「介護関連の資格には、何があるの?」
「介護の資格って、どうしたら取れる?」
介護業界に継続して身を置こうと考えている場合、目を背けていられないのが資格取得ですよね。
たしかに資格を持っているだけで、できることが増えたり手当がもらえたりします。
そこで今回は介護関係の資格を紹介するとともに、それぞれの取得方法について解説していきます。
◆本記事の内容
- 介護関連の資格って何がある?
- 介護の資格の取り方
本記事を読むことで、介護関連の資格だけでなく取りやすいものについても理解できるようになるでしょう。
介護関係の資格取得を検討している人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
介護関連の資格って何がある?
まずは、介護関連の資格について解説します。
今回紹介する介護関連の資格は、以下の9つです。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- 介護事務
- 福祉用具専門相談員
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 理学療法士
1つずつ、詳しく解説していきます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修が導入される前には、ホームヘルパー2級という名前でした。
介護職の入門として広く知られている資格であり、ホームヘルパー2級と比較してできることが多くなります。
在宅、施設勤務に関わらず必要やスキルや技術を学べる資格です。
介護福祉士実務者研修
介護職員初任者研修を受講した人が、つぎに考える資格として知られます。
6ヶ月以上の介護福祉士実務者研修の講座修了と3年以上の実務経験を積めば、介護福祉士の実施試験が免除可能です。
介護職員初任者研修と比較して、より高度な介護技術を学べます。
介護福祉士
国家資格の介護福祉士は、ヘルパーの指導もできます。
介護業務のプロフェッショナルであり、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修よりも職場で優遇されるでしょう。
介護福祉士資格の手当ももらえるので、施設によっては収入アップも狙えそうです。
ケアマネージャー
直接的な介助は行わないものの、サービスの計画を練る重要な役割です。
施設利用者の健康面やスケジュールによって、ケアプランは変化させます。
一度作成して終わりではないため、継続的に利用者に関わるための資格といえそうです。
介護事務
介護事務は、保険などの報酬に関わる計算などを行うための資格です。
主にパソコン業務を行うため、介護福祉士のように直接利用者の身体に触れることはありません。
しかし規模の小さな施設であるほど、介護福祉士などとのコミュニケーションは密に取る必要があります。
コミュニケーションも、迅速な作業もこなせる人におすすめな資格です。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員の資格は、利用者の状況に適した道具を選定・提案できるようになる資格です。
福祉用具は利用者の身体はもちろん、心のケアについてもしっかり確認して事故がないように選定しなければいけません。
また各福祉用具の使い方についても、利用者にレクチャーするため勉強します。
社会福祉士
社会福祉士(ソーシャルワーカーともいいます)は、利用者本人だけではなくご家族の相談にも乗ります。
つまり要介護者の目線だけではなく、その人を支える家族の状態や心境についても勉強する資格です。
また介護の必要な方への支援もするので、幅広い知識を学びます。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、主に心の病を抱えた患者を相手にします。
業務内容としては相談に乗ったりアドバイスをしたりしますが、精神的な病ということもあり言葉選びの1つひとつに知識が必要です。
最終的には社会復帰を目指し、その手助けをするための資格が精神保健福祉士となります。
理学療法士
理学療法士は、リハビリテーションにおいて「起き上がる」「立つ」「歩く」などの基本動作を回復させる仕事です。
リハビリテーションでは動きにくい身体の扱い方や動かし方、回復までの過程などの知識が必要となります。
基本動作の回復をサポートするうえで、理学療法士の資格は必須です。
介護の資格の取り方
つづいて、介護の資格の取り方について解説します。
今回紹介する介護の資格(取り方)は、以下の9つです。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)
- 介護事務
- 福祉用具専門相談員
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 理学療法士
