2022年3〜4月本公演!!!
当時書くだけ書いて下書きに眠らせてたんですけど、せっかくなので無事の上演への願いも込めてこれを機に公開します。(どっかのタイミングで下書きに戻す予定)
覚え書きというかもう動線と歌詞セリフの記録みたいになっとるww文字での説明とても分かりづらいと思うんですが当時のセットなんとなく分かる写真とかも公式から出てたのでそれ見ていただくとなんとなくイメージできるかと…思います…
開演〜終演までの流れ全部なので当然ですがネタバレ全開となってます。ご注意を〜!
シアタークリエ10周年記念公演
TENTH 1/4〜11
1部 ダイジェスト 『next to normal』
覚え書きです。
とにかく来たる再演に備えてダイジェスト版の記憶を残すための記録です。
なるべく解釈は混ぜずに。
流れを淡々と。台詞や歌詞の細部は間違ってると思います。
(公開にあたり読み返したら、普通に「かわいい」とか主観が溢れ出してました。残念!)
Prelude
ダイアナ(白いインナーに赤チェックのガウン)は中央椅子に、ゲイブ(紫のTシャツジーンズにグレーパーカー)は下手にスタンバイ。
リビングで本を読むダイアナに、
「まだ起きてる。何やってるの?」
何日も連続(7日目かな?)で朝帰りなゲイブを軽く責めるダイアナ。
「もう3時半だよ?まだ眠れないの?」「ほっといてよママ、もうすぐ18だよ?」
会話が聞こえたのか、「誰が起きてるんだー?」とダンの声がする。
「父さんよ、行って。裏から上がって。」
「どうして僕のこと嫌うのかな。」
「あなたがクソガキだからよ!」
ゲイブうんざりした様子で上手階段を一段飛ばし上がり、下手から現れたダンを舞台側から一瞬振り向いて立ち去る。
下手階段から現れたダンに、
ダイアナ「さあ行って、あとでセックスしにいくから。」
案ずるような「いいのか?」
「行って。」「ふぅー!」と両手をワキワキさせてフットワーク軽く戻っていくダン。
Just Another Day
「息子は厄介で夫は退屈 娘は天才だけど変人」
下手後方からぐるっと道を回ってくるナタリー、上手階段上でダイアナに気づいて一瞬足を止めるけどそのまま下りて通過しようとする。
「ナタリー?もう朝の4時よ。」
「全てが最高!〜〜〜アルジャーノンに花束をにおける花のイメージについてのレポートが2枚。全てが完璧にオーガナイズされて!…落ち着いてるわ。」レッドブル一気飲み。
「落ち着いて。自分の時間を持つの。私はお父さんとセックスしてくるわ。」
上着を反りながら脱いで白いインナーになるダイアナ、ダンの消えた方へと階段を登っていく。
「良いわね!教えてくれてありがとう。」
♪他の家族ならどうする?愛し合えるの?演じるの?
歌いながらセンター寄りに来るナタリー。
上手上段にゲイブ登場。「また1日盗んできた時間 世界は僕に従う」両手を下からふっと広げる。
ゲイブ「ずっと生きる気がする」
ナタリー「この気持ち消せない気がする」
下手上でコトを終えた両親。
「良かった。あー良かった。あー遅刻だ。」
「10分もかけるからよ。」「なんだってー?」
「今日は良いお天気!って言ったの。」
「あーそうかぁ?雨が降ってるし9月にしてはすごく寒い。」
「両足で飛び込みたくなるでしょ!」
「あーそうだなぁ。…彼女の言ってることは分からない。」
途中で上手上に再びゲイブが現れて靴紐を結びながら一緒に歌ってる。
下りてきて、両手をジーンズに突っ込みながらナタリーに「おはよう、お嬢さん。」と話しかけながら通り過ぎるけどナタリーはスルー。
「冬の演奏会の日程が決まったの、来られそう?」「カレンダーに書いておくわ。」「ママ、カレンダーは去年の4月のままよ。」「あらそう?ハッピーイースター!」
下りてきたダンに「ママ、今日は興奮してる。」
ナタリーに👍と笑いかけるダン。うんざりした顔で離れるナタリー。
4人が交差して歌いながら
ゲイブ「演じているとーー考え出すとーーー」
舞台前に4人立って色々歌う。ゲイブ「朝日が昇って」「鳥は空を飛び」
ダイアナ以外の3人が「あなたはここにとどまる」
ダイアナはサンドイッチを机から椅子の上、そして床で作り続ける。
立ち去るナタリー、声をかけるダン、手すりにもたれて腕を組みながら見守って、たまにダンに目線をやるゲイブ。ダイアナがよろけると軽く手を差し出しながら数歩近づく。
「医者に診てもらおう」と支えて立たせるダン。
ダンはそのままパンの片付けを、ゲイブは少しその様子を見てから下手ダイアナが向かった方に立ち去る。
Everything Else
上手上段の電子ピアノでナタリーが練習中。
「モーツァルトはクレイジー かなりクレイジー でも音楽はノーマル 全て明快」
そこにふらっと現れてナタリーを覗き込むヘンリー。
「あと7分半はこの部屋、使えるはずだけど?」と言うナタリーに
「知ってる。聞きにきただけ。ヘンリー。」と覗き込むように手を差し出す。
「…ナタリーよ。」「知ってる。」「なんか気持ち悪い。」
再度つれなく接するナタリーに諦めて立ち去ろうとするヘンリー。
ナタリーの「諦めるの早すぎ。」に、パッと顔を輝かせて戻って来る。
次のシーンに行くけど、ヘンリーが鍵盤に触れるとさっと立ち上がってはけるナタリー、と芝居は続いてる。
