なんでフランスのごはん作りはラクで、日本のごはん作りは面倒だと感じるんじゃろ
2015.08.03 Monday 05:30
8月2日。
昨日カルフールに行ったよという続き。
「フランスだって、カルフールとか同じじゃないですか。前に行ったとき、アメリカとまったく同じ風景でしたけど。なーんだ、農業大国とか、グルメの国とか言ってるけど、中身はアメリカと同じって思いましたよ」
この、知人に言われたことを確かめたくて、郊外の巨大なカルフールへ入ってみたというのが昨日のお話。
で、結果だがね
違うよ。
なんでこれがアメリカと全く同じ風景に見えるのか、私にはぜんぜんわからん。
日本のスーパーも、最近は歩き回るうちに料理をする気がまったくなくなることが増えたけど
新鮮でおいしそうな豚肉(トンカツにしたらうまそうだ)4枚で3ユーロとか
無造作に紙に包まれただけのカマンベール1ユーロちょっととか
そんなの見てたら、ほんと、料理したい! って萌える。
あー、買い物するのに必死で中の写真撮ってないです。
また機会があったら売り場の風景とか撮ってみますわー。
何日経っても色が変わらないカット林檎とか
ゆで卵の真空パック20個入りとか
中身が見えないケーシングに入った、異常に安いひき肉とか
クラッカーとサラミとチーズだけ入った子供用の1ドルのランチパックとか
アメリカのスーパーで大量に並んでいたそういうものに遭遇してエネルギーを吸い取られる確率が少ない。
なんつか、食品売り場に並ぶ農業や酪農、漁業に基づくものが、工業製品に圧倒されていない。
ということで、「違いましたよ」とその人にはお伝えしたいと思います。
あー、もしかしたら上記の人はNYとかLAあたりのホールフーズとかこじゃれたスーパーに行ったりしたのかな。
アメリカのほとんどの場所はNYでもLAでもないからね。
とはいえ、アメリカにいた時にごはん作りが飛躍的に楽になったのは確かだったの。
日本のごはん、一体何なん? というのが、あれからずっと私のテーマ。
なんで、こんなめんどくさいん?
アメリカの友達がね、こっち来たら家事が楽でラクで。
日本の主婦の家事なんてもうできないよ、って言う。
ごはんだって、ワンプレートでさっと作って、食器は食器洗い機。
フランスでも、ほんとそう感じる。
こっちのかあちゃん、そんな必死に料理せん。
で、これがある日の私の夕ご飯。
葉っぱそのままパックに入ってるのを、さっと洗って皿に投げ込む。
カリフラワーゆでながらついでにソーセージ茹でる。ハム足す。
ちなみにこのソーセージはブルストっていうホワイトソーセージで、とってもおいしい。大好物。
とにかくあとはおいしいバゲットとカマンベールとバター。ワインかビール。デザートにカルフールで売ってるパックのりんごのコンフィチュール。4個で1.4€ぐらい。この日は野菜茹でただけえらい。次の日はこれ。
あ、横だけどごめん。
葉っぱ投げ込む。昨日のカリフラワー出す。チンするだけのチキン。あとは昨日と同じ。パン、チーズ、バター、コンフィチュール。準備の時間10分もかからなかったんじゃないか。でもこれ、わびしい? 家族、これだとブーイングするかなあ。なんか十分成立している気がするんだけど。
そして一番重要なのは、チンするだけのチキン(しかも安い)が、十分おいしいことだ。味の素の鶏の唐揚げなぞ、足下にも及ばぬ。
今日うちに来た友達とも話していたんだけど、こんな風に「売ってるもの」が安くておいしくて、そういうもんを並べておくだけでどうにか絵になるというのは、とても大事だという気がする。
パテだって安くておいしいのよ。何よりパンがとてつもなくうまいから、そこにチーズとワインを出してしまえば、とりあえずなんとかなる。
日本はどうじゃ。
飯を炊き、みそ汁を作り、魚か肉を焼いたり蒸したり炒めたり揚げたりしたものに、おひたしとかサラダとか、なんかやることがすごーく多くて、じゃあ面倒だから総菜かってくるか? となっても、並べてみてもなんかわびしいねえということになる。
私はいつも日本でごはん作りながら、とにかく野菜の処理が面倒だなあと思うことが多くて。ほいでも、学校からも社会からも、野菜食べろ、野菜食べさせないと子どもがとんでもないことになるぞ! と脅されて、ほんとにいつも野菜と格闘してる。