1つずつ、詳しく解説していきます。
介護職員初任者研修
介護の資格の取り方、1つ目は「介護職員初任者研修」です。
介護職員初任者研修はスクーリングが必要となるため、受講したいスクールを探します。
スクールごとに介護職員初任者研修の日程を組んでいるので、入学した場所の指示に従って受講しましょう。
介護福祉士実務者研修
介護の資格の取り方、2つ目は「介護福祉士実務者研修」です。
介護福祉士実務者研修は、受講できるスクールや資格講座を探します。
費用・時間ともに節約するには、介護職員初任者研修を受ける際に介護福祉士実務者研修とセットで販売されている講座を推奨します。
スクールの場合はセット割などが存在する場合もあるため、入学したいところに問い合わせてみましょう。
介護福祉士
介護の資格の取り方、3つ目は「介護福祉士」です。
介護福祉士の資格を取得するには、以下の3通りがあります。
- 実務経験から介護福祉士になる
- 福祉系高校に入学し介護福祉士になる
- 養成施設に入学し介護福祉士になる
詳しく解説していきます。
実務経験から介護福祉士になる
介護福祉士の資格を取得する方法、1つ目は「実務経験から介護福祉士になる」です。
実務経験から介護福祉士を受ける場合は、以下の2つを満たしましょう。
- 介護の現場で3年以上勤務(実働540日以上)
- 「実務者研修」という講座を修了する
介護職であれば雇用形態は問わず、正社員以外のパートやアルバイト、派遣でも実務経験として認められます。
上記の2点が当てはまれば介護福祉士の受験資格を取得できるので、あとは勉強して合格するだけです。
福祉系高校に入学し介護福祉士になる
介護福祉士の資格を取得する方法、2つ目は「福祉系高校に入学し介護福祉士になる」です。
高校のなかには、福祉科や介護福祉士コースなどを設けている場所もいくつかあります。
そこで専門知識を学び、卒業するとともに介護福祉士の受験資格が取得可能です。
福祉系高校の卒業生は実技資格が免除されるので、試験は筆記のみです。
しかし特例高校の場合は、卒業してから9か月間の実務経験が必要となります。
養成施設に入学し介護福祉士になる
介護福祉士の資格を取得する方法、3つ目は「養成施設に入学し介護福祉士になる」です。
福祉系の専門学校(養成学校)などを卒業した場合は、合格と共に介護福祉士の受験資格が得られます。
養成学校に通う期間は、それぞれどのような学校を卒業したかによって変化します。
- 高校や大学を卒業した場合:2年以上養成学校に通う
- 福祉系大学を卒業した場合:1年以上養成学校に通う
- 社会福祉・保育士の専門学校を卒業した場合:1年以上養成学校に通う
今までは学校の卒業とともに介護福祉士の資格が得られていましたが、2022年度からは筆記試験を実施します。
その代わり、実技試験は免除されて筆記試験への合格のみで介護福祉士の資格が取得可能です。
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護の資格の取り方、4つ目は「介護支援専門員(ケアマネージャー)」です。
介護支援専門員(ケアマネージャー)になるには介護支援専門員実務研修受講試験に合格して、実務者研修の修了と各都道府県への登録が必要となります。
またケアマネージャーの取得には、介護福祉士として現場での実務経験が5年以上必要です。
介護事務
介護の資格の取り方、5つ目は「介護事務」です。
介護事務はそれぞれ開催団体が異なり、たとえば以下の3つが挙げられます。
- 介護事務管理士 (JSMA技能認定振興協会)
- ケアクラーク (日本医療教育財団)
- 介護報酬請求事務技能検定試験 (日本医療事務協会)
通学や通信講座で勉強し、それぞれの団体で開催される試験に合格すると資格取得となります。
だれでも受講できるものがほとんどですが、民間資格です。
福祉用具専門相談員
介護の資格の取り方、6つ目は「福祉用具専門相談員」です。
福祉用具専門相談員は、指定講習を受講して修了試験に合格することで取得できます。
また介護福祉士や社会福祉士、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、義肢装具士に関しては、資格を保有しているだけで福祉用具専門相談員として認められます。
社会福祉士
介護の資格の取り方、7つ目は「社会福祉士」です。
社会福祉士の取得には、以下の3通りがあります。
- 福祉系大学等を卒業して社会福祉士になる
- 福祉系短大等を卒業して社会福祉士になる
- 社会福祉主事養成機関を修了して社会福祉士になる
詳しく解説するので、参考にしてみてください。
福祉系大学等を卒業して社会福祉士になる
社会福祉士の取得方法、1つ目は「福祉系大学等を卒業して社会福祉士になる」です。
福祉系大学を卒業した場合、そのまま社会福祉士の資格受験ができます。