Who's Crazy/My Psychopharmacologist and I
明るめ茶髪のマッシュルームヘアに丸メガネ白衣のドクターファインが、ジプロックに入れた薬を持って登場。
「ピンクのは〜と一緒に、白いのは〜」
下手サイドから夫婦でやってきて、ダイアナは椅子へ。
ダンは上へ上がって「どっちが狂っている?」
途中からダイアナはドクターに絡みついてダンスを。
残りメンバーのコーラスが好き。
私のお気に入りのパロディを薬の名前で。横移動の時に海宝ゲイブがちょっと出っちりで腰からぴょんって飛ぶのがなんとも可愛い。
最後「これが私のお気に入り」で上半身を下げるところでナタリーがダンを蹴る?足を引っ掛けるような動きがある。
音楽室でヘンリーがジャズを弾いてみせる。そのメロディーというかリズムが曲になってる。
「クラシックは厳密に構造が決められていてインプロなんて全く出来ない!」というヘンリーの言葉が伏線(?)に。
「モーツァルトもマリファナを吸ってきらきら星を演奏すれば良かったのに!?」と言うナタリーに「それやってみようよ!」と薬の袋をちらつかせる。
ダイアナとドクターが踊るなか、上手上段でヘンリーナタリーゲイブのコーラスダンス。♪パラッパパッパと両手をパクパクさせる振りが可愛い。
「自分が自分じゃないみたいなんです。」「んっ!状態は安定。」
Perfect For You
ヘンリー上手で薬を吸いながら「セラピー効果抜群!」
「そうね。あなたの注意欠陥障害のための医療用マリファナだから?」
勧められて「私火がついてるものは口にしない主義なの。」「良いルールだね。」
キスしようとして、逃げられるヘンリー。
階段にどてってなって顔を上げて「君が好きだ!」「これはラリった告白。」
踵をつけずゆらゆら揺れながら、頭を抱えたりしながら、でも「君にとってパーフェクトになれる」「君は四角 僕はカーブ」
「ヘンリーあなた前向きよね」
「世界で唯一なれる 君を傷つけない存在に」
そっとキスをする2人。
を中央上から座ってじっと見ているダイアナ。
上手奥から現れたゲイブ(パーカーなし)がその様子を見て「自分の娘、スパイしてるの?」と声をかける。
「いつの間にボーイフレンドが出来たの。どうして気づかなかったのかしら。」しゃがみながら「気づいてないこと、多いかもね」ここでダイアナに向ける笑顔が好き。
「愛し合ってるのかしら?」「さあどうかな。若いし、色気付いてる頃だから。よくあることだよ。」と興味をなくしたように立ち去るゲイブ。
I Miss The Mountains
ダイアナ、赤ワンピースにカーキ色のカーディガンで中央上段でぺたんと座って。
薬の入った棚の前でカバンに全て瓶を入れ込んで四角の薬ケースの角で扉を閉める。
歌いながらゴミ箱に薬を流し捨てていく。
大体はラストが赤い薬(多分バリウム、ドクターの時に好きな色と言っていた)でした。
最後そっと背後に姿を現して案じるようにダイアナを見ていたゲイブが覗き込むように微笑みかけて「勇気があるね。」とゴミ箱を覗き込む。
「あなたのお父さん、どう思うかしら?」という問いかけに、捨ててくるよとゴミ箱片手に「どうも思わないよ。気がつかないから!」
それを聞いていたずらをする幼い子供のようにパァっと笑うダイアナ。
暗転。
It's Gonna Be Good
上手上段でダンが「上手くいく〜!」語呂悪すぎるけどお願いポーズで身をかがめる岡田ダン可愛い。
影コーラスがはっきり聞き分けられて楽しい。「アハッ!ンフッ!」
真ん中上段で電話をかけるダンに、下手から赤ワンピースに赤と白ストライプのエプロンでキッチン用のなにか片手にハイテンションで電話に出るダイアナ。
話を全く聞かずに食事の準備もして部屋の飾り付けもして!とまくし立て電話を切り、「次!屋根のタイルを修理しましょ!」と楽しげなダイアナ。明らかに変なハイ。
上手から一緒に帰ってきたナタリーとヘンリー、
「ねえ僕たち付き合ってもう9週間と3日だよ?まだ君の家族に会えないの?」「数えてるの?」と呆れたように聞くナタリーに笑顔でこくっとうなづくヘンリー可愛い。
「女の子みたい!そして答えは、ノー!」と告げたとき、2人の姿を見つけたダンが「ナタリー!そして君はハリーだね!?」と声をかける。
ここで下手上から走り込んできたゲイブが呆れたように「ヘンリーだよ!」とツッコミ。
そのまま家の中へと招き入れられるヘンリー。
ダイニングテーブルの周りに家族4人+ヘンリーでわちゃわちゃ食卓の準備を。
ここは最大にして最後のフェイクですよね。
ゲイブと目が合っているのはダイアナだけ。
ダンが両腕にヘンリーとナタリーを抱いて身を寄せるところも、ゲイブも並んでるけど彼は腕を組みながら近づいているだけで、「ぱっと見仲良く4人並んでる」状態に過ぎない。
お皿やコップの数も。
ナタリーがお皿を差し出したら、ヘンリーとダンが同時に受け取っちゃってお互い照れ笑いをするのを見てナタリーが死にそうな顔になるのも印象的。
座った時も、ゲイブはヘンリーとナタリーの間にいるから分かりづらくなってる。
良い感じ!で1回ゲイブが立ち上がって両手を広げるの、初期は半端な中腰になっちゃったりしてたのが途中から堂々とポーズ取ってくれて勝手にホッとしてました。
