平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「天澤寺殿三百年記録」を読む 12
東海道金谷宿大学成果発表会が無事終わった。閉講式のあと、島田工業高校新体操部のパフォーマンスがあり、大いに盛り上がった。3時から一時間ほど、反省会をして解散した。前向きの意見がたくさん出て、来年の成果発表会に生かせると思う。
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「天澤寺殿三百年記録」の解読を続ける。
天澤寺殿三百年諱
一 銀七枚 御法事料
一 銀三枚 御香奠
右の金、六両納む。 下ヶ札「今川駿河守」
従五位侍従、今川駿河守源朝臣範叙
一 金百疋 駿河守殿舅 天野高三郎
一 銀壱枚 代金三歩納む 今川要作
これはこの節、遠州中泉御代官職、四月十七日香奠納める。
一 白玉粉 弐袋 今川殿家老 組田藤太郎
団扇 弐本 方丈へ
一 小藁 十帖 同人 松源寺へ
一 金弐朱 同人 富春院へ
外にまた、一朱、小僧宗順、畳紙料としてもらい候由。
※ 白玉粉(しらたまこ)- 精白したもち米の粉。
※ 団扇(だんせん)- うちわ。
※ 藁(わら)- わら紙のこと。わら半紙。
※ 帖(じょう)- 紙や海苔を数える単位。半紙は二〇枚で一帖。
※ 畳紙(たとうがみ)- 折り畳んで懐中に入れ、鼻紙や詩歌の詠草などに用いる紙。懐紙(かいし)。
一 銭壱貫百文
光増寺 桃源寺 松源寺 大福寺
摂取寺 明王寺 結城寺 菩提樹院
少林寺 興禅寺 牧牛寺
一 銭三百文
龍泉院 神龍院
富春院 聖楽寺
西蔵寺 長学寺
一 金百疋 由井沢 由井郷右衛門
これは由井周防守殿、後と申す由。
※ 由井周防守(ゆいすおうのかみ)- 今川氏家臣。由井源左衛門光詔。由比の川入城城主。武田軍の駿河進攻により落城討ち死にした。
一 金壱朱 安倍口 千代村 落合将監代官 秋山惣兵衛
これは増善寺檀中にて、今川殿代香、見舞い旁(かたがた)登山
一 煎茶 壱帒(ふくろ) 増善寺
およそ壱斤ばかり
※ 帒(ふくろ)- ふくろ。
※ 斤(きん)- 尺貫法の質量の単位。一斤はふつう百六十匁(もんめ)で、約六百グラム。
一 練羊羹 壱筺 山原 長福寺
※ 筺(はこ)- 竹製の目の細かい籠。
都(すべ)て計、金七両壱歩壱朱
銭壱貫四百文
一 金百疋 今川与一左衛門氏房 花押
これは濃州岐阜の住
天澤寺廟所修覆寄付
一 金弐百疋 江川町 大石善右衛門
一 金弐百疋 領分 室津文蔵
一 金弐百疋 上桶谷町 小川太郎兵衛
一 金百疋 横須賀 東光寺
一 金百疋 同 滝惣兵衛
一 金百疋 尾羽根 牧田三作
一 金百疋 同 望月源助
一 金百疋 領分 竹下七五郎
一 金弐百疋 安西 疋野源兵衛
一 金弐百疋 同 築地文左衛門
一 金弐百疋 領分 忠兵衛
〆金四両壱歩なり
一 弐百文 上土村 是誰居士
これは方丈、心安きものなり。
一 粘入二百枚 清山高徒
宝物拝見旁(かたがた)来り、出頭頼むなり。
※ 高徒(こうと)- 特に優れた弟子。
一 銭拾貫六百六十文 十九日廿日賽銭
〆金拾壱両三歩壱朱
銭十二貫弐百文
差金壱両三歩三百文
惣計
金拾三両弐歩壱朱と三百文 把住
※ 差金(さきん)- 不足を補うために出す金。
※ 把住(はじゅう)- 禅の言葉。つかまえて置くこと。ここでは「収入」の意。
※ お金の単位の概要
① 両・歩(分)・朱(りょう・ぶ・しゅ)- お金の単位。四朱が一分、四分が一両。
② 貫・文(かん・もん)- 銭の単位。一千文が一貫。
③ 疋(ひき)- 銭を数える単位。一疋十文。百疋一貫。ここでは、百疋を一歩、四百疋を一両と勘定。
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