ま、野菜好きだからいいけど。
アメリカの友達は、
「こっちはさあ、そのまま洗って出せばいいだけの野菜がいっぱい種類があって安いから、ほんとにラクよー! お肉焼いて、あとはパックから出せばいいだけだからー」
って言ってて、それ、ほんとにそうなの。
え、それって塩素漂白してるやつでしょ? ダメよ、そんなの買っては! って思う人いるかもしれないけど、違うよの。
アメリカもフランスも、パックに入って売られているのは、日本でいうと「ベビーリーフ」ってパックに入って売ってるようなやつ。切って消毒しているんじゃなくて、ただ葉っぱをいろいろ混ぜて、そのままサラダに使えるようにしてあるだけ。とても安い。
フランスではマルシェで、この「サラダミックス」とうのは常連で売ってる。手づかみで欲しいだけ袋に入れて買う(つまり工業処理はされていない)。安い。
日本でベビーリーフで山盛りサラダ作ろうと思ったら、たぶん1000円ぐらいかかる。
こういうサラダミックスを使ってしまうと、もうね、レタス洗ってちぎって、水気切って、それだけじゃ色が寂しいからパプリカでも千切りにしてミニトマトでもちょい飾る? なんてことをしてたのがアホみたいに思えますよ。
いわんやキャベツの千切りをや。
日本でのごはん作りが面倒だなあと思うのは、米の飯を炊くという行為が存在するからだとずっと思ってたんだけど、それ以上に、食材の売られ方が面倒なように出来ているような気がする。
で、それが面倒なので便利なものを作りましたよ、というのが軒並み、添加物などが多いレトルトやインスタントに流れているような気がする。食の文化の違いなんだけど。
昨日カルフールで買ってきたのはこんなもんたち。
野菜が1個から買えるのはありがたい。魚売り場でエビ2個だけ欲しいって言ったら、にこにこ売ってくれた。にこにこ2個で2.9€。ゆでてあるからそのまま食べられる。
茹でエビ2匹だけで豪華なランチになった。マイユのマスタードとマヨネーズさえあればうまいのよ。ワイン飲んで眠くなって昼寝しちゃったよ。
ちなみにフランスの家庭にはあまりまな板がなくって、みんなフライパンや鍋の上でナイフもってちゃかちゃか野菜切ったりする。なので、この野菜もそうやって切った。慣れたら上手に出来るようになる。皿の上で切ったりもする。まな板なんて管理が大変なだけって。
いや、とにかくこっちのごはんづくりラクです。
ほんとーよ。ほんとなのよ。
ラクで楽でもう、日本でごはんなんか作りたくないって思うぐらい。
こっちに住んでもう長い今日会ったお友達は、いられるまでこっちにいたいって。
「日本が一番おいしいなんてうそ。食材はこっちのほうが断然おいしくて安いし、何より外食が日本はおかしなことになっていると思うの。290円で食べられる牛丼とか、700円で食べられるちらし寿司とか、それね、もう農業や漁業をしてくれている人へのリスペクトが感じられないの。こっちは外食は高いけれど、それは食材を作ってくれた人、料理をしている人へのリスペクトでもあるのよ」って。
あれ、こんなこと思ってるのは私だけで、みんなはそうでもないのかな。日本でごはん作ってるかあちゃんたちは、さほど苦ではないのかな。
だからクックパッドとか大流行りなのかな。暮しの手帖の編集長さんがクックパッドに移って、また「キホン」とか言い出して高度化して「ていねいな暮らし」になっていくのかな。
「ねえ、ももせ。
もうこっち住んじゃいなよ。」
と、友達が言って帰った。
ごはんという部分だけで言えば、ほんとにそうしたい。
フランスにいるというと、いいわね、おいしいものがいっぱいあって、と言われて
でもそういう中身は三ツ星レストランだったり、高級ワインやチーズみたいなものが想定されていたりするけど、それ以上に、なんで毎日のご飯作りがこんなにラクなのか、というあたりがほんとに不思議で、それ、まだまだテーマだなあって思う。
今日はそんなお話でした。
明日から大学で早起きです。おやすみなさい。
昨日カルフールに行ったよという続き。