そこに誕生日ケーキを持って現れるダイアナ。
「さーて今日は誰かさんのお誕生日よ!」
ここのろうそく結構な率で消えてたけどそれを気にしていない姿もまた異常性を醸し出していましたね…
とはいえ最低でも1本は残ってた。すごい。
ヘンリーの無邪気な「誰の誕生日!?」にちょっと笑って(僕のだよ。)と言わんばかりにちらっとヘンリーを見やってから立ち上がるゲイブ。
顔を上げられずに「兄の。」「へー!君にお兄さんがいるなんて知らなかったよ!」「いないわ!私が生まれる前に死んだの。」と告げるナタリー。
この辺り、言葉を発する人の方を向いて話を聞いているゲイブ。その表情は徐々に無に近く、存在も薄くなっていくような感覚。
He's Not Here
ダンがダイアナに「彼はいない」と歌いかけるとゲイブはダンと対照の軌道を辿るように、テーブルの後ろを通って下手側に。
静かにナタリーやヘンリーを見て、彼らの目に自分が映らないことを感じているように思う。
そのまま静かに下手に消えていくゲイブ。
存在は異質なのに、目を離せない。とてもゆっくり歩いて去っていく。
そこを見ているうちに「こんなうち最低!」とナタリーが叫んで上へ上がっていってしまうのでびびる。
「お2人にお会いできて良かったです。」と声をかけてナタリーを追いかけるヘンリー。出来た子や。
ここで階段上がってぐるっと回った2階部分がナタリーの部屋として表現されていることを知った。
(後半でダンスの誘いに来る時も同じルートでヘンリーが行く。)
You Don't Know
黙々とテーブルを片付けるダイアナ。荒め。
ダンはケーキのろうそくを吹き消す。
「新しい薬はどうしたんだ?」(岡田ダンはここに責めるような色は皆無。どうしたんだぁ?みたいな。とりあえず声をかけるためのきっかけに過ぎない。)と声をかけると「うちのトイレの排水溝はこの辺りで1番ハッピーよ!(ゲイブがトイレに捨てた)」と答えるけどやはり彼女が言ってることがさっぱり分からないダン。
「もう一回やってみよう、ドクターに電話して…」「いやっ!」と客席に背を向けてエプロンを床に投げつけるダイアナ。
「ダイアナ、大変なのは分かってる。」
「分かってる!?」始まるYou Don't Knowの前奏。
「一体何を分かっていると言うの?」「君が傷ついてるってこと。僕もだよ。」
「助けがいるほど重い目覚めを 死亡記事を読んで羨むことを
生きながら死ぬってどんな感じか あなたそれが分かると言うの?」
叩きつけるように、責めつけるように歌うダイアナ。
椅子をダンに向けて叩きつけ、突き刺すように指を伸ばして。
I Am The One
天を仰いで「どうして上手くいかない…」と歌い出すダン、それまで穏やかに支えることに専念してきたダンのやり切れなさやどうしてなんだよ…という想いが溢れ出るような言葉たち。
ダイアナに向かって歌いかけるダンの後ろに、下手上段から姿を現し、階段から「Heyパパ僕さ。見えないの?どうして?」とゲイブ参戦。
「彼女があげられないもの欲しがるの?」と階段を降り、椅子に腰掛けるダイアナに近づいていく。
「僕が見えるだろう、、僕が。僕が。」と左側から覗き込むようにダイアナを見て、その右手に自分の左手を撫でるように重ねて、指を絡ませる。
下から覗き込むように、少し顔を傾げて優しい表情で少し眉を寄せて微笑みかける。
「諦めない」とダンに向かって首を振る。
ダイアナが胸に飛び込んでくる直前の「イェーイイェーイイェー」は右半身を客席側に投げ捨てるような動きを。
ダイアナの腰に回された手が最高に美しい。位置が少し低めなのがまた良い。
「分かっていない」の直前に、ダイアナの歌を聴きながらダンに向かって数回首を横に振るゲイブ。
ラストで強く抱き合う2人。客席側にゲイブの真正面の顔が向く。
ぎゅっと眉間にシワが寄った辛そうな表情。
Superboy and the Invisible Girl
自室で体育座りのナタリーと後ろで座って心配しているヘンリー。
「ママがこうなったとき使い物にならないの。」
「すげえ薬飲んでんじゃないの?…僕はやらないけどね!あれはオーガニックじゃないから。」
促されて、「それ、効き目あるの?」「ううん。…なんだよ。」
「スーパーボーイと透明のガール 真逆の息子と娘
彼は恋人ヒーロープリンス 彼女は?
飛べたならここから自由に消える 飛べたならここから遠くへ」
現れたダイアナの姿を見てパッと薬を背後に隠すヘンリー。
ダイアナへ「あなたが会いたいのは息子ね娘じゃない 私はここよ」と歌いかける答えが「あなたは誇りよパーフェクトプラン 知ってるでしょう精一杯愛してるの」
「よく見て透明のガールここにいるわよ 消えてしまう前に見つけて」
そこにゲイブが現れて左上段で兄妹のデュエット。
どこか案ずるような目線だと思う。一緒に歌うスーパーボーイはそこに存在しない青年。母以外には見えない。
曲終わりでヘンリーの手から薬を奪い去るナタリー。追うヘンリー。ゆっくりと続くゲイブ。
医者を訪れたダイアナ。
ドクターマッデンはシュッとしたスーツにナチュラルなカツラ←
一見スマートなイケボだけど、、ダイアナの妄想で突然ロック!!!
