上瀬谷桜並木伐採、反対署名3万筆超 横浜市長に市民ら提出

足立優心
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 【神奈川】米軍上瀬谷通信施設跡地(横浜市瀬谷、旭区)で行われる開発を巡り、横浜市が道路を拡張するため跡地内の桜並木の伐採を計画している。こうした動きに対して市民有志が12、13の両日、伐採に反対する署名を山中竹春市長あてにそれぞれ提出した。

 環状4号線の通称「海軍道路」沿いの桜並木には282本のソメイヨシノがあり、このうち226本が跡地内にある。市は道路拡張に伴い跡地内の大半を伐採する予定で、市民有志の「上瀬谷の未来を考えよう会」は13日、伐採計画に反対する署名3万5053筆を市長宛てに提出した。

 市は226本のうち8割程度が老木化が進んでいたり、幹や根が傷んだりしているなどとしている。これに対して記者会見した同会のメンバーは、桜並木のソメイヨシノは1982年ごろに植えられ、全てが古くなっているわけではないと指摘し、一律の伐採に反対した。署名では、2027年に跡地で行われる予定の国際園芸博覧会(花博)の「費用の計画見直し」や「自然を生かしたまちづくり」なども訴えている。

 また別の署名活動を行った市民団体代表の高橋健太郎氏も12日、伐採計画の見直しを訴える1689筆の署名を市長宛てに提出した。署名提出後の記者会見で高橋氏は「道路を拡張するにしても、違う計画にするなど桜並木の伐採を避ける方法はある」と訴えた。

 いずれの署名もネット上で行われた。今後も引き続き署名を集め、市に随時提出するという。

 市の担当者は取材に対して、「まちづくりに合わせて桜並木の再生を行い、新たな桜の名所作りに取り組みたい」とコメントした。(足立優心)