RT)これな。けっこうな数の映画監督や演劇演出家が特撮とかアニメを毛嫌いする理由っというのは製作者側が演技と実物の区別がつかない自他境界線の怪しく明確な嘘で人が感動する理由が判らない、だからそういう作品が許せない人たちが多いんじゃないかという仮説に対する証明のようにも思えるんだよな
だから彼らは無茶なハラスメント演出や指導で「役者の精神が壊された生の顔や女優の裸」を撮ることに血道を上げるんだよな。
そしてそういう演出で撮られたヌードはどんな美人女優でも醜い見世物っぽく見えてしまう悲劇もセットで。
あの手の自他境界線の曖昧な監督や演出というのは他者や他職への敬意と理解を欠いているから対象取材力が低い。
だから感情描写が凄く上手くても背景描写や状況説得力がひどく脆弱で嘘っぽく独りよがりというのが割と共通していたりもする。
「擲弾兵@ブースター接種終わり@tekidanhei」氏による上記のツイートが注目を集めていた。はてなブックマークでも最初にコメントしている下記をふくめ、同調するコメントが複数ある。
[B! 演劇] 擲弾兵@ブースター接種終わり on Twitter: "RT)これな。けっこうな数の映画監督や演劇演出家が特撮とかアニメを毛嫌いする理由っというのは製作者側が演技と実物の区別がつかない自他境界線の怪しく明確な嘘で人が感動する理由が判らない、だからそういう作品が許せない人たちが多いんじゃ… https://t.co/FUB6L79s5h"
id:yujimi-daifuku-2222 ああ、分かってしまう。/例えば、登場人物の普段の仕事内容や職場のリアリティは薄い(リアリティラインが低い)のだけど、個人的な関係性の相手との感情的なあれこれの描写だけがやたら細かい実写作品はあるよね。
しかし『仮面ライダーゼロワン』も『仮面ライダーセイバー』も仕事描写のリアリティが濃かったとは思わないし、作品としての評価が高い『仮面ライダーエグゼイド』ですら例外ではない。最近のアニメも多少は見ているが、仕事内容や職場のリアリティが高い傾向は特に感じない。
たしかにドキュメンタリ出身の是枝裕和監督などは、緻密な取材によってリアリティが高い傾向があり、あまり俳優をコントロールしないおかげで負担が少ないようでもあるが、それは同じ来歴から異なる経路で生まれた傾向だろう。
そもそも一般的に「特撮」は実写にふくまれる映像表現であるし、「アニメ」の業界も声優をとおして演劇とのむすびつきが強い。
2022年の日本映画界における性加害の告発で、最初にあばかれた榊英雄監督は、東映特撮の『特命戦隊ゴーバスターズ』のレギュラー俳優として司令官を演じて、特撮愛好家から親しまれていた。
つづくように告発された園子温監督は『ラブ&ピース』で、近年の円谷特撮で活躍する田口清隆特技監督をまねき、精緻なミニチュア特撮をクライマックスで見せた。
女性との関係をとりもったと指摘されている坂口拓監督もアクション関係で活躍し、『仮面ライダーカブト』や『キングダム』の重要な敵キャラクター、『ゴジラ FINAL WARS』『HiGH&LOW THE RED RAIN』のアクション演出などで特撮作品に近い。
趣味嗜好もあって上記の3人については名前をあげた作品くらいしか視聴できていないので、特撮と無関係な人物のように論評されると違和感がある。もちろん園監督などは別ジャンルで名前をあげたことも理解はしているが。
また、現時点でハラスメントが告発されていないことは、ハラスメントが少ない可能性もあるが、発覚させない圧力がある可能性も考慮すべきだろう。
「#MeToo」の潮流が米国から韓国から波及した時、韓国映画は世界的に名声のあるキム・ギドク監督を追放したが、日本映画界は受けいれつづけ、あまり一般的にも知られないままだった。
hokke-ookami.hatenablog.com
それが2022年になってようやく日本にも波及したものと解釈するべきだろう。そうした告発がおこなわれるような問題が特撮やアニメには存在しないとは、残念ながら期待はできない。
すでにアニメ声優をテーマにした小説の感想エントリで言及したように*1、今年の『仮面ライダーリバイス』でハラスメントがおこなわれたという告発もある。
www.huffingtonpost.jp
つまり「擲弾兵@ブースター接種終わり@tekidanhei」氏もyujimi-daifuku-2222氏も、裏返しの偏見を根拠にして、すでにメディアで報じられるほどのアニメや特撮におけるハラスメントの存在を否認しているのだ。これは告発に言及しないこととは比べものにならないほどの問題といわざるをえない。