吹っ飛ばされたポーズや、近寄るときにあえて椅子の音を鳴らしてわっせわっせと細かく近づいてくるダイアナ。ここは笑いとりたくて仕方ないとうこさん。
「他の人のことを話してるみたいです。」
「幸せだと思っている人ってちゃんと考えていないだけで、ただバカなだけだと思うんです。」
息子の話になると、始まるI'm Aliveイントロ。
I'm Alive
下手では階段上で手すりを持ってしゃがんでそっと歌い始めるゲイブ
「思い出以上で謎めいてるそれが僕さママの中で」
「教えてよ僕には肉体があるのか亡霊か」その両手をそっと開いて見つめる。
「僕はここに生きているあなたの恐怖の中で」
駆け回り、手すりに身を寄せ、上からしゃがみ膝をついてダイアナの顔を少し首を傾げて覗き込むゲイブ。
ナタリーとダンの、
「彼は絶対にいなくならない。」「こういう時くらい父親らしく良くなるって言ってよ」
「良くなるよ」「ありがとう。少しが元気が出た!(怒)」
「母さんを支えよう!」「いっつもおんなじ!」
のやりとりは顔を向けて見ている。
「誰よりもあなたを分かってるそう思うのさ」
「僕はここに生きているその理由を知りたいかい」
棚からダイアナの薬を取って口に運ぶナタリー(下手上段)の背後に近づいていくゲイブ。肉食獣のよう。
「ほらすぐ後ろにいる 忘れようとしても無理
隠れようとしても無駄さ 僕を見なよ逃げないで」
「ノッノッノッ!」「2人で手を取れば飛べる」
ずっと距離を保っていたゲイブがついに階段を降りてきて、右側の段差に足ガッとかけたりしてすぐ近くに、恐ろしいほど存在感を増して生き生きと歌う。輝く目。
テーブルに後ろ手に両手をついて反り気味で歌うけど見えそうなものが見えない。
ラスト「僕はああああああああ!」のロングトーンは手すりに手をかけてしゃがみながら、切り際に小さな悲鳴のような声が入って、そのままダイアナへまっすぐに手を伸ばす。
Make Up Your Mind/Catch Me I'm Falling
治療が始まって少し期間が経ったので催眠療法に。
「一緒に歩いて。見慣れた廊下なのに今まで気づかなかったドア。開いて。」
「心を決めるのです。悲しみを見つめて、自分から良くなろうと手を伸ばすのです。」
ダイアナから淡々と語られる過去。お互いに学生だったダンとの結婚は予想外。赤ちゃんも。でも赤ちゃんができた時全てが納得できた気がした。あの時までは。
「彼はいない。どこにも」と告げるダン。「いない〜」と入るコーラスが印象的。
「悲しみを覗き込んで、痛みと生きるのです。」と語りかけるドクター。
そこに下手に現れて「落ちていく捕まえて異常な速度で」と歌いながらダイアナの背後へとゲイブは進んでいく。ここの歌声の質がぞわぞわする。
I'm Aliveの時のように膝をついて上からダイアナを覗き込んだポーズで静止。
下手上段でピアノの発表会前のナタリー。そこにやってきて花束を差し出すヘンリーに「うちの親来てた?」とすがりつく。
2人で来ると言っていたのに姿のない両親。はぐれた親を探すように焦りと怒りを浮かべながら必死で会場を見渡すナタリー。
同時に「ナタリーを生むことにした理由は彼女も知っているはずです。でも私は彼女を抱くことができなかった。できなかったんです。」
「ナタリーの話をしたのは初めてですね。」
ナタリー「最低っ!彼女はーーーー!どこにもーーいないー!」
この順番と掛け合いが絶妙。。
「あなたが見る幻覚は防御にすぎない」というドクターの言葉が印象的。
ピアノの発表会。パーフェクトなナタリーにはありえないミス。
逆サイドに心配そうに走り出るヘンリー。
ナタリーを見つめる客席の空気と発表会会場の空気がリンクする。
「すみません……あの…クラシックの問題点をご存知ですか!?厳密に構造が決められていていることです。即興している余地がないんですっ!」と絶叫するナタリー。
悲鳴のような、動揺と混乱で泣きそうな、でも言葉が勝手に出るようなその姿は明らかに「異常」。
ヘンリーが話していた内容を叫んだナタリー。響き渡るヘンリーの「マジかよっ!」。
(このシーンで上手にスポットが当たる結果、センター階段上のゲイブの顔が綺麗に右半分だけ浮かび上がる。ゾッとするほどの美しさ。)
そのあとの曲と立ったまま鍵盤を叩く(ジャズ?)ナタリーがリンクする。
上から手に大切そうに青いオルゴールを持って降りて来るゲイブ。
「帰って息子さんの部屋を片付けて、娘さんと時間を過ごす。もう彼を行かせてあげたらどうですか?」
「誰か来て。手を取って。捕まえて!」
ラストのフレーズの瞬間、下手で1人のダン、「え」でオルゴールをまっすぐダイアナの前に差し出すゲイブ、ピアノの前でヘンリーに抱きとめられるナタリーという構図。
全ての想いを託したようにオルゴールを差し出したゲイブは、ダイアナがそれを受け取ってテーブルに向かう、そのあとを追ってそのまま背後で彼女を見つめる。
オルゴールを開くと流れるI Dreamed A Dance(歌はカット)。
ダイアナの背後からゲイブが静かに歌い出すThere's A World。
声質がやばい。「行こう向こう側へ」「渡る道を教えてあげる」
跪いて下から、座るダイアナの手に触れて覗き込むように語りかける。
切なげに優しく連れ出すゲイブ。舞台前で向かい合う2人はまるで恋人のような空気。そのままキスを交わしてもおかしくないような。
下手を向いているダイアナの左手を後ろから、左手で腕から手先へと辿って自分の方を向かせ、向かい合って手を繋いだ状態で右手をダイアナの手首に絡ませるように指を一本ずつたたんで掴む。
そのタイミングが「自由になれるよ」。照明が赤くなる。
下手上段でカルテを読み上げダイアナに起きたことを語るドクター。
「手首と前腕に多数のカミソリ傷。自傷行為。」
そのまま「行こう」とダイアナを誘うゲイブ。
その結果を踏まえダンにECTを提案するドクター。
I've Been
1人、ダイニングを片付けながら歌う。この切ない曲たまらん。
「いつもいつでもそばにいた俺を1人にするのか」結局ここに尽きるのだと思う。
途中でバケツを持ってきて床や椅子を拭いていく、とダイアナの血でバケツの水が赤くなる演出。
ダイアナの血の赤、だけじゃなく、この作品での「赤」の象徴でもあるかな。
上手奥から現れて階段上からダンを見下ろすゲイブ。
その姿、その見つめ方は、ダイアナを見つめるものに似ている。
慈しむような気配も感じる。その想いに寄り添うように歌声が絡む。
ダンがECTの契約書に手を伸ばすと表情が険しくなる。
Didn't I See This Movie?
