今回は、中学受験算数の「速さ」から出題します。
中学受験算数の「速さ」は、超頻出分野として知られています。「速さ」の問題を解くためのキーワードに、「みはじ」という表現がよく使われます。今回はこの「みはじ」を使って正解を導いていきます。
それでは、さっそく問題を解いてみましょう。
問題:時速60kmの車で8分走った時、進んだ距離は何kmか求めよ。
ヒント!
先述の通り、「速さ」の問題を解く鍵は「みはじ」です。
「みはじ」とは、道のり・速さ・時間それぞれの頭文字をとって作られた言葉です。学校や地域・塾によっては「はじき」や「きはじ」と呼んでいるかもしれませんね。
速さを求める公式は
道のり÷時間
時間を求める公式は
道のり÷速さ
では「道のり」を求める公式はなんだったでしょうか?
それがわかれば、答えまでもう少し…!
正解は…
それでは、答え合わせです。
進んだ距離は
「8km」でした!
ミスなく解くことができましたか?
解説
まずは、道のりの求め方をおさらいしましょう。
道のり=速さ×時間
先ほどご紹介した解法キーワードの「みはじ」はまさに上の式の頭文字を並べたものです。
では早速この公式をもとに、進んだ距離(道のり)を求めていきます。
上の公式にあてはめて…
60×8=480
答えは480kmだ!と思った方は残念。よく考えたら、8分で480km進むのはあまり現実的ではないことに気づくかもしれません。
そう、「速さ」の問題でポイントとなるのは、「単位をそろえること」です。
時速60km(以下60km/時)は、「1時間に60km走る」という意味ですよね。そして、今回与えられている“時間”は「8分」です。それぞれ単位が「時間」「分」と違います。
“速さ”と“時間”の単位が違うとき、単位は“速さ”に合わせます。
つまり今回は「時速」に合わせて、8分を「時間」に直します。
1時間は60分であることから、「8(分)= 8/60(時間)」と表すことができます。そのままでも計算できますが、約分して簡単にしておくと計算ミスが軽減できます。
8(分)= 2/15(時間)
となります。
単位をそろえた“時間”を公式に入れて計算すると、
60(km/時間)×2/15(時間)=8(km)
よって、進んだ距離は「8km」となります。
まとめ
「速さ」は小学校のテストではもちろん、中学受験で超頻出の分野で、基本問題から応用問題まで幅広く出題されます。
今回ご紹介した問題をおさらいしながら、「みはじ」や「はじき」、「きはじ」といった解法キーワードだけでなく、「単位をそろえること」をしっかり覚えておきましょう。
まだまだたくさんある「速さ」の問題。いろいろな問題に挑戦してみてくださいね!
ライター:吉野あゆみ
完璧文系の大学時代から中学数学の家庭教師アルバイトをしていた、隠れ数学好き。現在も数学の教科書や問題集を校正しながら、文系目線で数学に向き合っています。数の世界の楽しさを、みなさんにお伝えしていきたいです!
編集:TRILLニュース