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命を救う!スゴ腕ドクター10
~脳卒中・いびき・大動脈瘤~
■脳卒中
横浜新都市脳神経外科病院 森本将史 院長
突然死を起こす脳卒中。
一命を取りとめても言語障害や下半身不随など重い後遺症が残るケースも多い。
長嶋茂雄さんや今年亡くなった西城秀樹さんも後遺症に苦しんできた。
脳卒中とは、脳の血管に血栓が詰まる「脳梗塞」、脳内の細い血管が破れる「脳出血」、太い脳血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破裂する「くも膜下出血」の総称。
脳梗塞は冬だけでなく、大量の汗をかき脱水症状になりやすい夏にも多い。
そんな脳卒中のスゴ腕ドクターが、横浜新都市脳神経外科病院の森本将史(まさふみ)院長。開頭手術とカテーテルを使った血管内治療の両方を実践している脳卒中治療のエキスパートだ。
治療は時間との勝負。
脳梗塞の患者が救急車で運ばれると、脳血管に詰まった血栓(血の塊)を取り除く緊急手術が始まる。
また、脳卒中を未然に防ぐ様々な予防治療にも挑んでいる。
カテーテルを用いた、頸部の血管から脳に血栓が飛ぶのを防ぐための「ステント治療」や、破裂する前に脳動脈瘤を治療する「コイル塞栓術」。脳の血管に頭皮の血管をつなぐ「脳動脈バイパス手術」など。
趣味のトライアスロンで鍛えた強靭な肉体と精神で今日も多くの患者を救っている。
■睡眠時無呼吸症候群
日本大学歯科学部付属歯科病院 外木守雄 教授
寝ている間に何度も呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群。
日中に居眠り運転など重大な事故を引き起こすこともある侮れない病気だ。
最近は、高血圧や糖尿病のリスクを高めることもわかってきた。
睡眠時無呼吸症候群の主な原因は肥満。
脂肪で喉のあたりの気道がふさがってしまい、寝ている間に呼吸が止まるのだ。
また、生まれつき顎が小さい人も気道が狭いため、睡眠時無呼吸症候群になりやすい。
そんな睡眠時無呼吸症候群のスゴ腕ドクターが日本大学歯科学部付属歯科病院の外木守雄(とのぎもりお)教授。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、鼻から気道に空気を送り込む機械を眠る時につけ、気道を広げて無呼吸を防止する方法が一般的だが、外木教授は外科手術で根本的に治す。
手術で上顎や下顎の骨を切り、前後や左右に移動させることで気道を広げる。
外木の治療を希望する患者は海外からも訪れ、手帳は手術の予定でぎっしり埋まっている。
■大動脈瘤
小倉記念病院 坂口元一 主任部長
心臓から全身に血液を送る大動脈にこぶのような膨らみができる大動脈瘤。
気づかないうちに進行し、破裂して突然死を招くこともある恐ろしい病だ。
大動脈瘤が破裂した場合、助かる確率はわずか2割ほど。
俳優の阿藤快さんも大動脈瘤で急死した。
主な原因は動脈硬化で、40歳以上の高血圧の人がなりやすいといわれている。
そんな大動脈瘤のスゴ腕ドクターが、小倉記念病院の坂口元一(げんいち)主任部長。
これまで大動脈瘤の治療は胸やお腹を大きく切り開き、こぶができた大動脈に人工血管を縫い付ける大手術が必要だった。
坂口医者は、体の負担が少ない「ステントグラフト内挿術」という最新治療の第一人者だ。
ステントグラフトとはバネ状の金属が付いた人工血管。
このステントグラフトを小さく折りたたんで足の付け根の動脈から大動脈まで通し、こぶのある部分で広げて固定する。
大動脈瘤への血流を遮断することでこぶの破裂を防ぐのだ。
手術時間が短く、社会復帰も早い大動脈瘤の最新治療で坂口医師は多くの患者を救っている。
患者のために全力で闘う“スゴ腕ドクター”たちに密着するシリーズ第10弾!
突然死を起こす恐ろしい“脳卒中”。横浜新都市脳神経外科病院の森本将史医師は、開頭手術だけでなくカテーテルと呼ばれる細い管を使った最新治療まで行う脳卒中治療のエキスパート。そして、眠っている間に呼吸が止まる“睡眠時無呼吸症候群”。昼間に居眠り運転など重大な事故を引き起こすこともある侮れない病を日本大学歯学部付属歯科病院の外木守雄歯科医師は手術で治す。さらに、破裂すると突然死を招く“大動脈瘤”。小倉記念病院の坂口元一医師は、「ステントグラフト」と呼ばれる人工血管を足の動脈から入れて治療する。3人のスゴ腕ドクターたちに密着する。