やってきたナタリーにECTの話を。「バカじゃないの!?」と立ち去ろうとするけど「言葉に気をつけなさい!」と声をかけるダンの元にかけ戻り「パパはママのこと信頼してるのに!」と食ってかかる。
同時に下手ではダイアナにドクターが説明をしている。緑の手術着が格好良い。
少し記憶を失うことがあるという言葉に「どれだけ記憶を失ったかなんて記憶を無くした人間には分からないだろ!」というゲイブ。
兄妹が同じように母を想って声を荒げる構図。
食ってかかるダイアナの側にいるゲイブは本編中で1番幼く見える。
「ママを守るんだ!ママが嫌がることしないで!」って感じで口がムッてなってダイアナを守るように助けてる。
ドクターの手元の書類とダイアナの顔を交互にピッピと見ている姿可愛い。
椅子を後ろから押していって、止めた時に動かないように手で椅子の背を押さえてるの可愛い。
ダン登場寸前にダイアナが下手にかけて行ったあとを追うゲイブがのっしのっししてて可愛い。
ダンの手に書面が握られているのを見た瞬間の2人のフリーズ、そしてドクターとやりとりを見て浮かぶ敵意。
A Light In The Dark
ダンがダイアナの心に想いを届ける。優しく、心をほぐすように語りかける。
すみません、でも全部の回ゲイブだけ見てたからこのシーンの段取りが全く分かっていない。
ダイアナがダンの言葉に耳を傾け始めたことを感じると、ゲイブの気配は薄くなって、少し呆然とした様子でゆっくりと後ろに下がっていく。
2人の顔を見て様子を伺うゲイブ。心が近づいていくのを感じるほど、彼は悲しげに切なげに気配を薄くしていく。
ダンが手を差し出すと、ゲイブの右手がそっと手すりに伸びて、ダイアナがダンの手を取って2人が手を繋ぐと、ゲイブは左手も伸ばして、両手でぎゅっと手すりを握る。
表情を大きく変えることはないけど、寂しげに目に涙を溜めて2人を見つめる。
ダイアナはダンの説得に「最後のチャンス」を受け入れる決意をして、サインをする。
彼女が椅子に座ると、ゲイブとダンは同時に左右に去っていきます。完全な対比。
呼吸器をつけ、「普通に息をしてください。ダイアナ。ダイアナ?」と声をかけ麻酔が効いたことを確認すると、客席に背を向け、手を大きく回して器具をぐわっと突き刺すドクター。
と同時に自分で呼吸器を吹っ飛ばし、椅子から下りて後ろの台に飛び乗るダイアナ。
Wish I Were Here
途中でジーンズに黒ノースリーブのナタリーがふらっふらで入ってきて歌う。
「ナタリーちゃん、私の電気の中で何してるの?」
「(ママはいつも)自分のことばっかり!私薬飲んでトリップしてるの!」
前楽日あたりからなんかいきなりトリップ具合が激しくなった。階段をよろけるのが怖いくらい。
ダイアナが言う症状に「言ってること、分かる」と同意するナタリー。
薬でのトリップと、電気治療が重なるこのシーン。
途中で男性陣の「あー!」ってコーラスが入るけど、舞台上の新納さんめっちゃ目立つ。
中央階段上でナタリーとダイアナが抱き合うように絡み合ったりするけど、
現実世界でこの2人がそんなに接近して触れ合うことなんて全くなかったんだろうね。。
2人の立ち位置が入れ替わり、下手でふらついたナタリーを駆け込んできたヘンリーが支えて緑と黒のチェックの長めの上着を着せてあげる。
「これで連続5日目だよ?どこだか分からないクラブから君を見つけ出して家まで送り届けるの…」良いやつ〜!
