岸田文雄首相は5日、訪問先の英国・ロンドンで記者会見し、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対して追加制裁措置を発表した。資産凍結の対象となる個人や銀行を追加するとともに、ロシア向けの量子コンピューターなどの先端的な物品について輸出を禁止する。

　追加制裁の内容は、▽資産凍結の対象となる個人を約140人追加▽輸出禁止の対象となるロシア軍団体をさらに約70団体拡大▽ロシア向けの量子コンピューターなど先端的な物品の輸出禁止▽ロシアの銀行の資産凍結の対象を追加――の4項目となる。

　会見で岸田首相は、外遊中に会談した英国のジョンソン首相とイタリアのドラギ首相にこれらの措置を説明したことを明かし、「両首脳から日本の対ロ措置に対する高い評価が示された」と述べた。

　両首脳との間で、引き続き主要7カ国（G7）で協調し、ロシアに対して厳しい制裁を実施していくとともに、ウクライナに対してはさらなる支援を行っていくことを確認したという。（ロンドン=阿部彰芳）