神谷聰一郎さん死去 元静銀頭取、静岡商議所会頭 88歳

9時間前

 元静岡銀行頭取で静岡商工会議所会頭などを務めた神谷聰一郎(かみや・そういちろう)氏が11日、死去した。88歳。葬儀は家族のみで行った。

神谷聰一郎さん
神谷聰一郎さん

 慶大経済学部卒。1956年静岡銀入行。取締役東京支店長、常務、専務を経て93年から6年間、第8代頭取を務めた。邦銀の中でいち早くディスクロージャー(情報開示)に取り組み、地方銀行屈指の収益力水準に育てた。バブル経済下でも堅実経営を貫き、95年には米格付け会社から邦銀最高の格付けを獲得。財務内容の健全性が高く評価された。
 会長時代の2001年から05年までは静岡商工会議所会頭を務めた。経済界の立場から旧静岡、清水両市の合併推進を働き掛け、中小企業支援などにも力を注いだ。
 静岡銀行は、お別れの会の開催は未定としている。

 ■「地域経済に貢献」 静岡県内経済界から悼む声
 元静岡銀行頭取の神谷聰一郎氏の訃報が伝わった27日、県内経済界からは地域振興に尽力した神谷氏を悼む声が相次いだ。
 中西勝則静岡銀会長は「地域経済の発展に貢献することを自らの使命とし、他に先んじて新たな取り組みを推進する静岡銀の伝統を先頭に立って体現した。大きな精神的支えを失った悲しみは大きい」としのんだ。
 静岡商工会議所の酒井公夫会頭は「旧静岡市と旧清水市の合併、政令指定都市化を経済界のトップとして実現に導いていただいた。強いリーダーシップで静岡の経済をリードしたことに改めて感謝したい」と功績をたたえた。
 富士山静岡空港株式会社の役員を共に長く務めるなど、交流を深めたスズキの鈴木修相談役は「温厚篤実な人柄で、模範となる経営者だった」と別れを惜しんだ。

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