しかし履修科目が基礎科目のみの場合は、さらに短期養成施設に通い6カ月以上の通学が必要です。
福祉系短大等を卒業して社会福祉士になる
社会福祉士の取得方法、2つ目は「福祉系短大等を卒業して社会福祉士になる」です。
福祉系短大などを卒業した場合、指定科目を履修している状態なら実務と合わせて4年間の経験があれば社会福祉士の受験資格を得られます。
- 3年制の学校……1年間の相談援助実務経験
- 2年制の学校……2年間の相談援助実務経験
基礎科目のみを履修している場合は、上記を満たしたうえで6ヵ月以上のカリキュラムを短期養成施設などで履修する必要があります。
社会福祉主事養成機関を修了して社会福祉士になる
社会福祉士の取得方法、3つ目は「社会福祉主事養成機関を修了して社会福祉士になる」です。
社会福祉主事養成機関を修了している場合は、2年制の短期大学を卒業した人と同様の扱いとなります。
つまり上記で解説したように、2年の相談援助実務が必要です。
さらに短期養成施設に入学して必要なカリキュラムを6ヵ月以上履修することで、社会福祉士の受験資格を得られます。
精神保健福祉士
介護の資格の取り方、8つ目は「精神保健福祉士」です。
精神保健福祉士の取得には、以下の3通りがあります。
- 福祉系大学などで指定科目を履修・修得して精神保健福祉士になる
- 福祉系大学・短大で基礎科目を履修して精神保健福祉士になる
- 一般大学・短期大学に進学して精神保健福祉士になる
詳しく解説するので、参考にしてみてください。
福祉系大学などで指定科目を履修・修得して精神保健福祉士になる
精神保健福祉士の取得方法、1つ目は「福祉系大学などで指定科目を履修・修得して精神保健福祉士になる」です。
詳しくは、以下の表で解説します。
卒業する学校 | 必要要素 | メモ |
4年制大学の福祉系学部 |
|
うち、人体の構造と機能および疾病、心理学理論と心理的支援、社会理論と社会システムは、1科目のみの履修・修得でも可能 |
福祉系の短大(3年・2年) |
|
─ |
専門学校(3年・2年) |
|
─ |
実務は厚生労働省が定める精神科病院など、指定された施設での経験を指します。
卒業する学校と通った年数によって、精神保健福祉士の受験資格をもらえるまでの道のりが変化することを確認しておきましょう。
福祉系大学・短大で基礎科目を履修して精神保健福祉士になる
精神保健福祉士の取得方法、2つ目は「福祉系大学・短大で基礎科目を履修して精神保健福祉士になる」です。
福祉系大学や短大などで基礎科目のみを履修した人は、卒業後に短期養成施設で6ヵ月以上の通学が必要となります。
また福祉系大学、短大に通っていた年数によって、短期養成施設に入るための実務経験年数が決まります。
- 3年制の福祉系大学・短大を卒業の場合……1年以上の実務経験年数
- 2年制の福祉系大学・短大を卒業の場合……2年以上の実務経験年数
また実務経験は、厚生労働省の定める指定施設(保健所、児童相談所、病院、知的障がい者更生相談所など)が該当します。
一般大学・短期大学に進学して精神保健福祉士になる
精神保健福祉士の取得方法、3つ目は「一般大学・短期大学に進学して精神保健福祉士になる」です。
福祉系大学など以外で卒業した場合は、一般養成施設に1年間通うことで精神保健福祉士の受験資格を得られます。
- 3年制の一般大学・短大を卒業の場合……1年以上の実務経験年数
- 2年制の一般大学・短大を卒業の場合……2年以上の実務経験年数
また一般大学を卒業後、一般養成施設などで学ぶ前に実務経験が必須です。
理学療法士
介護の資格の取り方、9つ目は「理学療法士」です。
理学療法士になるには、以下の養成校を卒業することで国家資格への受験資格が得られます。
- 専門学校(3~4年制)
- 短期大学(3年制)
- 大学(4年制)
また上記は、文部科学大臣に指定されている養成校であることが必須です。
まとめ
今回は介護関係の資格を紹介するとともに、それぞれの取得方法について解説しました。
ここで、本記事のおさらいをしていきましょう。
1.介護関連の資格って何がある?
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- 介護事務
- 福祉用具専門相談員
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 理学療法士
2.介護の資格の取り方
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- 介護事務
- 福祉用具専門相談員
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 理学療法士
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