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Amazonで☆1けなし酷評レビューをもらったよ! ~小説家になろう・作家組合を作りたい件~ 作者:山田露子
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『え? あなた、登場人物に、身内でも殺されたの?』


※以下、著者(山田露子)と助手の会話形式でお送りします。


***


山田「ちょっと皆さんに聞いてもらいたい話がありましてね」


助手『はぁ、なんでしょうか』


山田「実はこの度ね――わたくし山田が出した小説にレビューが付きましてね。Amazonのレビューなんですけど」


助手『よかったじゃないですか』


山田「違うんですよ。そのレビューでディスられたんですよ。きもいとかくずというようなことを言われてしまって」


助手『ほんまですか? ……え? 山田さんの小説って、誰かにディスられるほど、売れていましたっけ? 日本全国で、たった三人しか読んでないっていう噂を聞きましたけど』


山田「おーい! 三人しか読んでないってどういうことだ! それ、編集部しか読んでねぇってことだろ! おい、助手、てめぇこの野郎、殺すぞぉ‼」


助手『怖っ……! すげーブチ切れてきた……あ、すんません、冗談です』


山田「おうこら、てめぇよぉ……わしの小説はなぁ、『全米も泣いた』言われてんねん!」


助手『嘘つけよ。アメリカ人、ひとりも読んでねぇよ。……え、もう、なんなの? どんなレビューなんですか?』


山田「実際のレビューのほうは、あとでちゃんと、タイミングで晒していきますよ」


助手『……え? ガーシー?』


山田「私はガーシーイズムを受け継ぐ、マイナー作家――人呼んで、『ヤマダーシー』」


助手『うるせぇ』


山田「とにかく問題のレビューはですね、相当おいしいネタなので、あとでじっくりやっていこうと思っていますよ。細かく検証して、たっぷりこすり倒していきたいのでね。タイミングで晒していきます」


助手『ヤマダーシー……(涙)』




***




助手『でもあのぉ……書かれたレビューをこの場でディスり返すの、やめたほうがよくないすかねぇ?』


山田「え、なんで?」


助手『だって、やばい人かもしれないですよ。洒落にならんかも』


山田「いや、たぶんいい人だよ。全力でディスり倒しても、大丈夫だよ。許してくれるよ」


助手『おい、馬鹿! マイナー作家の小説をAmazonでボロクソにけなしている時点で、ヤベーやつだろ!』


山田「いやいや、助手くん、君ねぇ、そういう言い方はよくないよ。その人は、小説にのめり込むタイプってことだよ。感受性が強いんだよ。前のめりに読んでいるから、イラっとする時も反動が激しいんじゃない? ――つまりその人は、小説が大好き、愛しているってことだね」


助手『……はぁ、なるほど……? じゃあその人、他にいっぱい小説読んでいるってことすか? 読書家で、年間千冊くらいレビューしている人なの?』


山田「いや、その人、全部で数冊しかレビューしとらんかった。今喋っている時点で四冊だけ。あとレビュー中、マイナーなのは私だけで、ほかは、何冊も出版しているような売れている小説にしかレビューしとらんかった」


助手『やばっ……! ひぃ、ヤマダーシー……! やめとけ、そいつ、絶対お触り禁止なやつだからぁ!』


山田「失敬だな、君は」


助手『あれじゃないすか? 山田さんの知人とかで、誰かに恨まれてないすか?』


山田「私怨でけなしレビューを書かれたってこと? そりゃないよ。私、知人とかに小説書いていること、言いふらしてないもん。これ、ペンネームだし、バレようがない」


助手『じゃあ、山田さんがサイト掲載している小説を読んで、Amazonまで行っちゃったアンチかなぁ』


山田「おい、ばっきゃろう‼」(※ビシィ! という謎の音)


助手『あ、暴*振るうのは、はやめてください。コンプラとか厳しいんで』


山田「ごちゃごちゃうるせぇんだよー!!! おい、今の言い方だと、まるでサイトに私のアンチがいるみてぇじゃねぇか‼ いるわけねぇだろ! こんな七三分けの常識人に、アンチがつくわけねぇだろがい‼」


助手『いや、おるやろ! 明確におるやろ!』


山田「なんでよぉ、おかしくない? わし、全然バズってへんねんけどぉ」


助手『いやいやいや……Amazonにわざわざアンチレビューする人がいるくらいですよ? バズってないと、そんなことされませんて』


山田「それがほんまやねん」


助手『そうはいうても、ブクマ一万とか超えているんでしょう?』


(……二人、山田のなろうページを確認……)


山田「……ほらな?」


助手『やだぁ、嘘ぉ……ブクマ六千とかじゃん……コツコツ系の中堅作家じゃん。そんな派手に跳ねてねぇじゃん……』


山田「それでアンチつくって、ひどくね? そもそも目立ってねぇのにさ、『何あの子、目障りね! キィーッ!』みたいなさ……なんでよ?」


助手『あ、分かった! 読者に嫌われるようなこと、したんじゃないですか? 有名作をパクったとか』


山田「するかいな。逆にパクっとったら、わし、もっと売れとるわ」


助手『……確かに。人気作に似ていたら、もっとバズってそう……』


山田「文章も別に、読者にキレられるような、ひどいもんじゃないじゃん?」


助手『そうすねぇ。……あー……えーと、SNSとかやってますぅ? キラキラしい私生活とかUPしてません? そういうのって、あまりよく思わない人もいるみたいですよ。芸能人についているアンチとか、そうでしょ』