「ほっといて!パパがママを病院から連れて帰る。。」「じゃあ、電話くれる?」「良いからほっといて!!」と突き放されてすごく悲しそうな顔で去っていくヘンリー。
Song of Forgetting
ダンとダイアナ帰宅。
ダイアナは白いブラウスに黒いパンツ。(ちなみに病院の白い入院着みたいなのの下にすでに着てる。肘、膝までまくって。)
ナタリー「良い感じだね。」「そう?ありがとう。…それであなたどなた?」
「私?」「ダイアナ、ナタリーだよ。」「あなたの…娘よ。」
「っそうよね…そしてここが私たちの家…」「覚えていないのか?」「覚えてるはず…よね?」
とうこさんの記憶を失ったと気づいた焦りと困惑との入り混じった表情や目が秀逸。その不安と動揺が伝わってくる。
ナタリーの「ありえない」「最低!」という言葉にすごく傷ついてるんだけどそれをあからさまに出さないようにして。でも瞳が揺れる。
「あのドクターミッチェルって人が少し記憶がなくなるかもしれないって言ってたわ。」「ドクターマッデンだよ…」「ほらね、こういうこと…」というやりとりにゾワっとする。
「なんて治療!医学の奇跡ね。空っぽよ!記憶消されてる」「思い出は消えないさ」「そうかしら?」と言い合う2人に「やってみる」と告げるダイアナ。
3人で重ねる音の不安定さ。綺麗に重なるからこその。
Hey #1
ベルが鳴って、家を出たナタリーに声をかけるヘンリー。
「待ってたよ何週間も電話を」「狂ってた」
「終わりにしたいんでしょ?」「いや!前の君を探してる」
「ダンスパーティーに一緒に行こう。3月さ。無料だし!」
チケットを探すためにカバンをゴソゴソするところ、「無料だし」の付け足し方がとてもヘンリー。
「さよならヘンリー」と告げられて、その後ろ姿に「待ってよ…」とつぶやく切なさがとても良い。
ダイアナが記憶を失っていると相談するダンに、記憶は残ってる。過去の写真を見せてみるように伝えるドクター。
「ときに厄介な記憶を抑制しようという力が働くけど、その抑制された記憶は発作的に蘇って溢れ出す」
Better Than Before
テーブルで落ち着かずに空のグラスを持て余すダイアナに、ダンは指輪を見せる。
「安物の土産ね。多分アトランティックシティーの。」「ブッブー!結婚指輪さ。」
ナタリーの呆れたような「上手くいってる。」。その瞬間のダイアナのやっちゃった…という顔がたまらない。。
アルバムや指輪を取り出した箱を覗き込んだナタリーは数枚の写真(おそらくゲイブが写ったもの)に気づき、「何枚か足りないよね、パパ」と話しかける。
「医者はタイミングを見計らって、と言った。」と答えるダンにうんざりした様子のナタリー。
ゲイブをなかったことにして新たな記憶の上書きをしようとするダン。
「忘れてもいい 昔よりもっと良いものを手に出来るかも」と説得するダンに、「分かった。良いよ。」とダイアナの元へ行くナタリー。優しい。
ダイアナが見ているページを目線を合わせてから変えて、優しい声色で歌いかけるナタリーほんと優しいよね。。
ダイジェストなので都合よく1フレーズで思い出す。
「私のリサイタル パパと探したママ」「学校までは行けたけど…」
「思い出したんだね!やったー!」
ダイアナが明るい旋律のメロディーを少し明るい表情で歌い、ハッピーエンドに向かうかと思った瞬間、下手上から静かに姿を表すゲイブ。
「〜良くなるかも」と3人で歌う最後、Aftershocksの前奏が入るタイミングで、ナタリーが水色のオルゴールを見つけて手に取る。その瞬間動揺して箱の中に無理やり隠すダン。
それを見て表情を変え、部屋に戻ってしまうナタリー。
Aftershocks
下手階段途中で家族に向けてゲイブが歌いかける。「彼らは墓場に僕を帰す 救えない患者に電気ショック与えて
あなたから僕の想い出消す 覚えておきたい記憶さえも」
「あなたの息子は永遠に消える」
Hey #2
この間にヘンリーが家を訪れ、ダンにナタリーの部屋へ行きなさいと笑顔で通される。
鬱陶しくてもダンスパーティーに一緒に行こうと誘うヘンリー。
諦め悪い。と言われて「僕を諦めないで」と声をかけるも、「さよならヘンリー」と別れを告げられる。チケットをそのまま置いて悲しげに去るヘンリー。
You Don't Know (Reprise)
上手から来て下手へ向かって行くドクターに「治療後ひと月まだ混乱してる!私は何を忘れているの?」と食ってかかるダイアナ。
「息子さんの話はしましたか?」と聞かれて目を丸くして呆然とする姿に呆れ果てたようにため息をついて「2人でもっと話をするべきです。」と告げる。
「それだけですか?彼と結婚したことも覚えてないんです。
性的に欲求不満で子供の世話ばかりしている母親達とは違うんですよ!」
「興味深いことに、彼女達とあなたの問題の根本は似てるんですよ。」と返すドクター。
納得しないダイアナを振り切って行ってしまうドクター。そんな様子を見て、ゲイブはそっとアルバムやオルゴールが入った木箱を机の上に置き、背後に身を隠す。
ダイアナが箱に触れるのをじっと息を潜めて見つめるゲイブ。
座って箱の中のオルゴールに気づいたダイアナがそっとフタを開けると、ゲイブがハミングしながら現れる優しく肩に触れるけど、(この時点ではダイアナは存在が見えない、触れられても分からない。)
部屋に入ってきたダンに声をかけられてさっと元の陰に戻って柱に抱きつくように薄暗い場所から様子を伺う。
「どこで見つけたんだ!」と焦るダンに「何これ。」と目に涙をためて強く聞くダイアナ。
