「ゆっくり茶番劇」第三者が商標登録、批判噴出 爆破予告騒ぎも

スジが通っていない場合の日本人の行動はまさに武士。

ちょっと今回は投資とは少し離れる話だが、上記ニュースであるようなよくニコ動やYoutubeの動画で使われているゆっくり茶番劇が商標登録がなされて大騒動が起きている件についてふと思うことがあった。
今回の騒動は音声合成ソフトやそもそも元キャラの二次創作として生まれたキャラに対して生みの親でもなんでもない人間が商標登録をしたために方々から批判を受けて、かつ当の本人や所属事務所などへ逮捕も辞さないような行為が次々と行われ、耐えきれなくなってきた当事者が一旦ライセンス使用料金不要と発表したが、さらに火に油を注ぐ展開となった。


この騒動を見た時、真っ先に下記書籍で書いてあることを思い出した。

【参考書籍】

スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

この書籍では中国では量が大事で、日本ではスジが大事という話が事細かに書かれており、まさにこれに合致した話だなと思った。

日本人というのは他国と比べて、物事に対して「スジ」が通っているかどうかを非常に重視する国民性がある。
例えば中国では年収が高い人物が友人に1000円を貸したのに返してもらえなかった場合、ほとんどの人は何も気にしない。
それは自分の年収は資産に対して1000円というのが非常に少ないからという話である。
(逆に言うと年収や資産が低ければ1000円で大騒動を巻き起こす)
一方で日本人の場合は1000円を友人に貸して返ってこなかった場合に、年収や資産の多寡にかかわらず失った理由に正当性があるかどうかで物事を判断する。
もし友人が1000円を返してこなかった理由がギャンブルであれば大いに怒り狂うだろうが、貧困に窮してて明日のご飯代も払えないという理由であればしょうがないよねと許してくれる。

このように日本人は「スジ」が通っていれば許容幅が大きいのだが、逆に言えば「スジ」が通っていないことに対してはどんな手段を使ってでも相手が屈服するまでぶちのめすという激高的な性格も内包している。
このどんな手段でもというのは信じられないことに自分が訴訟を受ける可能性のあるリスクでさえ取ることを厭わないケースも多々あるため、ここで舐めた態度を取ると現実世界で何かしらの被害を受ける可能性さえある。
インターネットおじさん界隈で思い出されるのはのまねこ騒動で、avexが当時の2chのマスコットキャラクターであるぎこねこに酷似したキャラクターの商標登録をしたところ大炎上して、avexはひたすら攻撃を受けたことにある。
この時は結局商標登録を削除するまで攻撃は続いた。
法的にはのまねこはぎこねことは違うキャラクターであるものの、そもそものまねこ自体がぎこねこがお酒を飲んでいるキャラクターの派生として自然発生的に生まれたものであり、これを生みの親でもなんでもないavexが権利を主張したがために全く持って「スジ」が通っていないということで猛反発を受けたケースである。
しかも、ぎこねこの知名度が高かっただけに数の暴力という形で攻撃が波状的に受けたために、当事者から見れば法的に大丈夫なのになんでこれだけ攻撃を受けるのかと思うような攻撃を受けた。

今回のゆっくり茶番劇の商標登録も生みの親でもなんでもない人間がいきなり商標登録をかますという一ミリも「スジ」が通っていない行為をした上に、その影響範囲がYoutubeでソフトークの合成音声を利用している人やこれまで二次創作してきた多数の人間の権利にまで及ぼすことから巻き込んでいる人数も多い。
しかものまねこの時代はツイッターがなかったにもかかわらずあれだけの騒動が起きたので、今回の商標登録事件はあの時より商標登録周りの人間に対する攻撃は過激化するだろう。
合法かどうかという確認は最重要だが、加えて日本では「スジ」が通っているかどうかの確認ができなければこうした大騒動で実務的な被害を受けることは避けられない。

これは日本企業も同様で、これが日本企業の強みでも弱みでもある。
スジを求めるために素材系や工作機械などスジを通した部分の追及が強いのだが、一方でスジを求めすぎているために中国・米国のように足りない部分はどこかから買って来ればいいという割り切りができていないという考え方ができる。

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