この本を制作し、タイトルをつけたのは担当編集者の柿内芳文さん。出版業界では「タイトルの天才」として知られる方です。
本書は「嫌われる」と「勇気」という普通、組み合わされることのない単語を組み合わせることで、化学反応が生み出されている素晴らしいタイトルですが、実はこの本のタイトルは、企画書上では次の通りだったといいます。
『なぜ、あなたは変わりたいのに変われないのか』
その後も、次のようにタイトル案は数多く出ました。
『無意味な人生に意味を与えよ』、『自己を啓発せよ』、『劇薬の人生論』、『普通であることの勇気』
柿内さんは、かなり本気で『無意味な人生に意味を与えよ』というタイトルにしようと考え、仮の装丁案まで作っていました。
そんななか「常に10%自分と世の中の全てを疑う“意地悪い自分”が、『ちょっとそれ待ったー!!!』って、全力でブレーキをかけてくれた」といいます。さらにタイトルを考え、出版数カ月前に『嫌われる勇気』というタイトルを思いついたのです。
もし『嫌われる勇気』というタイトルでなければ、ここまでの大ベストセラーになっていたでしょうか?
新しい文字を発明!『大奥物語』にたった1文字加えて大ヒット
さて、今度は映画のタイトルなども見てみましょう。
映画会社・東映でプロデューサー・社長として一時代を築き、映画界のドンといわれた人物がいます。それが岡田茂です。岡田は映画界においてタイトルの天才でもありました。
たとえば、こんなエピソードがあります。