「なんでもない。ただのオルゴールだ。」「…赤ちゃんに聞かせた。男の子…彼を寝かせるのに役立ったことも。私たちには息子がいた。」とつぶやく。
ドクターの言葉もあってか、自分たちには息子がいたはずだということを思い出す。
How Could I Ever Forget
「ダウンタウンに住んでた。青いナイトガウンを着ていた…あなたはハイスピードで走った。」
涙ながらに冷たい病院、そして息子が亡くなったことを思い出すダイアナ。
初めて聞く、幼い自分の話。
驚いたように陰から姿を現したゲイブはゆっくりと下手に回りながら2人の言葉を聞いている。
途中で「ダイアナもうやめた方が良い…」と声をかけながら、ダイアナの言葉にかけるように歌うダン。
彼女に背を向けて俯いて絞り出すように言葉を発するダンが立つ位置はちょうどゲイブの真正面。
彼はダンの顔をじっと見つめ、初めてダンの口から聞く自分の過去を一言一句流さずに受け止めている。
亡くなったことは思い出したけど、それがなんのせいだったのか、なぜ助けられなかったのかが分からなくて、教えて!と叫ぶダイアナにダンは向き合う。
泣きながら「医者も見逃した。クリニックもERも行ってた。赤ちゃんは泣くものですと。若くても育てていた」。
正しく治療すれば命を落とすようなことはないという腸閉塞がゲイブの死因。
助けられた可能性の高かった命を失ってしまった故の後悔の大きさ。
オルゴールのような音が入り、そこからさらに曲調が変わったあたりでそっと歩き出し立ち去ろうとするゲイブ。
背を向けて立ち止まったとき、「…でも私覚えてる、大人になってからも…」とダイアナの台詞。
その言葉を聞いて、目をはっと開き、静かに振り向くゲイブ。
焦ってどうにか止めようと「それは違う!ドクターに電話しよう…!」「どうしてドクターに電話するの!?あの子の名前を知りたいだけ!」
「名前!あの子の名前思い出せない…あなたあの子の名前を口にしたことがあった!」と迫るダイアナ。
もみ合う2人。
顔が歪み手にギュッと力が入るゲイブ。
ダイアナの手から奪ったオルゴールを遠くへ投げつけるダン。
ちょうどそこへヘンリーと戻って来たナタリーが「なんてことするのパパ!」と絶叫する。
投げつけられたオルゴールを見つめるダイアナ、そしてゲイブ。
ゲイブがオルゴールから目を上げてダイアナを見た瞬間、彼女にゲイブの姿が「見える。」
I'm Alive (Reprise)
ダイアナが自分の姿を目に映したと気づいたゲイブは「思い出以上で…謎めいてるそれが僕さそばに来てよ」と歌いかけながらそっと右手を伸ばす。
「僕は大人になった歌われないままの歌さ 思い出して」
いや……ナタリー!と叫んでゲイブに背を向けるダイアナ。
「操れないあなたには!僕を名前で呼ぶまでは」とダンに迫るゲイブはそのまま下手から階段を駆け上り舞台中央上段へ。
I'm Aliveよりさらに存在感を増して。
病院へと駆けて行くダイアナ、ナタリーとヘンリーの「ダンスには行けない。ママを病院に連れて行かなきゃ!」「何か手伝わせて!」「無理よ!」
先に行ってて!とダイアナを追いかけて行くナタリー、慌てて後に続くダン、1人反対の下手側へ立ち去るヘンリー。
ゲイブは上からそんな彼らをしっかりと首を向けて見下ろしながら(左右を見やって)、「ここでーーーー!」と歌い上げる。
The Break〜Make Up Your Mind/Catch Me I'm Falling (Reprise)
そのまま下手上段に移動するゲイブと対称の位置にダイアナが駆け込んでくる。
と同時に下手から椅子を引っ張りつつドクターも駆け込む。病院設定だからね。。
「彼らに言われた 私の頭のシグナルはめちゃくちゃと。電気回路じゃない、化学物質が私を狂わせたの。」
「次は何が起こる…?」と怯えるダイアナに。
一度は良くなった。もう一度カウンセリングからやってみようと声をかけるドクター。
椅子に座って「落ちて行く〜」今度はダイアナが歌い出したところにゲイブが声を重ねて真後ろに。
ダイアナは「見ていてね 落ちるのを そう悪くはない」
ゲイブ「見ているよ 落ちるのを その薬から自由に 自由になる」
椅子から降りてドクターに背を向けるダイアナ。
「治療せずにいれば最悪の事態が起こり得ます。」
「分かってます。でも他にも方法があるはずです!
最初にかかった精神科医は言いました。4ヶ月以上続く悲しみは病気であり、薬で治療する必要があると。
4ヶ月…子どもの命を失ったのに…誰がそんな馬鹿なことを決めるんですか!?」
「それは単なるガイドラインにすぎません。」
「ガイドラインにすぎない…さようなら、ドクターマッデン。」
精神科医、治療から離れることを決めたダイアナはドクターに背を向け、病院を出る。
家からダイアナを追いかけてきたナタリーと鉢合わせ。
どうだった?それでどうするつもり?と尋ねるナタリーに、「あなたをダンスに連れて行く。」ときっぱり答えるダイアナ。
Maybe (Next To Normal)
「あなたはそろそろ自分の幸せを考えないと。」「幸せとかじゃないよ、ヘンリーは。」「彼を愛しているのね。」
「ママ……勝手に治療を止めるなんて出来ないんだよ!?」
この台詞にこもる優しさにやっぱりナタリー優しいよなと思う。
でも触れようとするダイアナをさっとかわすナタリー。かわされた手を見つめ、少し寂しげに歌い出す。
「失ったかも 最後の輝く日々
踊っているの 死と。それが何?
