【5月21日 時事通信社】ウクライナで軍事作戦を続けるロシアは20日、南東部の要衝マリウポリを「完全に解放した」と発表した。マリウポリでは、アゾフスタル製鉄所で抵抗を続けていたウクライナ部隊が16日に投降を開始。マリウポリは事実上陥落していた。

 制圧宣言を受け、ロシア軍は今後、東部ドンバス地方全域の掌握に向けた作戦を一層強化するとみられ、ウクライナ側の地元当局者は21日、東部の都市が「マリウポリのようになる」と危機感をあらわにした。

 ロシア国防省によると、ショイグ国防相がプーチン大統領にマリウポリでの作戦終了を報告。「製鉄所とマリウポリを完全に解放した」と伝えた。

 製鉄所に最後まで残っていた531人が20日に投降し、ロシア側に身柄を移されたウクライナ兵は計2439人となった。ウクライナ側の中核だった精鋭部隊「アゾフ大隊」の指揮官は「特別装甲車」で移送されたという。(c)時事通信社