テスラコイルをPICでデジタル制御
テスラコイルとはニコラ テスラが発明した高周波高電圧発生装置です。彼は現在使われている交流電源システムを開発した偉大な科学者でしたが今では世間から忘れ去られ磁力の単位にテスラの名前が残っているだけです。彼の業績はもっと高く評価されるべきだと思います。
テスラコイルは空芯式の巻数の少ない一次コイルと巻数の多い二次コイルを用い一次コイルに高周波電圧を掛け二次コイルの共振を利用して高周波・高電圧を発生させる装置です。一次コイルに高周波を発生させるには以前はスパークギャップを用いていましたが、最近はFETを利用して高周波を発生させるSSTC(Solid State Tesla Coil)が増えてきました。テスラコイルの共振周波数は一次コイルと二次コイルそして放電極である容量球によって決まります。テスラコイルは作ってもなかなか上手く共振しません。それは共振周波数をを推定するのが難しいからです。そこでPICで周波数を可変にしかつPWM制御機能を使用して共振周波数とデューティ比を可変させ確実に共振するデジタル制御のテスラコイルに挑戦して見ました。
PWM回路はハーフブリッジ式にしPICは高クロックで使えモーター制御PWMを持ちDC5Vで使えるdsPIC30F4012を選びました。
1次コイルはφ3.5の園芸用の茶色いアルミ線をφ70のアクリルパイプに6回巻き、2次コイルはφ0.16のウレタン線をφ60のアクリルパイプに約1500回巻きました。容量球はφ66の真鍮の半球を2つ合わせてあります。
テスラコイル装置

テスラコイル

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テスラコイル高周波発生部

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テスラコイル操作パネル

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実際に装置をを組立てて実験すると中々上手く行かず、FETがショートして、熔けたり爆発したりしてFETを20個以上無駄にしましたが、なんとか放電に成功しました。共振周波数は約480KHzでした。容量球からアース線のあいだの放電及び、容量球に取付けた鉄線が放電で線香花火の様に燃える動画を撮影しました。
テスラは無線送電で世界中に電気を送電するという壮大な計画を立て送電用にウォーデンクリフ・タワーと呼ばれた巨大なテスラコイルを建設しようとしましたが夢で終わりました。無線送電のミニチュア実験として、テスラコイルの高周波電波で蛍光灯を無線で点灯させて見ました。
高周波電流は物体の表面を流れるので感電しない性質が有ります。手に持った金属棒にテスラコイルから放電させて見ました。
電圧は10万ボルト以上有りますが感電しません。
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