イーサリアム、期待されるアップグレードとは

ブロックチェーン技術の最先端を走ってきたイーサリアムは、2022年現在、イーサリアム史上最大のアップグレードの真っ只中です。

ビットコインに次ぐ、規模を誇るイーサリアムは利用者が多く、その人気ゆえにネットワークの混雑や環境問題など多くの課題が浮き彫りになってきました。

イーサリアム財団は、このような課題に対処するため、大規模なアップグレードの準備を進めてきました。2022年にはアップグレードの詳細が徐々に公開され、スケジュールも現実的なものになってきております。

アップグレードの必要性
イーサリアムは、ビットコインの仕組みやPoW(Proof-of-Work)アルゴリズムを活用し、貸付や通貨発行などを含む金融システムからガバナンスシステムに至るまで、あらゆることを分散的に行うことができる汎用なコンピューターとして確立しています。

イーサリアムの登場によって、DeFi(分散型金融)やNFTなど革新的なサービスの開発が可能になり、多くの人々に徐々に認知されるようになってきました。
一方で、急激な需要増加によって、いくつかの問題点が浮き上がってきました。

イーサリアムの抱える課題
①ネットワーク混雑
2021年のNFTブームから、ユーザー数やトランザクション数が増えてきた結果、トランザクションが遅延し、ガス代が高騰するなど一般ユーザーの利用が現実的ではなくなってしまうほどネットワークが混雑しました。

②エネルギー消費過多
イーサリアムやビットコインはPoW(Proof-of-Network)という仕組みを用いることで取引や送金が可能になりますが、その過程でマイニング(採掘)と呼ばれる膨大な計算作業を行うため、世界のコンピューターネットワークを24時間稼働させる必要があります。
イーサリアムのソフトウェア開発者はこのシステムの問題点である二酸化炭素の大量排出を解決するPoS(Proof-of-Stake)システムへの移行を目指して取り組んできました。

今後の改善内容
①環境への配慮
今後、移行を目指しているPoSは、ブロック作成時に大量の電力を消費して計算作業を行う必要がないため、CO2排出量が削減されます。
イーサリアム財団によると、この移行により99%以上のエネルギーを節約できるそうです。

②スケーラビリティの改善
2023年以内に、「シャーディング」という技術が導入される予定で、それによりスケーラビリティが大幅に改善すると言われております。
「シャーディング」とは、IT用語であり、本来の意味はデータを複数のサーバ―に分散させることで、パソコンへの負担を減らすという意味です。
イーサリアムでも似たような考え方で、トランザクションを「シャード」と呼ばれる単位に”分散”し、ノードをランダム上に各シャードに割り当てます。
そして、そのグループ毎に検証された結果のみをブロックチェーンに記録していきます。
これによりノードは、決められたトランザクションのみを処理すればいいので、ノードの負担を大幅に減らすことができ、スケーラビリティ問題も改善されるということになります。

③セキュリティ面の向上
「シャーディング」導入により、イーサリアムのセキュリティが強化されると言われています。
PoSの方が51%攻撃の耐性があると言われています。
51%攻撃とは、「ある特定のノード(ネットワークの参加者)が、ネットワーク内のマシンパワーの総量を超えるパワーでマイニングを行うと、そのノードの意のままにネットワーク全体が左右される」という問題で、分かりやすい表現でいうと「ネットワークの乗っ取り」のようなものです。
これをPoSで実行しようとすると攻撃者は51%以上の仮想通貨を所持していない限り攻撃不可能です。これは数兆円規模の非常に膨大な額であり、PoWでマイニングパワーの51%以上を支配するよりもコストがかかると言われています。
また、51%攻撃を行うと、ETHの価値が下がるため攻撃者自身が持っていた数兆円規模の価値も目減りし、攻撃者の利益にならない可能性が高くなります。故に、PoWと比較し、攻撃コストもリスクも高いと考えられます。


アップグレードの必要性、抱えている問題点、改善内容とまとめましたがいかがでしたでしょうか?
PoSなどの開発によって、イーサリアムの抱えている問題が解消したあかつきには環境意識の高い投資家が二酸化炭素排出の急減に注目し、ETHの値上がりが期待できそうですね✨

NFT LABO編集部 CHIE

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