「フランスだって、カルフールとか同じじゃないですか。前に行ったとき、アメリカとまったく同じ風景でしたけど。なーんだ、農業大国とか、グルメの国とか言ってるけど、中身はアメリカと同じって思いましたよ」
この、知人に言われたことを確かめたくて、郊外の巨大なカルフールへ入ってみたというのが昨日のお話。
で、結果だがね
違うよ。
なんでこれがアメリカと全く同じ風景に見えるのか、私にはぜんぜんわからん。
日本のスーパーも、最近は歩き回るうちに料理をする気がまったくなくなることが増えたけど
新鮮でおいしそうな豚肉(トンカツにしたらうまそうだ)4枚で3ユーロとか
無造作に紙に包まれただけのカマンベール1ユーロちょっととか
そんなの見てたら、ほんと、料理したい! って萌える。
あー、買い物するのに必死で中の写真撮ってないです。
また機会があったら売り場の風景とか撮ってみますわー。
何日経っても色が変わらないカット林檎とか
ゆで卵の真空パック20個入りとか
中身が見えないケーシングに入った、異常に安いひき肉とか
クラッカーとサラミとチーズだけ入った子供用の1ドルのランチパックとか
アメリカのスーパーで大量に並んでいたそういうものに遭遇してエネルギーを吸い取られる確率が少ない。
なんつか、食品売り場に並ぶ農業や酪農、漁業に基づくものが、工業製品に圧倒されていない。
ということで、「違いましたよ」とその人にはお伝えしたいと思います。
あー、もしかしたら上記の人はNYとかLAあたりのホールフーズとかこじゃれたスーパーに行ったりしたのかな。
アメリカのほとんどの場所はNYでもLAでもないからね。
とはいえ、アメリカにいた時にごはん作りが飛躍的に楽になったのは確かだったの。
日本のごはん、一体何なん? というのが、あれからずっと私のテーマ。
なんで、こんなめんどくさいん?
アメリカの友達がね、こっち来たら家事が楽でラクで。
日本の主婦の家事なんてもうできないよ、って言う。
ごはんだって、ワンプレートでさっと作って、食器は食器洗い機。
フランスでも、ほんとそう感じる。
こっちのかあちゃん、そんな必死に料理せん。
で、これがある日の私の夕ご飯。
葉っぱそのままパックに入ってるのを、さっと洗って皿に投げ込む。
カリフラワーゆでながらついでにソーセージ茹でる。ハム足す。
ちなみにこのソーセージはブルストっていうホワイトソーセージで、とってもおいしい。大好物。
とにかくあとはおいしいバゲットとカマンベールとバター。ワインかビール。デザートにカルフールで売ってるパックのりんごのコンフィチュール。4個で1.4€ぐらい。この日は野菜茹でただけえらい。次の日はこれ。
あ、横だけどごめん。
葉っぱ投げ込む。昨日のカリフラワー出す。チンするだけのチキン。あとは昨日と同じ。パン、チーズ、バター、コンフィチュール。準備の時間10分もかからなかったんじゃないか。でもこれ、わびしい? 家族、これだとブーイングするかなあ。なんか十分成立している気がするんだけど。
そして一番重要なのは、チンするだけのチキン(しかも安い)が、十分おいしいことだ。味の素の鶏の唐揚げなぞ、足下にも及ばぬ。
今日うちに来た友達とも話していたんだけど、こんな風に「売ってるもの」が安くておいしくて、そういうもんを並べておくだけでどうにか絵になるというのは、とても大事だという気がする。
パテだって安くておいしいのよ。何よりパンがとてつもなくうまいから、そこにチーズとワインを出してしまえば、とりあえずなんとかなる。
日本はどうじゃ。
飯を炊き、みそ汁を作り、魚か肉を焼いたり蒸したり炒めたり揚げたりしたものに、おひたしとかサラダとか、なんかやることがすごーく多くて、じゃあ面倒だから総菜かってくるか? となっても、並べてみてもなんかわびしいねえということになる。
私はいつも日本でごはん作りながら、とにかく野菜の処理が面倒だなあと思うことが多くて。ほいでも、学校からも社会からも、野菜食べろ、野菜食べさせないと子どもがとんでもないことになるぞ! と脅されて、ほんとにいつも野菜と格闘してる。
ま、野菜好きだからいいけど。
アメリカの友達は、
「こっちはさあ、そのまま洗って出せばいいだけの野菜がいっぱい種類があって安いから、ほんとにラクよー! お肉焼いて、あとはパックから出せばいいだけだからー」