疲れたのかも ゲームのルール守るのに
あなたもそうでしょ?似てるもの。
怒りと希望と狂った母を持つ少女
透明な存在からいつか自由になれる」
「初めてあなたの気持ち聞いた
16年どこに隠してたの?
祈ってきた あなたいなくなればと
でも怖かった いなくなったら…」
でももう泣かない、これでいいと続けるナタリーに、良くなっていく とかけるダイアナ。
「ママなんて信じない!」
「17年前、あなたのお兄さんは腸閉塞で死んだ。生後8ヶ月で。ずっとあなたに話せなかった。ごめんなさい。
あなたには普通の人生をあげたかった。でも、私には普通の人生がなんなのか検討もつかないことに気づいたの。」
「normalな暮らしなんて遠すぎるから
普通の隣で、それでいい
そうよnext to normal それで十分」
そうねとナタリーを抱きしめるダイアナ。その背中にそっと触れて、でもすぐ指を縮めてしまうナタリーの抱かれるのに慣れていない様子。
ナタリーの頰に流れる涙をぬぐい、「さあ、もうダンスに行きなさい。」とリュックとコートを受け取るダイアナ。
ナタリーのドレスの色は鮮やかな水色に近いブルー。
下手の階段を上がったところで、上段奥でずっとナタリーの姿を探していたタキシード姿のヘンリーと目が合う。
Hey #3/Perfect For You (Reprise)
息を飲むような「Hey」。
「私も狂うかも」と崩れ落ちそうになるナタリーを下から支えて「クレイジーでもいいよ僕だって狂うかも。人生は狂ってる。でも僕が抱きとめる。」と抱きしめるヘンリー。最高of最高。
身長差のなさがまた良い。。腕を組んで幸せそうに立ち去る2人。
So Anyway
リビングで椅子に腰掛けて顔を上げないダン(赤いシャツ)。
身支度を済ませたダイアナが別れを告げます。
「とにかく出て行く」
曲の出だしが、とにかく出て行くってなかなかないよね。
あなたはとても誠実だったけど、でもここにはいられない。
あなたは愛してくれた。私もまだあなたを愛してる。
でも出て行くわ。
途中からセットの下を通ってゲイブ(暗めの赤Tシャツ)が中央階段脇から現れる。
ダイアナを見つめるゲイブ。
出て行く寸前、ダイアナはゲイブとはっきりと目線を合わせ、そして表情を変えずにそのまま家を出て行く。
その瞬間、ゲイブは左の口角をわずかに上げている。
少し俯いて、それからすれ違って去って行った方向に軽く振り返って寂しげに目線を送る。
I Am The One (Reprise)
絞り出すように「俺さえ置いていくのか…」と歌うダン。
そんな姿を見つめて「あなたを理解し、恐れられてもいつでもそばにいた」と近づいていくゲイブ。
「あなたはママに忘れろと言った それが誰か分かっていたはず」
「知らない!1人にしてくれ!なぜ彼女と一緒に行かなかったんだ!」とゲイブの顔を見ず叫ぶダン。
立ち上がろうとするダンの肩を掴んで無理やり座らせるゲイブ。
椅子の後ろからダンに抱きつき首を抱くように強く手を回し、顔を寄せて歌う。
「あなたを愛して気にかけないフリをしたその人は僕だ!」と一歩引いて上手からじっと見つめるゲイブに、
ダンは顔を上げてその顔を見つめ、「ゲイブ……ガブリエル」と涙ながらに声をかける。
まっすぐに見つめ返し「やあ、パパ」と優しい声色で返すゲイブ。
そのまま静かにその場を離れてダイアナが去って行ったのと同じ上手へと出て行きます。
涙がこみ上げるダン。
その場に帰ってきたドレス姿のナタリー。
「パパどうしたの?…ママは?」「…その…彼女は…」「出てった。」 頷くダンを見て「分かった。」と答えるナタリー。「じゃあ、私とパパだけ?今のところは。」
Light
ダンに歌いかけ、肩を抱くナタリー「暗闇に1人座っていられないわ」
顔を上げるダン「待ちすぎたんだ 正しくなるのを」
支え合って出ていく2人。
上段上手から晴れ晴れとした表情で中央に歩いてくるダイアナ「痛みも亡霊も消えない それでも進めば」
家にヘンリーと帰ってくる普段着ナタリー。(なかなかの早替え)
「ママが実家に帰ったからって私の問題はちっとも解決しない!」「そのために僕がいるんだよ」
「あなたがその問題でもあるの。…でも心配しないでヘンリー。あなたは私のお気に入りの問題!」「それさえ分かればいいよ。」
ナタリーのソロに被せて上手上段にドクター。「愛の代償は失うこと」
そこに現れるダンは「彼女は戻ってくるでしょうか…」とドクターに問いかける。
「ご紹介しましょうか?誰か話を聞いてくれる人を。」と提案され、一旦断るも、「いえ、お願いします。」と頭をさげるダン。
2人で階段を降り上手へはけていく。
下手上段にゲイブ。「夜が明けていく なぜこんなに長くさまよっていたのか不思議だ」そのままセンターへ。
全員の重唱。
下手上段にダイアナ、センターにゲイブ、上手にドクター。
リビングにヘンリーとナタリー。上手からダンがナタリーのバースデーケーキを持って現れる。途中で受け取り机に置くヘンリー。
「暗い空にもいつか光る」この前半部分だけゲイブだけが歌わずに下段の3人を見下ろしている。
上段のメンバーも下へ降りてきて、ゲイブ、ダン、ダイアナ、ナタリー、ヘンリー、ドクターの並びで正面向きコーラス。
終演。