写真・図版  スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんがインドの農業改革法に抗議する農家を支援するためにツイッターで公開した資料の作成に関与したとして、扇動の疑いでインドの22歳の環境活動家が逮捕されたことについて、同国で15日、政治家や活動家から非難の声が出た。写真は逮捕に抗議する人たち。15日ベンガルールで撮影(2021年 ロイター/Samuel Rajkumar)

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 [ベンガルール 15日 ロイター] - スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんがインドの農業改革法に抗議する農家を支援するためにツイッターで公開した資料の作成に関与したとして、扇動の疑いでインドの22歳の環境活動家が逮捕されたことについて、同国で15日、政治家や活動家から非難の声が出た。

 グレタさんはインドの農家を支援するための方法を記した「ツールキット」と呼ばれる行動計画をツイッターで共有していた。

 逮捕されたのは、グレタさんが主導する気候変動対策を訴える運動「フライデーズ・フォー・フューチャー」のインド部門のリーダーを務めるディシャ・ラビ氏。

 警察は週末にラビ氏の身柄を拘束し、自宅のあるベンガルールから首都ニューデリーに連行した。

 警察は先月の共和国記念日に農家の集団がムガール帝国時代の城塞「赤い城」を襲撃した事件に関する捜査の一環でラビ氏を逮捕したと主張。

 デリー警察の当局者は記者団に「ツールキットの主な目的は間違った情報を流布し、合法的に発足した政府への不信感を生み出すことだ」と述べた。

 警察は扇動罪と犯罪的共謀に該当するとしている。植民地時代に制定された扇動法は終身刑を科す内容となっている。

 最大野党、国民会議派のチダンバラム氏はラビ氏が「国への脅威になったとするならば、インドという国の基盤が非常に不安定だということだ」と批判した。

 ベンガルールでは人々が集まり、ラビ氏の釈放を訴えるプラカードを掲げた。活動家らは今後数日にかけてさらなる抗議デモを計画している。

 ベンガル―ルの「環境支援グループ」のメンバーは政府は若者が声を上げるのを阻止するため、ラビ氏の拘束によって恐怖心を植え付けようとしていると非難した。