WORKS作品紹介

Ⅰ.信仰とルネサンス

Devotion and Renaissance

イタリアのフィレンツェで15世紀初頭に花開き、16世紀にかけてヨーロッパ各地で隆盛したルネサンス文化は、神と信仰を中心とした中世の世界観に対して、それに先立つ古代ギリシア・ローマの人間中心の文化を理想とみなし、その「再生(ルネサンス)」を目指したものです。
中世の絵画では、キリストや聖母は平面的に超然とした姿で描かれ、神性が強調されていましたが、ルネサンスの絵画では、古代美術を手本として立体的に人間らしく描写され、 人物を取り巻く空間も、遠近法を用いて奥行きが表現されるようになりました。人間味あふれる古代の神々の物語を描いた神話画が、宗教画と並んで絵画の主要ジャンルになったことも、ルネサンス期の特徴です。また、ドイツやネーデルラントなど北ヨーロッパでは、 16世紀に宗教改革による聖像礼拝の否定を受けて、宗教画の需要は減り、神話画や肖像画が隆盛しました。
このセクションでは、イタリアと北方のルネサンスを代表する画家たちの名画17点をご覧いただきます。