山田「わし、SNSやってへんねん……」


助手『…………』


山田「なんで嫌われたんだろう? ……あ!」


助手『どうしました?』


山田「心当たり、あるかもぉ! 一個思い付いたわ」


助手『なんすか』


山田「いやね? 結構前に、薄……毛?のキャラクターをこう……『ハ*』というワードで表しちゃったことがあるのよ……絶対だめよね。デリカシー、ないわぁ。今はもう該当箇所は修正したけどね? ……いや、私、ブ*ース・ウィ*ス先生が好きなもんでね、全然、薄……(もにょ)自体をディスる気なかったんだけど」


助手『絶対、違う! いや、『ハ*』ワードは確かに今のご時世、アウトだけれど! あんたが他人から恨み買ったの、絶対、その件ちゃう!』


山田「でもそのくらいしか、思いつかないわけよぉ……」


助手『あれじゃないすか? 山田さんがなろうに掲載した小説で、もらった感想のいくつかを削除した件じゃない?』


山田「まぁ、それはねぇ、確かに……。せっかく書いてもらったのに、悪いなぁ……とは思うけどね。でも仕方ないんだよ」


助手『なんでですか?』


山田「私は器が小さいんだよぉ。受け止めきれないこともある」


助手『受け止めろよ! そんなひどいこと、書かれてねぇだろ』


山田「自慢じゃないけど、私の忍耐力は、おちょこ一杯分なんだ」


助手『じゃあ仕方ないね。おちょこを溢れさせるような感想送っちゃあかんよ。器が大きい作家と同じように考えたら、あかんね』


山田「そうよ。道の向こうから反社の人が来たら、サッとよけるでしょ? 相手見んといかんよ、って話。おちょこのヤマダーシーに、グイグイ詰める系の感想送っちゃだめよ。――あと、汚い言葉もアウトね! うんこ系とかね! ここ、テストに出ますよ! ヤマダーシーはおちょこくらい器が小さいから、そういう感想、ビシビシ消していきますからね!」


助手『一体、誰に言ってんだよ。ていうか、あんたが一番汚い言葉使ってんじゃねぇか。うんことか言うんじゃねぇよ。……なんか他に、読者の恨み買うようなこと、してません?』


山田「いや、ないなぁ……。とにかく私、自慢とかせんしさぁ……誰かに嫉妬されようがないのよ」


助手『まぁ、それはそうですねー。こう言っちゃなんだけど、ヤマダーシーが恨まれるくらいなら、ほかの作家はもっと大炎上しそうですよねー』


山田「せんわぁ……」




***




助手『ふと思ったんですけど……Amazonのレビューって、ほかの作品とかでも、結構、好き勝手に書かれていません? すごい名作の映画とかでも、とんでもなく呪詛めいた、憎悪のかたまりみたいなレビュー見かけますよ? ――『え? あなた、登場人物に、身内でも殺されたの?』って質問したくなるくらい、毒々しいやつ』


山田「まぁそうねぇ。今は、一億総評論家時代って言うものね」


助手『そうそう。褒めレビューが五十くらいあったら、一つはけなしが入ってくるものよ。もうそういうもんだから。気にしちゃあかんよ』


山田「――おーい、てめぇ、わざとか、コノヤロー!!!!!」


助手『うわ、怖っ……! また急にブチ切れてきたぁ』


山田「わしの小説なぁ、レビューたった二件やねん!」


助手『え……?』(助手、殺人事件を目撃したような顔付きに)


山田「わしの小説なぁ、レビューたった二件やねん‼」


助手『同じこと、二回言うた! ……え? 全二件?』


山田「せやねん。完全版1で一件、完全版2で一件」


(二人、Amazonのページを確認)


助手『……うわぁ……ほんまやぁ……。でも、星はニ十人くらいが評価してんのね? ……でも確かに、レビューは全部で二件しかないわぁ……』


山田「どうでもいい話だけどさ――Amazonって、☆の数と同じだけ、レビューも存在していると思ってたよ。でも、違うんだね。――電池とか買う時、評価の☆が何千個とかついていて、レビューとかさっと上位のやつだけ読んだりするけど、『実際に何個書き込みがあるか』とか確認したことなかったからさ。てっきり、☆の数と同じだけレビューあると思っていたわぁ」


助手『星を押すだけなら簡単だけど、文章書くのって、結構手間ですからね』


山田「そうそうそう、書き込むのは面倒――って、おーい!!!!!!」(ガシャーン‼)


助手『ひぃ! スマホ投げないでください! あんたのスマホだから別に構わんけど、液晶、粉々になってますよ』


山田「レビューを書き込むのは結構面倒なのに、山田のようなマイナー作家の小説のために、レビュー数件しかしてないようなやつが、わざわざ書き込みしたっちゅーんかい!!! これがな? 褒めてくれとるんなら、『ああ、普段レビューしない人だけど、心動かされて書いてくれたんだなぁ。超いい人ぉ☆』ってなるけど、人をけなすためにわざわざ重い腰上げるって、どないなっとんねん!!!」


助手『ていうか、あんた、どんだけ他人から恨まれてんだよ(半笑い)』


山田「ちなみにぃ! 完全版2のほうの、めちゃくちゃ褒めてくれている、超優しい人ぉ!!! ありがとぉぉぉぉぉう!!!! キュンだぜぇ!!!! やだ、もう、誰ぇ? お礼に、お中元送ろうかしらぁぁぁぁ!!!!」


助手『声でけぇ!! 耳キーンなるわ!!』


山田「あのな。耳キーンのワード、パクリだからな。安易にパクったら、いかんと思う」


助手『いやいやいや。突然『ヤマダーシー』とか名乗り出したやつに、言われたくないわ』



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