言葉においしい化学反応が生まれるタイトル法則とは

「タイトルの前半と後半がまったく合わない言葉を組み合わせるのがコツ」

 この岡田の発言は、タイトルだけでなくコピーライティング全般において、根幹をなすような非常に重要な考え方のひとつです。記憶に残るような広告コピーの多くは、このまったく合わない言葉が組み合わされたものが多いのです。

おいしい生活。
想像力と数百円
本読む馬鹿が、私は好きよ。
サラリーマンという仕事はありません。
ココロも満タンに
カゼは、社会の迷惑です。
恋を何年、休んでますか。
昨日は、何時間生きていましたか。
諸君。学校出たら、勉強しよう。
あなたなんか大好きです。
日本を休もう
一瞬も 一生も 美しく

 記憶に残っている広告コピーをランダムにあげてみましたが、いずれも通常は合わない言葉の組み合わせによって作られているのがわかるでしょう。

 ただし、合わない言葉だとなんでもいいかというとそうではありません。

「水」と「油」のように混ざり合わないものや、お互いの味の特徴を消してしまう言葉の組み合わせでは、いいコピーやタイトルにはなりません。組み合わさることによって絶妙な化学反応が生まれてお互いを引き立て合うことが重要なのです。

 たとえば「いちご」と「大福」を合わせた「いちご大福」のように。今では当たり前になった大福とフルーツの組み合わせですが、誕生した頃は衝撃的でした。1980年代にヒットした漫画『美味しんぼ』には、初めて「イチゴ大福」を食べた時の衝撃を「全く異質の物と思われたのが、こんなに互いを引き立てあってよく調和するなんて!」というセリフで表現しているシーンがあります。

 そこで、合わない言葉を組み合わせてタイトルが印象深くなることを、「いちご大福」の法則と名づけました。

声に出すとわかる?考え尽くされてできた名作ゲームのタイトル

 日本発の国民的RPGゲームといえば、『ドラゴンクエスト』シリーズ(通称『ドラクエ』)を思い浮かべる方が多いでしょう。

『ドラゴンクエスト』というタイトルも、言葉の組み合わせから生まれました。