G7サミット開催「広島の魅力、目で舌で世界に発信」
2023年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)が広島市で開かれることが決まった。誘致に向けて協議会を立ち上げていた広島県と広島市、広島商工会議所の代表3者が23日に記者会見し、歓迎の声を上げた。観光業や宿泊業は新型コロナウイルス禍で打撃を受けており、広島の魅力を世界に発信する機会に期待が高まっている。
「世界中から訪れるサミットの関係者に広島の魅力を目で舌で気持ちで味わってもらい、広島は素晴らしかったと発信してもらえるように準備する」。湯崎英彦知事は平和に加え、食文化や豊かな自然といった点でもアピールする考えを示した。
サミットは各国首脳が集まって世界に報じられるため、地域の魅力を発信する好機にもなる。16年に開かれた伊勢志摩サミットの際、三重県は直接的な経済波及効果が日本全体で約1071億円あり、このうち県内は約480億円になるとの試算を開催前に示した。
インバウンド(訪日外国人)旅行の再開も近づきつつある。広島商工会議所の池田晃治会頭は「コロナ禍で非常に苦しんでいる観光業者にとって明るい光だ。関係者をどう迎えるか、商工会議所としても観光や飲食の関係者らと一緒に考えを磨き上げていきたい」と歓迎した。
広島開催は地元選出の岸田文雄首相の元で決まった。中国経済連合会の苅田知英会長は岸田首相に対し、「世界経済の回復に向けて力強いリーダーシップで各国首脳をリードしてほしい」とコメントした。
今後県や市、経済団体が中心となって支援組織を立ち上げる方針だ。広島市の松井一実市長は「官民一体となってオール広島でサミットを盛り上げていく」と述べた。