記)
本屋大賞にノミネートとか。
書店員のレベルはそこまで落ちたのか。
日本の出版界は終わってますね。
ガソリンを撒いて人が手で点火するなんてのもありえない。
悲惨な事件がいくつもあったせいで、ガソリンがどれほど気化しやすいか、点火しようものなら瞬時に爆発的に燃えて、周りの人間は無事ではいられないとみんな知ってるのに。
女性士官に連れられて同じ境遇の少女達のいる所へ合流するくだりも、高飛車な少女と幼稚な喧嘩をするのだが、頭の中で萌え声でキャピキャピ喋る少女達が出てくるオタク御用達アニメで再現された。アイタタタ…。
そこまで読んでこのレビューを書いている。
続きを読む気がしない。
分厚い本書を読んでも貴重な時間を無駄にする予感しかしない。どうしたものか。
結局、図書館へ返却。
読みながら、なんて下手な文章だろうと苦痛を感じながら読み進むのが無理だったので。
買わなくてよかった。
(追記)
本屋大賞にノミネートとか。
書店員のレベルはそこまで落ちたのか。
日本の出版界は終わってますね。
2021年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネット上で騒ぎになっていたので、発売日に購入して読みました。
ストーリーの流れは流石で、グイグイ引き込まれていきますがそれもスターリングラード戦まで。スターリングラードでの戦いは情景の描写は目をつぶれば瞼に浮かんでくるほどリアルですが、浮かんでくるのはなんとなく中身が似ている2001年版の映画スターリングラードのシーン。
クルスクの戦いは急に回想になり、最後の戦いでは主人公のセラフィマは豹変してまるで別人、なぜか望月三起也のラストオブコサックが脳裏をよぎりました。
もう少し丁寧にセラフィマが変貌する描写を書いて欲しかったと思いました。
最近ではロシア本国でも研究が進み、捉え方が変化している督戦隊(後退阻止部隊)やNKVDの描写、赤軍兵士の生活の描写の薄さ等々を見ると、狙撃に関するプロットは精緻でしたが、それに比して赤軍、NKVDについての考察に伴う描写が旧来のステロタイプに陥り、とても薄いように感じました。
ソ連に対する描写が薄くなるとどうしても考えてしまうのが独ソ戦である意味があるか…?という点です。知らない事を描写しないという決断に敬意を表しますが、そのおかげで細かいリアリティが失われているように感じます。ということは、大日本帝国陸軍初の女性狙撃兵部隊!米軍スナイパーとの戦い!のように国と敵をそっくりそのまま入れ替えても話が成り立つんじゃないか…?という疑問が…
狙撃大隊じゃなくて歩兵大隊と書いてくださったことに感謝の☆3つです。
ストーリーの流れは流石で、グイグイ引き込まれていきますがそれもスターリングラード戦まで。スターリングラードでの戦いは情景の描写は目をつぶれば瞼に浮かんでくるほどリアルですが、浮かんでくるのはなんとなく中身が似ている2001年版の映画スターリングラードのシーン。
クルスクの戦いは急に回想になり、最後の戦いでは主人公のセラフィマは豹変してまるで別人、なぜか望月三起也のラストオブコサックが脳裏をよぎりました。
もう少し丁寧にセラフィマが変貌する描写を書いて欲しかったと思いました。
最近ではロシア本国でも研究が進み、捉え方が変化している督戦隊(後退阻止部隊)やNKVDの描写、赤軍兵士の生活の描写の薄さ等々を見ると、狙撃に関するプロットは精緻でしたが、それに比して赤軍、NKVDについての考察に伴う描写が旧来のステロタイプに陥り、とても薄いように感じました。
ソ連に対する描写が薄くなるとどうしても考えてしまうのが独ソ戦である意味があるか…?という点です。知らない事を描写しないという決断に敬意を表しますが、そのおかげで細かいリアリティが失われているように感じます。ということは、大日本帝国陸軍初の女性狙撃兵部隊!米軍スナイパーとの戦い!のように国と敵をそっくりそのまま入れ替えても話が成り立つんじゃないか…?という疑問が…
狙撃大隊じゃなくて歩兵大隊と書いてくださったことに感謝の☆3つです。
ベスト1000レビュアー
Amazonで購入
歴史小説っぽいのかなとなんとなく手に取ってみたら、圧倒的なエンターテイメント小説だった! 百合、ジェンダー、復讐もの、戦争の暗部などを取り混ぜたアクション映画みたいな。
わりとベタな漫画的キャラ設定のノリに、興味深いロシア女性兵士の史実の設定が合わさって、リアリティと破天荒さがいい塩梅で混ざっている。
ちょっとヴィンランドサガに影響受けたっぽい箇所なんかもある。
いろいろなもののおいしいところを取り混ぜて計算づくで書かれた如才なさを感じる。(だから面白い! という褒め言葉です)
わりとベタな漫画的キャラ設定のノリに、興味深いロシア女性兵士の史実の設定が合わさって、リアリティと破天荒さがいい塩梅で混ざっている。
ちょっとヴィンランドサガに影響受けたっぽい箇所なんかもある。
いろいろなもののおいしいところを取り混ぜて計算づくで書かれた如才なさを感じる。(だから面白い! という褒め言葉です)
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