って言ってて、それ、ほんとにそうなの。
え、それって塩素漂白してるやつでしょ? ダメよ、そんなの買っては! って思う人いるかもしれないけど、違うよの。
アメリカもフランスも、パックに入って売られているのは、日本でいうと「ベビーリーフ」ってパックに入って売ってるようなやつ。切って消毒しているんじゃなくて、ただ葉っぱをいろいろ混ぜて、そのままサラダに使えるようにしてあるだけ。とても安い。
フランスではマルシェで、この「サラダミックス」とうのは常連で売ってる。手づかみで欲しいだけ袋に入れて買う(つまり工業処理はされていない)。安い。
日本でベビーリーフで山盛りサラダ作ろうと思ったら、たぶん1000円ぐらいかかる。
こういうサラダミックスを使ってしまうと、もうね、レタス洗ってちぎって、水気切って、それだけじゃ色が寂しいからパプリカでも千切りにしてミニトマトでもちょい飾る? なんてことをしてたのがアホみたいに思えますよ。
いわんやキャベツの千切りをや。
日本でのごはん作りが面倒だなあと思うのは、米の飯を炊くという行為が存在するからだとずっと思ってたんだけど、それ以上に、食材の売られ方が面倒なように出来ているような気がする。
で、それが面倒なので便利なものを作りましたよ、というのが軒並み、添加物などが多いレトルトやインスタントに流れているような気がする。食の文化の違いなんだけど。
昨日カルフールで買ってきたのはこんなもんたち。
野菜が1個から買えるのはありがたい。魚売り場でエビ2個だけ欲しいって言ったら、にこにこ売ってくれた。にこにこ2個で2.9€。ゆでてあるからそのまま食べられる。
茹でエビ2匹だけで豪華なランチになった。マイユのマスタードとマヨネーズさえあればうまいのよ。ワイン飲んで眠くなって昼寝しちゃったよ。
ちなみにフランスの家庭にはあまりまな板がなくって、みんなフライパンや鍋の上でナイフもってちゃかちゃか野菜切ったりする。なので、この野菜もそうやって切った。慣れたら上手に出来るようになる。皿の上で切ったりもする。まな板なんて管理が大変なだけって。
いや、とにかくこっちのごはんづくりラクです。
ほんとーよ。ほんとなのよ。
ラクで楽でもう、日本でごはんなんか作りたくないって思うぐらい。
こっちに住んでもう長い今日会ったお友達は、いられるまでこっちにいたいって。
「日本が一番おいしいなんてうそ。食材はこっちのほうが断然おいしくて安いし、何より外食が日本はおかしなことになっていると思うの。290円で食べられる牛丼とか、700円で食べられるちらし寿司とか、それね、もう農業や漁業をしてくれている人へのリスペクトが感じられないの。こっちは外食は高いけれど、それは食材を作ってくれた人、料理をしている人へのリスペクトでもあるのよ」って。
あれ、こんなこと思ってるのは私だけで、みんなはそうでもないのかな。日本でごはん作ってるかあちゃんたちは、さほど苦ではないのかな。
だからクックパッドとか大流行りなのかな。暮しの手帖の編集長さんがクックパッドに移って、また「キホン」とか言い出して高度化して「ていねいな暮らし」になっていくのかな。
「ねえ、ももせ。
もうこっち住んじゃいなよ。」
と、友達が言って帰った。
ごはんという部分だけで言えば、ほんとにそうしたい。
フランスにいるというと、いいわね、おいしいものがいっぱいあって、と言われて
でもそういう中身は三ツ星レストランだったり、高級ワインやチーズみたいなものが想定されていたりするけど、それ以上に、なんで毎日のご飯作りがこんなにラクなのか、というあたりがほんとに不思議で、それ、まだまだテーマだなあって思う。
今日はそんなお話でした。
明日から大学で早起きです。おやすみなさい。
サラダミックスも売っているし。
マイユのマスタードも普通に200円くらいで売ってますよ。
>飯を炊き、みそ汁を作り、魚か肉を焼いたり蒸したり炒めたり揚げたりしたものに、おひたしとかサラダとか、なんかやることがすごーく多くて、じゃあ面倒だから総菜かってくるか? となっても、並べてみてもなんかわびしいねえということになる。
この辺、フランスで同じことやろうとしたら、同じ手間かかりますよね?