『日本一「ふざけた」会社のギリギリセーフな仕事術』シモダ テツヤ

「ふざけたことしかやらない」が社是の(株)バーグハンバーグバーグの代表シモダさんの本。

やはり取引先などからは『バーグさん』『BHBさん』などと、軽く短く呼ばれているのだろうか。その社名に違わず、一見、肩の力の抜けた面白コンテンツばかりが目立つ企業実績だが、妄想を形にし続け、それを組織のブランドにしていくのは、ありきたりな方法論では通用しないはず。他社がその上辺だけを真似しようとすると、立ち直れないほどの大失敗になるだろう。

予定されていたこの本のライターが逃げてしまったというのも驚きだが、怪我の功名だろうか、本人自身が手掛けた所々に真面目さや真剣さ、経営者・制作者としての苦悩がナマで見え隠れする。

自分でも驚くほどスラスラ読めてしまったのは、文字を追う視線と頷く首の上下が完全に高速シンクロしたから。全力で投げるスローカーブが描く放物線の美しさに見惚れてしまった。マーカー引きながら読んだり、誤字を発見した時点で、『あー、全然分かってないっすねぇ』とツッコミが入りそうだが