精選版 日本国語大辞典「薤露」の解説
かい‐ろ【薤露】
〘名〙 (「薤」は「にら」で、その上に置く露がかわきやすく落ちやすいところから) 人の世や命のはかないこと、人の死、またはそれを悲しむ涙などにいう。中国、漢代の田横が自殺したとき、その門人たちの悲しみの歌の中にこの語があったところから、葬送の時にうたう歌、すなわち挽歌の意にもいう。
※文華秀麗集(818)中・奉和侍中翁主挽歌詞〈菅原清公〉「鳳掖栄華尽。為書卜兆通。向レ朝傷二薤露一。欲レ暮泣二楊風一」
※雑俳・柳多留‐八六(1825)「薤露の御車引く牛も力なし」 〔古今注‐音楽〕
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